2020年12月(第243回)...クラムボン“恋わずらい”
アルバム『ドラマチック』収録...2001年作
【コメント】
男女混成のシティ・ポップ・トリオ、クラムボンが2001年にリリースした3rd『ドラマチック』に収録されてる曲。
本人たちはどう思ったか分からないけど、彼女たちがデビューした時、女性ヴォーカルの横を男性陣が固める編成からDREAMS
COMES
TRUEの二匹目のドジョウを狙ったグループかと私は感じました。しかし、そんな思惑とはまったく逆に、好事家ウケのオルタナティヴ・ポップスのほうに進化していった(笑)。大衆路線からオルタナポップの移行期の重要なアルバムの代表曲がコレだと思ってます。イントロがフー・ファイターズの“Everlong”っぽいのも御愛嬌(苦笑)。このアルバムの時に初めて彼女たちのライヴを観たので、想い入れも深いッス。
2020年11月(第242回)...ジュエル“スタンディング・スティル”(“Standing
Still”)
アルバム『ディス・ウェイ』(『This
Way』)収録...2001年作
【コメント】
'90年代に人気を博した女性シンガー/ソングライター、ジュエルが2001年にリリースし3rdアルバム『ディス・ウェイ』のアタマを飾る曲。
アラスカ出身で、そのイメージどおり済んだ歌声とナチュラルな雰囲気がウケ、デビュー・アルバムの『心のかけら』から大ヒットを記録。2nd『スピリット』も3rdアルバムもデビュー盤のイメージを踏襲し、人気を維持してました。しかし、次のアルバム『0304』でそれまで築いてきてたイメージを払拭するような大胆なエレ・ポップに挑戦し、一気に失速したのでした。ああ...。
このアルバムでのジャパン・ツアーでライヴ観たのが、今のところ最初で最後なので、思い入れのある曲になってます(苦笑)。
2020年10月(第241回)...ウィーザー“ピンク・トライアングル”(“Pink
Triangle”)
アルバム『ピンカートン』(『Pinkerton』)収録...1996年作
【コメント】
ウィーザーが1996年にリリースした2ndアルバム『ピンカートン』に収録されてる曲。
デビュー・アルバム『ウィーザー』(ブルー・アルバム)でギター・ポップ/パワー・ポップ・ファンを虜にしたウィーザーだけど、このアルバム・リリースに伴う来日公演は実現しなかった。ファンの飢餓感がマックスに達した時期に、しかも新作を提げて1996年秋に初来日ということになり、ファンは多いに盛り上がった。富山の田舎に居ると彼らの人気の盛り上がりの把握が出来ず、初来日公演のチケット確保に苦戦した想い出がある(苦笑)。結局、予定してた大阪公演のチケットは取れず、今はない新宿リキッドルームでの東京公演初日のチケットを確保し、無事、ライヴを体験することが出来た。ウィーザー初来日にファンは大いに盛り上がってたけど、この曲で多くのファンが♪lesbian〜!...と合唱するのを不思議な感じで聴いてた記憶があります(苦笑)。
2020年9月(第240回)...マニック・ストリート・プリーチャーズ“ユウ・ストール・ザ・サン・フロム・マイ・ハート”(“You
Stole The Sun From My Heart”)
アルバム『ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ』(『This Is
My Truth Tell Me Yours』)収録...1998年作
【コメント】
リッチー失踪後3人編成で活動を再開した「3人マニックス」が1998年にリリースした5thアルバム『ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ』に収録されてる曲で、英国ではシングル・カットされ、ヒットを記録。
マニックスについては1992年のメジャー・デビュー時から聴いてますが、解散宣言、4REAL事件、解散撤回、そしてリッチー失踪...とアルバムを出すたびにボロボロになってく彼らがあまりにも痛々しく、もう見ていられなくなった私は、4thアルバム『エヴリシング・マスト・ゴー』はリアルタイムでは聴けなかった。これ以上彼らに付き合うと、自分までボロボロになりそうで正直怖かった(苦笑)。予想に反し、『エヴリシング・マスト・ゴー』は商業的には大成功で、彼らにも少しは平穏が訪れたようだったので、5thの『ディス・イズ・マイ・トゥルース〜』はリアルタイムで聴いてみた。そして、翌年の来日公演も観に行った。さらには、去年の20thアニヴァーサリー・ツアーも観に行った(笑)。ということで、このアルバムは私がマニックス・ファンに戻るキッカケとなった重要なアルバムです(苦笑)。
リッチーが消えてからしばらくの彼らの作品には内省的な曲が多いですが、この曲が明るい曲調で、アルバムのなかでも特異な輝きを放ってます。このアルバムから1曲だけ選ぶとしたら、やっぱ、この曲ですね。
2020年8月(第239回)...コリー・ハート“サングラス・アット・ナイト”(“Sunglasses
At Night”)
アルバム『ファースト・オフェンス』(『First
Offence』)収録...1984年作
【コメント】
カナダのシンガー/ソングライター、コリー・ハートがブレイクするキッカケになった1984年のヒット曲。
当時私はラジオ日本で放送されてた音楽番組『全米TOP10』(D.J.:湯川れい子、坂井隆夫、今泉恵子)を毎週聴いていて、この曲がぐんぐんチャートを駆け登ってくのをリアルタイムで知ってます。ランクインして来た頃はまだヴィジュアルも不明なシンガーで、D.J.のみなさんも彼の顔を知らなかったところに、今泉女史がプロモヴィデオを観た感想を語ってたのを今でもよく憶えてます。曰く、「サングラス取るまではイイ感じだったのに、とったらフツウだった」(苦笑)。
無機質かつ無気味なシンセのリフが、曲の歌詞世界とミョーにマッチしてると思うんだけど、いかが?
