いきものがかりの新作『ハジマリノウタ』のリリースに伴う全国ツアー『いきものがかり
のみなさん、こんにつあー!! 2010
全国あんぎゃー!!〜ハジマリノウタ〜』の富山公演を観に、5月15日にオーバードホールに行って来た。いきものがかりが初めて富山でライヴを演った前回のツアーではチケットを取り損ねたため、彼らのライヴを観るのは'08年の金沢・AZホール以来2年ぶり。なんとかチケット確保に成功した今回も、オーバードホールのステージから一番遠い5階席の最後列であり、なんとかギリギリチケットgetに成功してたことが分かる(苦笑)。会場入口には、全国行脚→『水戸黄門』という連想から、3人のメンバーが『水戸黄門』の黄門様(聖恵)と助さん・格さんのコスプレをした写真が貼られた書き割りが置かれており、ファンは書き割りに開いた穴から首を出して「メンバーと一緒」の記念写真が撮れるようになってる(苦笑)。中学生・高校生に絶大な人気を誇る
いきものがかりのライヴに行ったら40オヤジの私はさぞかし目立つだろう...と思ってたら、小学生くらいの子供の付き添いの父兄も来てるため、私が浮いてみえることは無く、居心地の悪さも感じなかった。さすが2年連続で『NHK紅白歌合戦』出場の人気アーティスト!
開演予定時間の6時になると、場内への注意アナウンスが流れる。喋ってるのは、リーダー・水野良樹だ。「ステージ前に駆け出すと非常にデンジャラスですので〜」とか「公演を一旦中断、またはストップしますので〜」とか「携帯電話の電源をオフ〜」とか、英語混じりのひじょーにビミョーなアナウンス(苦笑)。フツウに喋ればいいのに...(苦笑)。
開演予定時間を10分くらい過ぎた頃に客電が落ち、ステージ向かって左側の裾からまずはサポート・メンバー4人がステージ上に登場し、それぞれの持ち場に着く。続いて、いきものがかりの3人が登場。ステージ真ン中のマイクスタンドのところに立った吉岡聖恵が歌い始めたのは彼らのメジャー・デビュー曲“SAKURA”。最初はいきものがかりの3人だけによるアコースティック・ヴァージョンで始まり、途中からサポート・メンバーたちも演奏に加わった。聖恵は白いワンピースに赤いジャケット姿で、『紅白』出演歌手ということをアピール?(苦笑)。その聖恵の右隣にエレキ・ギターのリーダー、左隣にはアコースティック・ギター兼ハーモニカの山下穂尊が居る。2曲目に新作のタイトル曲“ハジマリノウタ”を演ると、「みなさん、こんにつあーーー!!! いきものがかりです!」などと聖恵が観客に挨拶。いつもライヴの度にリーダーが「僕と目が合うと、目が合った観客はみんな苦笑いする」と喋ってるせいで、すっかりファンたちにこの話が知れ渡ってしまい、「僕と目が合うとみんな苦笑いするんだよなぁ...」などとボヤくリーダー(苦笑)。次の曲では聖恵はタンバリンを持ち、穂尊がハーモニカを吹く。“KIRA☆KIRA☆TRAIN”だ。聖恵の腕の動きに合わせ、観客は掲げた腕を左右に揺らす。彼らのレパートリィのなかでも盛り上がる部類のこの曲が終わると、立って盛り上がってた一部の観客に「みんな座って下さい。この後立ちたくなったら立ってくれても結構ですから」などと声を掛けてリーダーが観客を座らせると、彼らのツアーのお約束ともいえる「みなさん、こんにつあーーー!!!」の掛け合いを聖恵の音頭で行う。ステージからも高い席から観てる観客が居るのがよく見えるんだろう、聖恵が「ここは何階まであるんですか? 4階?」と聴くと、私の居る5階の観客が「5階!」と大アピール(苦笑)。穂尊が「僕たち、昨日『富山ブラック』食べてきたんですよ」と話しかけようとしたところ、即、リーダーから「その話はまた後で」との声が飛んだ(苦笑)。