MiChi.とthe
telephones(以下、telephones)のコラボレーション・シングル“WoNdeR
WomaN”のリリースを記念し、「WoNdeR WomaN」 release
partyというライヴ・イヴェントが開かれるというので、6月25日に代官山UNITへ観に行って来た。MiChi.目当てで会場に足を運んだ私が彼女のライヴを観るのは、去年の『Kiraria
Presents FES CUTE』以来。その時はわずか3曲だけの演奏で、かなり物足りなさを感じた。可能であればワンマン・ライヴを観たいところだけどなかなかそういう機会も無く、今回のジョイント・ライヴはあくまでもMiChi.のほうが主役なため、前回よりは曲を演るだろうと考えて参戦した。
MiChi.とthe
telephonesの共演は、意外な組み合わせと思われるかもしれないけど、MiChi.はエレクトロニック・サウンドからポップス/ロックのフィールドにハミ出して来たアーティストであり、telephonesはニュー・ウェイヴ・ロック・バンドで、ちょっと考えてみればこの両者の組み合わせは少しも不思議でも何でもない(苦笑)。MiChi.もtelephonesもファンは20代前半くらいが中心なので、40オヤジの私はフロア(ステージ向かって)右側最後方の関係者通路との仕切りの柵の前で大人しく開演を待つ(苦笑)。観客が着てるTシャツの柄から推し量るに、MiChi.のファンよりもtelephonesのファンのほうが多そうだ。
開演予定時間の7時を5分ほど過ぎた頃、フロアの灯りが消え、“happiness
happiness
happiness”に乗ってステージ上にtelephonesのメンバー4人が登場。アフロ頭はこのバンドのフロントマンであるヴォーカル/ギターの石毛
輝のトレードマークだけど、他のメンバーも赤や緑といったカラフルなアフロヘアのカツラを被ってる(苦笑)。ニセ・アフロは早々に脱ぎ捨てられ、メンバーそれぞれ持ち場に就く。サングラス、アフロ、髭、そしてダブダブの衣裳着たアヤシい風貌の石毛はギターを構えるなり、早速サングラスを外す。オープニング・ナンバーは“Monkey
Discooooooo”。会場の半分以上を占めるtelephonesファンが腕を振りかざし盛り上がり始める。石毛の右に位置する金髪のベ−シスト、長島涼平は時節柄(笑)サッカー日本代表のレプリカ・ユニフォームを着てる。石毛の左のキーボードの岡本伸明は「No
soccer, No
Life」などと書かれたTシャツを着て、片方の肩をはだけてる。ドラマーの松本誠治の姿は、機材に邪魔されて私の位置からは見えない(苦笑)。「disco!
disco!」と連呼する彼ららしく、長島の背後にはミニチュア版のミラーボールが飾られてる。曲が終わると、岡本がステージからフロアの観客に向かって早速ダイヴ(苦笑)。次にb.p.m.の大きい曲“Urban
Disco”を演ると、♪トゥルトゥルットゥットゥ〜トゥルトゥルットゥットゥ〜のオープニング・コーラスがポップな“A.
