新山詩織の2ndライヴ･ツアー『ハローグッバイ』を、恵比寿･リキッドルームで観て来た。私がこれまで観た詩織のライヴは2回ともアコースティック･ライヴだった。ベースとドラムが入ったバンド編成のライヴで、これまでと違った彼女の魅力を発見出来ることを期待して、ライヴに臨んだ。観客は男女比6:4くらい。年齢層は10代から40代と幅広い。
　ライヴが始まったのは、開演予定時間の18時から5分ほど経ってから。それまでB.G.M.で流れてた曲が終わると客電が落ち、別の曲が流れ始める。バック･バンドの4人がステージに登場しそれぞれの持ち場に就くと、会場に詰めかけたファンからの拍手を受けながら、新山詩織が登場。(照明の影響でハッキリした色は分からなかったが)ラベンダー色のタンクトップに白いズボン姿。前に居る観客にアタマで視界が遮られてたため詩織の下半身が最初はよく見えず、「ワンピースで出て来た!」と最初は勘違いしてしまった(苦笑)。アコースティック･ギター(以下、アコギ)を構えた詩織が弾き始めたイントロは、2ndアルバム『ハローグッバイ』のアタマを飾る“Winding Road”。このまま新作からの曲をばんばん演ってくのかと思ったら、次の曲は1stから“今 ここにいる”(苦笑)。ギター、ベース、ドラム、キーボードの4人編成のバンドで、詩織を含めての5人での演奏。“今〜”の後は“分かってるよ”で、詩織の弾き語りから始まり、バンドが途中から演奏に加わる形で披露された。曲が終わると、「みなさんこんばんは。新山詩織です!　2ndライヴ･ツアー『ハローグッバイ』へようこそ!」と詩織が挨拶。「今日は最後までみなさんにどっぷり音楽に浸れる時間にしたいと思ってます。最後までよろしくお願いします」とM.C.してから曲紹介。「次の1曲は、“sunny day”」　観客がリズムに合わせて手拍子した“sunny day”の後は、ノリのイイ“「大丈夫」だって”へ。この曲でも観客が曲に合わせ手拍子してた。5thシングルの“絶対”が終わると、M.C.タイム。今日が今回のツアーの最終日だということに触れ、「大阪では初めてバニラアイスの串カツを食べて、名古屋では手羽先をめい一杯食べてすごくお腹の調子が悪かったんですけど、でも翌日の朝しっかり『コメダ珈琲』に行って小倉トーストを、食べて帰って来ました」など詩織のユルいトークで、場内は爆笑の渦に包まれた(笑)。「ここで、一息つきましょうか。“午後3時”」と曲紹介し、詩織のほぼ弾き語りで(若干キーボードが入ったケド)“午後3時”が演ると、詩織のデビュー曲の“だからさ”へ。ここまで、どちらかの言うと1stからの曲の印象のほうが強かったけど、次の曲からは“好きなのに”、“気まぐれ”...と、2ndの曲が次々と登場。ここで初めてアコギを下ろし、バンド･メンバーが挙手して手拍子を煽るなかエレキを構えた詩織、フロア奥のほうの観客の手の挙げ方が不充分と考えたのか「後ろのほう、もっと手を挙げましょうか」と声を掛ける。曲は“しおりのR&R”。3月のライヴでは、10代最後の挑戦としてワンマンライヴでギター･ソロを弾くことを宣言してたけど、この曲の中間部で(派手さは無いものの)しっかりとギター･ソロを弾いてた詩織。この曲の中盤では、ドラム、ベース、ギター、キーボード...の順にそれぞれのソロを織りまぜながらのメンバー紹介があり、最後に「そして私、ヴォーカル、ギター、新山詩織」と自分自身を紹介し(苦笑)、ファンの喝采を浴びてた。最後に♪it's gonna be alright〜とファンが合唱して大いに盛り上がったところで、ギターをアコギに持ち替えた詩織の弾き語りで“きらきら”。「もっと熱くなりましょうか。