ここで、聖恵から「インディー時代から演っている大切な曲」などと曲紹介があり、“ノスタルジア”へ。次に披露された“真昼の月”では、満月のようなスポットライトが聖恵にだけ当てられる印象的な演出があった。続けて“秋桜”を歌い終わると、聖恵は「“ノスタルジア”、“真昼の月”、“秋桜”でした」と、ここまで演った3曲を後紹介。たぶん、この間にジャケットを脱いだんだろう、リーダーは黄色いTシャツ姿になった。ここでM.C.タイム。まずは、先ほど穂尊が紹介しかけた『富山ブラック』の話題。『富山ブラック』の話題なら富山の観客の喰い付きもいいだろう...と考えての話題フリだったんだろうけど、あいにく『富山ブラック』を食べたことがある富山のファンは意外に少なく、「『富山ブラック』を食べたことがあるひと〜!」と観客を挙手させたところ、パラパラと手が挙がる程度で「M.C.の構成を完全に間違えましたね」などとリーダーを嘆かせた(苦笑)。『富山ブラック』の総本山の店『大喜』の読みは「だいき」ではなく「たいき」であることを確認したところで『富山ブラック』の話題は終わりのハズだったんだけど、油断してると「『富山ブラック』って(散)蓮華が無いじゃないですか?」と、つい、観客に同意を求めてみたり...と、せっかく仕入れたネタを使わず仕舞いに置いておくのは悔しいよーで(苦笑)。さらには、「私はサポート・メンバーではありません」とか「2連連続『紅白歌合戦』の入口チェックに引っかかり、警備員に止められました」などと、いつものようにリーダーの自虐的な話題(苦笑)があり、その後は、穂尊が『大喜』で『富山ブラック』を喰ってから富山大和に行った話とか、『吉岡聖恵の誰にも分からないモノマネ・コーナー』(一発目は聖恵の母親、二発目は聖恵の兄貴のモノマネ...苦笑)、聖恵が富山城行ったらすでに閉館してて、富山城周辺の木に巣を作ってる鳥たちをボヤ〜っと見てたという話とか、髭剃り器を持って来るのを忘れたリーダーが、髭剃り器を買いに『上新電機』に行った話など、話題てんこもり(苦笑)。長い長いM.C.タイムが終わると、聖恵が「たくさんの出会いをくれた曲」などと曲紹介。去年の『紅白』でも歌った“YELL”だ。もしかしたら、マニピュレーターが合唱パートを流すのでは?...と思ってたけど、穂尊のコーラスのみで仰々しさを抑えた演奏。この曲を歌い終わると、この曲が『NHK全国学校音楽コンクール』(合唱コンクール)の中学生の部の課題曲だったことや、コンクールに参加してくれた学生たちのところへ訪問したことなどを語った聖恵、続けて「『紅白』で中学生といっしょに歌うことが出来てよかった。『紅白』観た近所のおばあちゃんから『これからも足を地に付けて頑張れ』と励まされ、嬉しかった」などと感慨深げだった。
「自分で作った曲」などと聖恵が紹介した曲は、“未来惑星”。聖恵にとって2曲目となる自作曲のこの曲に続き、大ヒット曲の“帰りたくなったよ”を演ると、いきものがかりのメンバー3人全員が交代でリード・ヴォーカルをとる“てのひらの音”をプレイ。こうしてナマで聴くまで、歌ってるのはリーダ−と聖恵の2人だと思ってた(苦笑)。この曲が終わると、暑くなったのかついに赤い上着を脱いだ聖恵、「富山の女の子〜」 (観客の女性)「yeah〜!」 「富山の男の子〜」 (観客の男性)「yeah〜!」...などと掛け合いを繰り返す。観客とのやりとりで会場のテンションが上がって来たところで披露された曲は“ホットミルク”。聖恵はタンバリンを振って観客を煽る。続いて、シングル・ヒット曲の“ブルーバード”を演ると、聖恵が「富山の女の子〜! (中略) 富山の男の子〜! (以下、略...