B. C.
Disco”を披露。ここで石毛が「日本、勝ったね!」とM.C.。この日の早朝にFIFAワールドカップ2010
1次リーグで日本がデンマークを3-1で破り、決勝トーナメントに駒を進めたばかり。「日本が勝ってライヴ演るのと、負けてライヴ演るのと、やっぱ違うよね。みんなも勝ってライヴ行くのと、負けてライヴ行くのとじゃあ違うだろ?」などと話を続けた石毛、ここでコラボ・シングルの“WoNdeR
WomaN”の話題へ。この曲がTVドラマ『ゴシップガール』のエンディング・テーマとして使われてることから「『ゴシップガール』観たひと(居る?)」と観客に手を挙げさせた。冷やかし
or
目立ちたがり屋で観ても居ないのに手を挙げてた観客は石毛に本当に『ゴシップガール』観てるかどうか念を押されてるうちに次々「脱落」(苦笑)。最後に1人残った女性客と石毛は会話を始めようとしたけど、戸惑いのためか彼女のノリが悪く、「僕と会話する気が無いようですね」と会話を断念し、「(突然声をかけてきたのが)こんな格好(のひと)でゴメンネ」とその女性に謝った石毛。ここで、「MiChi.さんを呼んでみましょう」などと石毛がステージにMiChi.を招き入れる。黄色いシャツ着たMiChi.が颯爽とステージに登場。MiChi.が「もしかして、ウチらが共演してこの曲演るのは、今回が最後かもよ〜」などと言い、“WoNdeR
WomaN”を演奏。曲が終わるとMiChi.はステージを去り、ステージ上は再びムサい男4人のみとなる。「可愛い女のコが居なくなってゴメンネ」などと謝ると(苦笑)、石毛が「新曲演ります。disco、discoばっかり言ってますが、“I
Hate
DISCOOOOOOO!!!”」と曲紹介。重々しいイントロのこの新曲を演り終えると、カウベルを狂ったように叩き始める岡本。“Baby,
Baby,
Baby”だ。カウベルを叩く岡本に代わり、この曲では石毛がキーボードを演奏。続いて“HABANERO”を演ると、石毛と観客の間で「We
are〜!」「disco〜!」「We are〜!」「disco〜!」と掛け合い。次に「We
are〜!」「Japan〜!」の掛け合いをやると、「バカだな、お前ら」と石毛から観客に褒め言葉が贈られた(笑)。最後の曲を演る前に「(この場を)愛にあふれる空間にしよう」などと石毛が前フリし、「Love
&〜!」とシャウト。ファンが「DISCO〜!」と返したところで“Love
&
DISCO”が登場。曲が終わると、岡本は脱いだTシャツをブンブン振り廻し観客に投げ入れると見せかけて投げ入れない...というパフォーマンスを演ってるうちにフロアに落ちてしまった。ライヴ中ずっとステージ上狭しと暴れまくってた岡本、コイツは危ない!(苦笑) 岡本のテンションにノセられてか、クラウド・サーフィンする観客も登場したtelephonesの熱いパフォーマンスは40分ほどで終了。
【SET LIST】...'10.6.25
代官山UNIT
. happiness happiness happiness
1. Monkey Discooooooo
2. Urban Disco
3. A. B. C. Disco
4. WoNdeR WomaN (with MiChi)
5. I Hate DISCOOOOOOO!!! (新曲)
6. Baby, Baby, Baby
7. HABANERO
8. Love & DISCO
セット・チェンジを挟んでMiChi.の出番が始まったのは8時頃。ステージ左袖からギターのKOTA、ドラムの
まいさん、キーボードのTOM(松澤友和)さんが登場。各人の持ち場に就き、演奏始めたのは“WoNdeR
WomaN (T.O.M
remix)”。この曲に乗り、MiChi.がステージに登場。先ほどとは違い、紫のジャケットを着てる。MiChi.が歌った1曲目は彼女のインディー・デビュー盤である『MiChi
MadNesS』からの“Fxxk You And Your MoNey
”。(telephonesのステージの時にはミニチュアのミラーボールが設置されていた)ステージ奥から緑色のレーザー光線がフロア天井に吊るされたミラーボールに向けて放射され、ミラーボールに反射したレーザー光線が、場内をまるで緑色の雨が降ったかのように染め上げていた。曲が終わるとすぐに上着を脱ぎ、黄色のシャツ姿になったMiChi.。続いて“Strong
MAN”を演ると、MiChi.の関西弁が入ったM.C.へ。「telephones、ヤバいライヴだったね。あーゆ−ライヴをフォロウせなアカン私が可哀想」などと喋り、次の曲を「ガーリーな曲」と紹介し、“dance
DANCE!”を披露。この曲が終わると、「女の子女の子した曲はこれで終わり。次はここにいるみんな誰もが知ってる曲を演る」などと言う。ここでKOTAが弾き始めたギター・リフは、'90年代を代表する曲・ニルヴァーナの“Smells
Like Teen