“17歳の夏”」と詩織が曲紹介した“17歳の夏”では、観客が手拍子して盛り上がると、ギターをエレキに替えた詩織、観客と「まだまだ行けますか?」、「yeah〜!」のやり取りをして“Everybody say yeah”へ。ここまでの2曲は、私がライヴでこれまで聴いたことが無かった曲で、これで『しおり』の曲は全部ライヴで聴いたことになる♪　♪everybody say yeah〜の場内合唱で盛り上がったこの曲のソロは、ギターの金子健太郎さんに任せてた詩織(苦笑)、エレキのまま「私がメジャー･デビュー前から大切にしてる曲を聴いて下さい。“Looking to the sky”」と曲紹介。私が詩織にどっぷりハマるきっかけになった曲が。ここで登場!　詩織が「大切にしてる曲」である以上、この曲はこれまで観たライヴでも毎回演奏されてたけど、詩織がこの曲でエレキを弾いたのを観たのは初めてで、新鮮だった(苦笑)。中盤のギター･ソロは、やっぱり金子健太郎さんが弾いた。次の曲は、2ndからの“フィルム”。この曲でもエレキのままの詩織、この曲を演り終えると、ツアーグッズの白いマフラータオルを両手で頭上にかざす。タオルを持ってる観客が詩織と同じようなポーズを取ると、バンドが次の“Dear friend”の演奏を始めたところで、詩織はタオルをくるくる振るように観客を煽る。タオルを持ってる観客が指示どおりタオルを振り、激しくダークな曲調もあってこの日のライヴで一番観客の動きが激しくなった(と、思う)。あいにく、私が会場前にグッズ売り場を覗いた段階ですでにタオルは売り切れてた。もし、タオルの在庫にもっと余裕があったなら、会場にはもっと大きなタオルの花が咲いてたかもしれない。“Dear friend”の後は久しぶりにギターをアコギに持ち替えた詩織。ガラリと曲調が変わり、“Don't Cry”へ。この明るい曲調の曲をファンの手拍子に合わせながら歌う詩織、曲が終わると、「みなさん、今日はホントにありがとうございます。2ndアルバム『ハローグッバイ』に込めた思いを、みなさんに直接伝えられてとっても幸せです」などと観客に御礼を言う。さらに、『ハローグッバイ』というタイトルについて、「学生の頃の自分、10代の自分にグッバイして、さよならして、また新たに進んでいく。そして、新しい私にハロー、こんにちは...という、そんな今の前向きな気持ちを込めて」付けたことをたどたどしい口調で説明。「デビューしてからも、迷ったりすることも、逃げたくなるようなことも、上手く行かないこともたくさんありましたが、みなさんから丁寧に文字が書かれたお手紙やメッセージをたくさんたくさん頂いて、その手紙のなかでは、『いつも詩織ちゃんの曲は今の自分の気持ちと重なる、解ってくれる、代弁してくれる、そっと寄り添ってくれる』...そんな言葉がいくつも書いてあって、そういう言葉を見てたら『あ、こんな気持ち、私だけじゃなかったんだな』って、自分自身凄く強く前を向けたし、そして、そんな歌をもっともっとみなさんに作って歌って届けたいなと強く強く思いました」などと、ファンに感謝する詩織。「そんな思いを、みなさんに対する思いを、今回の2ndアルバム『ハローグッバイ』には込めました。1曲1曲に言葉を綴りました。『変わらなくちゃ』じゃなくて『このままでいいんだ』って自分のなかでハッキリ強く思えたのは、みなさんのお蔭で、これからも絶対に立ち止まってしまいそうになることってあると思うんですが、それでも私にはこんなにたくさんの味方が居て、支えてくれるひとが居て、『もう大丈夫だなぁ』と今では思います。みなさんが居なかったら私は、ここでこんなふうに思いっきり叫んで、思いっきり髪振り乱して歌うなんて出来ないと思うし、どれだけ今がこんなに...」と話してるうちに感極まって両目に涙をためる詩織。