苦笑)」の掛け合いを再び仕掛けた後、左手は人さし指を立てて斜め上に掲げ、右手はタオルをぐるぐる回転させるように指示し、ここで会場の観客はほぼ総立ちとなる。いきものがかりのライヴは(彼らのロゴ入り)タオルを持ってることを前提に組まれてるので、タオルを持ってなくて「しまった!」と思っても、後の祭り。ここで披露された曲は、“じょいふる”。聖恵の指示で、場内♪JOYと〜JOYと〜JOYと〜YOUきなベイベー〜...を声を大きくしたり、時には声を小さくしたりして合唱。場内一体化した“じょいふる”の後に“気まぐれロマンティック”を演ると、聖恵が「また富山に戻って来れるれるように、この曲を演ります」などと語る。ここで披露されたのは、“茜色の約束”。この曲が終わると、いきものがかりの3人と、サポート・メンバーの3人は一旦ステージを去った。
場内に観客からのアンコール要求のクラップが響き渡っても、なかなか
いきものがかりの3人は姿を現さないため、アンコール・コールも発生したところで、ようやく3人がステージに再登場。サポート・メンバーも含め、全員ツアーグッズに着替えてる。リーダーとキーボード奏者とマニピュレーターはリーダーがデザインした野球ユニフォームを着て、他のメンバーはツアーTシャツを着てた。聖恵が「盛り上がる曲を演る!」などと宣言して始まった曲は、2ndからの“東京猿物語”。♪そいや〜!
そいや〜!...の掛け声の入るこの曲は確かに盛り上がる。お約束どおり、ファンは手にしたタオルを回転させる。曲の途中には、リーダーひとりがスポットライトを浴び、ツアー中の体重4
kg増を告白するという演出もあった。“東京猿物語”が終わると、せっかくの野球ユニフォームをグッズの宣伝も無いまま脱いで、聖恵たちと同じツアーTシャツ姿になったリーダーからひとこと。「喋る内容をいろいろ考えていたけど、いざ話す段になってアタマが真っ白になり、今思ってることをそのまま話てるだけ」というふうに断った上で、「曲もただ演奏して歌ってるだけでは『曲』にならない。みんなの反応が無いと(『曲』にならない)」などとリーダーが語ると、聖恵からも観客への謝意が告げられ、新曲“ありがとう”が披露された。続けて“うるわしきひと”を演り終わると、サポート・メンバーをベースの安達貴史、ドラムの玉田豊夢、キーボーディストでバンマスの本間昭光、マニピュレーターの足立賢明の順番に紹介し、7人全員で手をつないで観客に御辞儀。サポート・メンバー4人がステージを去ると、聖恵が「路上で活動を始めた3人なので、最後は3人だけで演ります」などと言い、3人で“明日へ向かう帰り道”をプレイ。曲を演り終えると、今度は3人で手をつないで観客に向かって深々と御辞儀。御辞儀した後もメンバーひとりひとり思い残すことがないようにすべく(?)、観客に手を振ったり声をかけたりしてからステージを去って行った。
M.C.やライヴを盛り上げる演出等に時間がかけられてるため、19曲しか演っていないのにライヴが終わるまで3時間弱くらいかかってた。彼らのエンターテインナーぶりに、どうして彼らがこんなに支持されるのか、人気の秘密の一端を垣間みた気がした。
【SET LIST】...'10.5.15
富山・オーバードホール
1. SAKURA
2. ハジマリノウタ〜遠い空澄んで〜
3. KIRA☆KIRA☆TRAIN
4. ノスタルジア
5. 真昼の月
6. 秋桜
7. YELL
8. 未来惑星
9. 帰りたくなったよ
10. てのひらの音
11. ホットミルク
12. ブルーバード
13. じょいふる
14. 気まぐれロマンティック
15. 茜色の約束
(encore)
1. 東京猿物語
2. ありがとう
3. うるわしきひと
4. 明日へ向かう帰り道