Spirit”! この曲の演奏中にtelephonesの岡本がステージに乱入し踊り狂うと(笑)、フロアを埋める観客も岡本に負けじとジャンプ!(苦笑) 曲が終わると、「暑いな。私、これから水飲むからな」と言ってストローを差したペットボトルで給水するMiChi.。観客の女のコから「私も(水)欲しい〜〜〜!!!」と言われ、彼女にそのままペットボトルを差し出したMiChi.。彼女からペットボトルを返してもらった時に、ストローだけが戻って来なかったので「ストロー返して〜」とMiChi.が言う。すると、無事、ストローもMiChi.の手元に戻って来た(苦笑)。「今日は何の日か知ってる?」とMiChi.が観客に訊いたところ、観客からは「給料日〜!!!」との声が...(苦笑)。「ウチは15日(が給料日)だったんや」と返したMiChi.が「マイケル・ジャクソンの亡くなった日、記念日や」と種明かし。MiChi.が無邪気に放つ「記念日」とのドギツい表現に観客はザワザワ...。この観客の反応に、「英語では記念日もそういうのもみんな『anniversary』やから...」と慌てて弁解するMiChi.。ハーフだからこのような日本語の細かい表現が分からなくても仕方が無い。結局、ステージ前列に居るファンや、バック・バンドのTOMさんたちの助け舟で、ようやく「そうや、命日や」と言い直せたMiChi.(苦笑)。ここでMiChi.が「何か、弾けないかな」などとギターのKOTAにフる。MiChi.のリクエストに応え、KOTAが弾き始めたのは“Black
Or
White”のリフ。「珍しく、気が利いてるじゃない」などとKOTAを褒めたMiChi.、このリフに合わせて“Black
Or
White”をサビのさわりだけチョロっと歌った。これ聴いたファンが「もっと聴きた〜い!」と声を上げたけど、これ以上のマイケル追悼は無かった。
「後半、行くでぇ〜!」とMiChi.が言った後、TOMさんが出し始めた♪ドンドンチャン〜のリズムはクィーンの“We
Will Rock
You”のリフ。MiChi.も両手を掲げて手拍子するよう観客を煽る。が、MiChi.が観客に♪I
love rock n'
roll〜と歌わせるものだから、ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツの“I
Love Rock N'
Roll”を演るのかと思った。しかし、演奏された曲は、やはり、クィーンの“We
Will Rock
You”(苦笑)。MiChi.は拡声器使って声を歪ませながらこの曲を歌う。ニルヴァーナ、マイケル、ジョーン・ジェット、クィーン...と、ロック・クラシックス・カヴァーが続いた後は、“Something
Missing”。この曲の中盤には
まいさんの簡単なドラム・ソロがあった。次に“PROMiSE”を演ると「みんなでこの世界を変えていこう!」などと曲紹介があり、最後に“ChaNge
the WoRLd”を演奏。
MiChi.たちがステージを去ると、観客からアンコールを求めるクラップが起こる。なかなかMiChi.がステージに戻って来ないし、telephonesもMiChi.も平等に8曲ずつ演ってるからバランスとるためにアンコール無しなんだろうな...と、アンコールを諦めかけた頃に、MiChi.がtelephonesの5人と一緒にステージに再登場。「曲は無いけど、挨拶だけでも...と思って出て来たんや」などとMiChi.が言い、telephonesの誰かにマイクを渡そうとしたら、そのマイクは何故か石毛ではなく、岡本の手に渡った(苦笑)。岡本は「僕らのファンはMiChi.さんのことを知らないし、MiChi.さんのファンは僕らのことを知らない。そういう者同士がこの場でひとつになれた。これはとっても素晴らしいことだと思います!」などと、フロアの観客たちに最後のメッセージを贈った(苦笑)。
ヤバいライヴを演るtelephonesと、彼らのファンのほうが多いことを意識してか、ロック然とした曲や、カヴァー曲の割合が大きかったMiChi.のライヴ。途中のM.C.で「なかには私のこと知らないひとも居ると思うし、telephonesのことを知らないひとも居ると思う。だけど、せっかく同じ場所に来たんだから、みんな友達になればいいんや」とMiChi.は喋ってたけど、その言葉どおりMiChi.のことを知らないtelephonesファンを貪欲に取り込もうとする意欲的なセットだったと思います。ただ、彼女の音楽の持つ繊細な部分も含めた、「MiChi.の全体像」に触れようと思うならば、やっぱワンマン・ライヴを観に行くしかないようですねぇ〜(苦笑)。あと、telephonesの岡本...(苦笑)。アイツはヤバい!(笑)
【SET LIST】...'10.6.25
代官山UNIT
. WoNdeR WomaN (T.O.M remix)
1. Fxxk You And Your MoNey
2. Strong MAN
3. dance DANCE!
4. Smells Like Teen Spirit
5. We Will Rock You
6. Something Missing
7. PROMiSE
8. ChaNge the WoRLd