「...幸せかってことをみなさんに伝えたくて...。こんな私ですが、これからもみなさんと是非ずっとずっと進んで行きたいんですが、いいですか?」　詩織の熱い思いを受け止めたファンから大きな拍手が送られる。「これからもよろしくお願いします」と詩織が頭を下げると、ここでもファンから大きな拍手が送られた。「次で最後の曲なんですが...」と詩織が言うと、「エ"エ"〜〜〜ッ!」と観客から声が上がる。「最後は是非、みなさんと1つになって終わりたいんですが...。隣のひとと手をつないでみたり、肩を組んだりしませんか..」と、無茶を言う詩織に場内苦笑...。「恥ずかしいですか?　みんなで心のなかで手をつなぎましょう」。ここで、2ndのラストに収録された“Hello”を披露。曲の終わりのほうで♪la~la~la~lalala~la~...と観客に合唱させ、フロアを「1つに」してから曲が終わると、観客の喝采を浴びながら、詩織はステージを後にした。
　「詩織!　詩織!」と、ファンが熱心に『詩織コール』すると、ツアーTシャツ(グレー)に着替えたバンド4人と、ツアーTシャツ(白)に着替えた詩織がステージに戻って来た。詩織の心の準備が整う前にドラマーがカウントを始めたので、慌ててマイクに飛び付く詩織(苦笑)。曲はフラワーカンパニーズのカヴァーで、“深夜高速”。♪生きててよかった〜...のリフレインが印象的なこの曲だけは、詩織はこの日のライヴで唯一ギターを弾かず、歌に専念。Tシャツに着替えただけじゃなくメイクも直したようで、詩織は本編よりも化粧が濃くなってた印象(苦笑)。曲が終わるとエレキ･ギターを構え、“ゆれるユレル”へ。観客が手拍子で応え、彼女のライヴで一番盛り上がるこの曲が終わると、ギターをエレキからアコギに変えてから「今日はホントにありがとうございました」などと詩織が観客に御礼を言うと、客席からは惜しみなく拍手が送られる。すると、「ここで実は、私から皆さんに発表があります。12月に私のアーティスト･デビュ−3周年を記念した3rdライヴ･ツアーが決定しました!」と詩織から耳寄りな情報がもたらされ、観客からまた大きな拍手が送られる。3rdツアーでは東･名･阪の他に、札幌、仙台、福岡も廻るとのことで、早速モバイル･サイトでの先行予約を宣伝する詩織(苦笑)。「ホントにホントに、これが最後です」　観客がまた「エ"エ"〜〜〜ッ!」と不満の声を上げるのも無視して、「みなさんに感謝の気持ちを込めて、心からこの唄を歌って終わりにしたいと思います。“ありがとう”」などと詩織が曲紹介。最後に“ありがとう”を時折歌詞をド忘れしながら(苦笑)歌った詩織、演奏が終わると、バンド共々観客に御辞儀し、何度も御礼を言った。最後にカメラマンを呼んで観客と記念撮影し、さらに詩織自らもシャッターを切り、ステージを去った。
　2時間超の「どっぷり詩織の音楽に浸れた」ライヴ。バンド編成ならではの躍動感のある詩織の歌唱&演奏を堪能出来た。12月のライヴ･ツアーも楽しみです!

【SET LIST】...'15.7.18 恵比寿･リキッドルーム
1. Winding Road
2. 今 ここにいる
3. 分かってるよ
4. sunny day
5. 「大丈夫」だって
6. 絶対
7. 午後3時
8. だからさ
9. 好きなのに
10. 気まぐれ
11. しおりのR&R
12. きらきら
13. 17歳の夏
14. Everybody say yeah
15. Looking to the sky
16. フィルム
17. Dear friend
18. Don't Cry
19. Hello

(encore)
1. 深夜高速 (フラワーカンパニーズのカヴァー)
2. ゆれるユレル
3. ありがとう