JASRACがうるさいので、歌詞と訳詞は省略させていただきます。

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2012年12月(第147回)...KTタンストール“ウマナック・ソング”(“Uummannaq Song”)より
アルバム『タイガー・スーツ』(『Tiger Suit』)収録...2010年作
【コメント】
 スコットランドの女性シンガー/ソングライター、KTタンストールが2010年にリリースした3rdアルバム『タイガー・スーツ』のアタマに収録されてる曲。
 デビュー作『アイ・トゥ・ザ・テレスコープ』でブレイクし、グラミー賞にもノミネートされるなど一躍人気シンガーに躍り出たものの、正直なところ、私にはどこがいいのか理解出来ない状態が長らく続いてました。しかし、この3rdアルバムのアタマを飾るこの曲では♪oh〜oh〜oh〜oh〜とか♪yeah〜yeah〜yeah〜yeah〜という奇声(?)が、大好きなケイト・ブッシュの“The Hounds Of Love”を思わせるため耳から離れなくなり、病み付きになってしまいました(苦笑)。ライヴでも聴いてみたいッス。
 なお、この曲のバック・コーラスには元アッシュのシャーロット・ハザリーが参加してます。また、このアルバムに伴うツアーにもギタリストとして参加してました。KTとシャーロットは、いったいどーゆー縁で知り合ったのでしょーか?


2012年11月(第146回)...H.I.M.“アンダー・ザ・ローズ”(“Under The Rose”)より
アルバム『ダーク・ライト』(『Dark Light』)収録...2005年作
【コメント】
 フィンランドのラヴ・メタル・バンド、H.I.M.が2005年にリリースした5thアルバム『ダーク・ライト』に収録されてる曲。
 一介のローカル・バンドからスタートし、ジワリジワリと人気を高めてきてた彼ら、前作『ラヴ・メタル』では、全米リリースに漕ぎ着けるなど、その人気の爆発はすでに時間の問題になってた。このアルバム『ダーク・ライト』は世界中でヒットを記録し、全米アルバム・チャートでも18位まで上昇。フィンランド出身のバンドとしては、初めてアメリカでゴールド・ディスクを獲得。日本でも2005年の『SUMMER SONIC』で初来日公演を行うと、翌'06年初春には単独公演を行うなど人気が上昇した。
 彼らのサウンドはメタルを標榜してるけど、'70年代の日本の歌謡曲を思わせる独特の臭みがあります。特にこの曲はその匂いが顕著で、初めてこの曲を聴いた時には西城秀樹を思い出しちゃったよ(苦笑)。


2012年10月(第145回)...JJ72“オクトーバー・スイマー”(“October Swimmer”)より
アルバム『JJ72』(『JJ72』)収録...2000年作
【コメント】
 JJ72のデビュー・アルバムの1曲目を飾る曲で、シングル・カットもされ、英国ではスマッシュ・ヒットも記録。日本では来日記念盤としてリリースされた。
 JJ72はアイルランド出身の3人組で、デビュー当時のメンバーの年齢はまだ若干19?20歳だった。紅一点の女性ノつうか、若い女のコ(ヒラリー・ウッズ)がベース弾いてるってのも話題になってた。アイルランド出身の若いバンドってこともあってか、厳しい自然環境と青臭さと繊細さを感じさせるサウンド。リーダーのマーク・グリーニーの女性かと思ってしまうほどのハイ・トーン・ヴォイスもサウンドによく嵌まってました。
 彼らのデビューから12年経って、アルバム『JJ72』に入ってた曲もすっかり忘れてしまったけど(苦笑)、この曲だけは未だにアタマのなかから離れません。


2012年9月(第144回)...スザンヌ・ヴェガ“イン・リヴァプール”(“In Liverpool”)より
アルバム『微熱』(『99.9 F°』)収録...1992年作
【コメント】
 スザンヌ・ヴェガが1992年にリリースした4枚目のアルバム『微熱』に収録されてる曲。
 このアルバムのプロデューサーは、後の彼女の夫となるミッチェル・フルーム。このアルバムではデビュー当時のフォーク・シンガー然としたサウンドから大きく脱却。エレクトロニカに接近し、多くのファンのド肝を抜いた(さらに、網タイツ姿も披露し、多くの音楽ファンのド肝を抜いた...苦笑)。
 この曲は、アルバムのなかで私は一番気に入ってるんだけど、それは、あまりエレクトロニカルな感じは無く、過去3枚のアルバムで彼女が提示してきたサウンドに近いせいでしょうか?


