ライドの21年ぶりのジャパン・ツアーを11月25日に、お台場のZEPP
Diver
Cityで観て来た。ライドの突然の再結成には、私も狂喜乱舞したクチだけど、『フジ・ロック』で観れば充分で単独公演までは観に行く必要は無いだろう...と今回のジャパン・ツアーが発表された時点では考えてた。しかぁ〜し、『フジ・ロック』での彼らのライヴがあまりにも良過ぎたため、単独公演を観に行かずには居られなくなってしまった。『フジ・ロック』から帰ってくるなりチケットをget。この時点では、毎年11月には東京出張が必ずあるし、ついでにライヴを観られればいいな...とカルい気持ちで居たけど、実際にライヴ開催が近づいて来ると、毎年恒例の東京出張は別の日だったし、娘の誕生日の翌日に会社休んでライヴに行くことで弟子に白い目で見られるワ...で、ライヴ会場のZEPP
Diver
Cityにたどり着くまでにはいろいろ紆余曲折があった(苦笑)。入場待ちの列に25年前にライドのライヴを観たようなオジさん、オバさんの姿があるのは当然として、マイブラと並ぶシューゲイザーの筆頭格である彼らの音楽を追体験したかのような若人の姿も目立つ。そこらへんが今年観たシンディのライヴと違う(苦笑)。
『フジ・ロック』の時同様、ステージ奥に白抜きでバンド・ロゴが書かれた黒いバック・ドロップが垂らされたほかは楽器しか無いシンプルなセット。開演予定時間の19時を10分ほど過ぎた頃、客電が落ち、ピコピコと電子音のB.G.M.が流れる。観客の拍手に迎えられるようにしてライドの4人がステージに登場。それぞれの持ち場に就くと、マーク・ガードナーが「コンバンワ、トーキョー!」と日本語で挨拶し、場内にサイケなシーケンス・フレーズが流れ始める。“Leave
Them All Behind”だ! ロズ・コルバートがドラムと、『フジ・ロック』の時と同様縞々のシャツを着たスティーヴ・ケラルトがベースを重ね、マークとアンディ・ベルが轟音ギターを加える。うぉ〜!!! ライドだ。マークは『フジ・ロック』の時同様のピチピチTシャツだったけど、野球帽を被ったアンディは趣味の悪いシャツでは無く、時節柄カーキ色の上着を羽織ってた。曲が終わり、アンディが「コンニチワ」などと日本語を取り混ぜながら観客に挨拶してから演奏始まった曲は、“Twisterella”! アルバム『ゴーイング・ブランク・アゲイン』と全く同じ流れで披露されたこの曲、ライドのなかでも1、2を争うポップ・チューンにして、私が一番好きなライドの曲。『フジ・ロック』では演奏されなかっただけに、まさかここで演奏されるとは思わなかった。この曲だけでもワザワザ観に来た甲斐があったというものである。観客の手拍子を受けながら軽快に“Twisterella”が演奏されると、「thank
you!」と観客に御礼を言って、「“Polar
Bear”」と曲紹介するアンディ。デビュー・アルバムから“Polar
Bear”ではマークとアンディのヴォーカル・ハーモニーが堪能出来た。マークが「アリガト、トーキョー!」と日本語で御礼を言うと、アンディが「あれから25年だ」などと喋り、ギターを掻き鳴らす。ロズがシンバルを叩き始め、スティーヴがベースを入れるとそれは名盤『ノーホエア』の1曲目の“Seagull”のイントロになった。会場のファンは大喜び。彼らが今回のツアーで『ノーホエア』の再現ライヴを演ってると聞いてるので、再現ライヴ来たか!...と思ったけど、先に“Polar
Bear”演ってしまってるから、それは無い(苦笑)。しかし、次は“Kaleidoscope”だし、その次はアンディがアコギを構えての“In
A Different Place”で、ここまではアルバムの曲順どおりだ。“〜
Different
Place”が終わると、アンディは上着をめくって下に着てるブライアン・ジョーンズのTシャツを観客に見せ付けた(苦笑)。
『ノーホエア』の再現は無い代わりに、ここで早くも“Dreams Burn
Down”が登場。ロズが叩き出すリフ聴いただけで、ファンから悲鳴に近い歓声が上がる。曲が終わりまたもマークが「アリガト!」と日本語で御礼を言うと、アンディがアコギを構えて“Chrome
Waves”。続く、解散アルバムとなった『タランチュラ』からの“Black Nite
Crash”は、この日の演奏曲目のなかで一番シンプルなロック・ナンバーのため、真性のファンが望む曲でなくても盛り上がる(苦笑)。曲が終わるとまたしても日本語で「アリガト!」と御礼を言うマークに、アンディが「オマエはどれだけ日本語知ってるんだ?」と訊くと、「『コンニチワ』、『アリガト』、『コンバンワ』...3つだけだ」と、笑いながら答えたマーク(苦笑)。ここで場内に、アルバムどおり「even
a stopped clock」のS.E.が流れる。“Cool Your
Boots”だ。曲が終わると、「2階のヤツらも盛り上がってるか!?」ってな感じでアンディがM.C.し、“Time
Of Her
Time”...と、2ndの『ゴーイング・ブランク・アゲイン』からの曲が続く。曲が終わると、「もう1曲『ゴーイング〜』から」と紹介があり、さらに“Mouse
Trap”を披露。一時の『ノーホエア』再現ライヴ・テイストから『ゴーイング〜』再現ライヴ・テイストに(苦笑)。
曲が終わると、「『フジ・ロック』にも来たヤツ」、「ライドのライヴに初めて来たヤツ」と挙手させたアンディ、ファン層のチェックをしてから名曲“Vapour
Trail”のイントロを弾き始める。ファンが歓声を上げ、合唱する者も出たこの曲が終わると、招致元のSMASHへ御礼を言ってから“Taste”を披露。この曲が終わると、マークが人差し指立てて「あと1曲」と宣言。観客は当然、「エ"エ"ッ〜!」と悲鳴(苦笑)。ここで披露されたデビューE.P.からの“Drive
Blind”ではお約束のノイズ・タイムがあったけど、『フジ・ロック』の時ほど長く感じなかった(苦笑)。場内に轟音ギターが響き渡った“Drive
Blind”が終わると、マークは「アリガト、トーキョー!」と日本語で観客に御礼を言い、4人はステージを去った。
ファンは当然アンコール要求の手拍子を始める。やがてステージに戻って来た4人がまず演奏し始めた曲は、“Nowhere”。暗めの照明に、波のS.E.で独特の雰囲気のなか演奏を終えると、マークが「最後の曲」と宣言し、“Chelsea
Girl”を演奏。場内に歓声が渦巻くなか、彼らのデビューE.P.1曲目収録の衝撃のデビュー曲を、最後に披露してった。
照明でいろんな図形の影や色彩を用い、楽曲に合わせた視覚効果も印象的だったライヴ。聴きたかった曲も聴けて満足度も高かった。ステージ去り際に「また会おう!」的なセリフもあったけど、私もそれを期待してします!
【SET LIST】...'15.11.25 ZEPP Diver
City
1. Leave Them All Behind
2. Twisterella
3. Polar Bear
4. Seagull
5. Kaleidoscope
6. In A Different Place
7. Dreams Burn Down
8. Chrome Waves
9. Black Nite Crash
10. Cool Your Boots
11. Time Of Her Time
12. Mouse Trap
13. Vapour Trail
14. Taste
15. Drive Blind
(encore)
1. Nowhere
2. Chelsea Girl