2012年8月(第143回)...GO-GO'S“ヴァケーション”(“Vacation”)より
アルバム『ヴァケーション』(『Vacation』)収録...1982年作
【コメント】
 1981年にアルバム『ビューティ・アンド・ザ・ビート』でデビューし、いきなりギャルバン史上稀にみる大成功を収めた女のコ5人組のバンド・GO-GO'Sが、デビュー作の大ヒットの勢いをそのまんまに放った2ndアルバムのタイトル曲で、1982年の夏にヒットした。
 何度も言うようだけど、1982年は私が洋楽に目覚めた年。その年の夏に大ヒットしたこの曲は記憶のなかに深く刻まれてます。ウォータースキーやってる能天気なジャケットに合わせてか、これぞ夏のバカンスといった明るいサウンドなのに、歌詞のほうはこんな内容だということは今回このコーナーに取り上げて初めて知りました(苦笑)。
 「ギャルバンは長続きしない」とはいったい誰が言い始めたことかは知りませんが、彼女たちも例に漏れず、次のアルバム『トーク・ショウ』リリース後に一旦解散。各自のソロ活動を経てその後再結成してますが、再結成後のほうが安心して観ていられるというのはいったい何ででしょうか?(苦笑)


2012年7月(第142回)...福原美穂“HANABI SKY”より
アルバム『Music is My Life』収録...2010年作
【コメント】
 福原美穂が2010年初夏にリリースした2ndアルバム『Music is My Life』に収録されてる曲。ただし、この曲じたいはアルバムからの先行シングルとして、アルバムに先立つこと約1年前の2009年夏にリリースされてた。
 この曲は2009年7月に地元FM曲でバンバン流れてました。♪夏だ! FEEL ALRIGHT〜!〜花火色のSKY〜...というサビの部分で一気に突き抜けるところが実に爽快で、『FUJI ROCK FESTIVAL '09』から帰って来てテント干してる時にアタマのなかでぐるぐる廻ってたモンです(笑)。定評のある歌唱力を活かしてどんどんソウル/R&Bのほうに傾倒してく彼女ですが、このようなストレートな歌謡ポップ/ロック路線で行ってくれればいいのになぁ...。


2012年6月(第141回)...RUSH“キャラヴァン”(“Caravan”)より
アルバム『クロックワーク・エンジェルズ』(『Clockwork Angels』)収録...2012年作
【コメント】
 RUSHが2012年6月13日(日本で)にリリースするアルバム『クロックワーク・エンジェルズ』に収録されてる曲。
 レコーディング途中の2010年から2011年にかけ、名盤『ムービング・ピクチャーズ』の完全再現をウリにした『タイム・マシーン』ツアーを行ったため、『クロックワーク・エンジェルズ』というアルバムは完成までにとても時間がかかったアルバムになりました。その原因であるこの『タイム・マシーン』ツアー中、この曲は「新曲」としてライヴ演奏され、ライヴ・アルバム『タイム・マシーン2011:ライヴ・イン・クリーヴランド』にも収録されてることから、ぜ〜ん然新曲って気がしない(苦笑)、前作の『スネークス&アローズ』の“ファー・クライ”もそうだったけど、'78年のアルバム『神々の戦い』の頃を思い出すほど複雑な構成の曲で、間奏部など凄くカッコイイ!です。


2012年5月(第140回)...ヤー・ヤー・ヤーズ“ハニーベア”(“Honeybear”)より
アルバム『ショウ・ユア・ボーンズ』(『Show Your Bones』)収録...2006年作
【コメント】
 ザ・ストロークスやザ・ホワイト・ストライプスと同時期にシーンに登場し、'00年代のロックン・ロール・リヴァイヴァルの牽引役となったヤー・ヤー・ヤーズの2ndアルバム『ショウ・ユア・ボーンズ』に収録されてる曲。
 ヤー・ヤー・ヤーズといえば、ヴォーカルのカレン・Oを中心とした3人組。メジャー・デビュー盤の『フィーヴァー・トゥ・テル』がゲロ吐いてのたうち廻るようなカレンのヴォーカルに嫌気が差してあまり評価してなかったんだけど、この2ndではビックリするくらい楽曲が表情豊かになって、聴き易く変身してたので、ビックリ!したものでした。


2012年4月(第139回)...カヴァーデイル・ペイジ“永遠の女”(“Waiting On You”)より
アルバム『COVERDALE・PAGE』(『Coverdale ・ Page』)収録...1993年作
【コメント】
 元・ディープ・パープル〜ホワイトスネイクのヴォーカリスト、ディヴィッド・カヴァーデイルと、元・レッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジの2人が組んだ『ロック史上稀に見る巨大プロジェクト』(日本盤オビ・タタキより)カヴァーデイル・ペイジが残した唯一のアルバムに収録されてる曲。
 メンバー・チェンジを繰り返し、バンドとしての体を成さなくなったホワイトスネイクに一旦見切りをつけたデイヴィッド・カヴァーデイル、ZEP解散後に組んだバンド(ザ・ファーム)もソロ(『アウトサイダー』)も評判悪く、昔のようにギターが弾けなくなった(指が動かなくなった)ため(指が無い)『ドラえもん』呼ばわりされてたジミー・ペイジ...この2人の失地回復を狙って(?)組んだプロジェクトだけど、最初から「どうせ1枚で終わりだろ?」という冷たい見方のなか、なかなかの充実作を創ってくれたと思います。これだけのモノを創りながら、ホントに1枚で終わるとは思わなかったケド...(苦笑)。
 そんな彼らの唯一のアルバムのなかで、個人的に印象深いのがこの曲。音楽雑誌『BURRN!』の酒井 康氏がインタヴューで「コードが予想していたものと違う方向に進みますね。」と彼らに確認をしてたとおり、特異なコード進行してるので、特に印象に残っとります(苦笑)。


2012年3月(第138回)...チボ・マット“バースデイ・ケーキ”(“Birthday Cake”)より
アルバム『ビバ・ラ・ウーマン』(『Viva! La Woman』)収録...1996年作

【コメント】
 ニューヨークを拠点に活動してた日本人女性2人組、チボ・マットのデビュー盤『ビバ・ラ・ウーマン』に収録されてる彼女たちの代表曲。
 オルタナ旋風が一段落した'90年代半ばに登場した彼女たちは、ちょうど当時ブレイクしてたBECKが提示したサンプリングをばんばん取り入れたオルタナ・ポップの潮流に乗って登場。一躍、一部の好事家の人気の的となった。チボ・マットじたいはアルバム2枚を残して自然消滅したような形になったけど、日本人アーティストが海外でも高評価を受けた希有な例のひとつです。
 長らく解散状態だった彼女たち、去年の東日本大震災へのチャリティーが契機となって、再結成。13年振りのニュー・アルバムもリリースするそうです。楽しみ!


2012年2月(第137回)...ザ・ポウジーズ“ドリーム・オール・デイ”(“Dream All Day”)より
アルバム『フロスティング・オン・ザ・ビーター』(『Frosting On The Beater』)収録...1993年作
【コメント】
 1991年末のニルヴァーナの『ネヴァーマインド』のブレイクに端を発したオルタナ・エクスプロージョンにより、多くのオルタナティヴ・バンドがアンダーグラウンドからシーンの表舞台に浮上してったけど、ニルヴァーナと同じくアメリカのワシントン州を拠点としたギター・ポップ・バンド、ザ・ポウジーズもそのひとつといえる(メジャー・デビューこそニルヴァーナより先だけど)。
 メジャー・デビュー盤『ディア23』(1990年)ではまだシンプルでフォーキーな音造りだったのが、オルタナ後の1993年の『フロスティング・オン・ザ・ビーター』では(プロデューサーのドン・フレミングの影響か)グランジ以降が明確に反映されたサウンドとなった。ジョン・オウアーとケン・ストリングフェロウの2人のソングライターとフロントマンを擁し、この2人によるヴォーカル・ハーモニーの妙でも話題となった彼らの代表曲がコレ。この時代を知るギター・ポップ・ファンの多くが、この時代を代表する曲としてこの曲か、“Solar Sister”を挙げることでしょう。
 長い活動停止を挟んで現在もジョンとケンの核の2人は健在で、たまに来日公演も行ってます。


2012年1月(第136回)...オール・アバウト・イヴ“ストレンジ・ウェイ”(“Strange Way”)より
アルバム『タッチ・バイ・ジーザス』(『Touched By Jesus』)収録...1991年作
【コメント】
 歌姫・ジュリアンヌ・リーガン率いるオール・アバウト・イヴの3rdアルバム『タッチ・バイ・ジーザス』のアタマに収録されてる曲。
 1st〜2ndに参加してたギタリスト(兼ジュリアンヌの元カレ...苦笑)のティム・ブリッチノが脱退し、オーストラリアのバンド、ザ・チャーチのマーティ・ウィルソン・パイパーのヘルプを借り、新基軸を打ち出したとされるこの3rdアルバムだけど、実は、私が彼女たちの音楽を聴いたのはこのアルバムが最初。彼女たちについて何も予備知識の無い状態でこの曲を初めて聴いた時、あまりに歌のヘタさにビックリ!しました(苦笑)。ただ、ジュリアンヌの歌は他の技巧派シンガーほど上手くはありませんが、彼女ならではの味がある。今もそれが熱狂的な支持を集めてる所以でしょう。このアルバムで彼女たちの音楽にハマり、名盤とされる1stと2ndを遡って聴いて、ますます彼女たちの音楽に夢中になった。今でも彼女たちの音楽に初めて触れるひとにふさわしい曲のうちの1つだと思ってます。

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