2020年7月(第238回)...集団行動“土星の環”
アルバム『集団行動』収録...2017年作
【コメント】
相対性理論の中心メンバーとしてバンドを大きな成功に導いた真部脩一が、相対性理論を脱退して数々のプロジェクトに参加した後、盟友・西浦謙助と結成したバンド、集団行動のデビュー・アルバムに収録されてる曲。
全く音楽活動の経験がなかったという『ミスiD』ファイナリストの齋藤里菜をヴォーカルに抜擢し、相対性理論時代と変わらぬユーモアあふれる楽曲を繰り出す彼らに、好事家たち(私も含む...苦笑)は大きな歓迎をもって迎え入れたのでした。私は特にこの曲が気に入ってます!
2020年6月(第237回)...RUSH“バスティーユ・デイ”(“Bastille
Day”)
アルバム『鋼の抱擁』(『Caress Of Steel』)収録...1975年作
【コメント】
RUSHが1975年にリリースした3rdアルバム『鋼の抱擁』のアタマを飾り、'70年代後半の彼らのライヴの1曲目の定番だった曲。
私がこの曲を聴いたのは当然後追いで、大学生になって自由にCDが買えるようになってから。通信販売で輸入盤CDを買うということを覚えて、最初に注文したCDのなかの1枚が、彼らの初のライヴアルバム『世界を翔るけるロック』でした。「ライヴの1曲目の定番」だから、当然このライヴアルバムの1曲目もこの曲です。当時、日本盤が出ているRUSHのアルバムは全部聴いてたけど、RUSHの最初の3枚の日本盤は「未発売」扱い(苦笑)になっておりこの曲を聴いたことは無かったため、凄くインパクト受けました。特に、歌メロよりも中盤のアレックスのギターのフレーズが気に入り、当時よく口ずさんでたものです。
2020年5月(第236回)...パラモア“プルーフ”(“Proof”)より
アルバム『パラモア』(『Paramore』)収録...2013年作
【コメント】
ヘイリー・ウィリアムズを看板ヴォーカルに据えたポップ・パンク・バンド、パラモアが2013年にリリ−スしたセルフタイトルのアルバム『パラモア』に収録されてる曲。
バンドの分解の危機を乗り越えて制作した前作『ブラン・ニュー・アイズ』のリリース後、やっぱり脱退者を出して3人組になった彼女たち。セルフタイトルからは、出直しの意気込みをひしひしと感じたものです。黄金期のブロンディを思わせる充実したこのアルバムで、彼女は初の全米ナンバーワンを獲得します。このアルバムには好きな曲がたくさんあるけど、中盤に収録されてるこの曲が、特に気に入ってます。2018年に観たライヴでは演奏してくれなかったケド...(苦笑)。
2020年4月(第235回)...クリーン・エクスガール・ワンダー“ランニング・フロム・ザ・ウィンド”(“Running
From The Wind”)
アルバム『ポニーオーク』(『Ponyoak』)収録...1999年作
【コメント】
リリ−ス当時まだ19歳の大学2年生だった宅録ボーイ、グラハム・スミス君によるユニット、クリネックス・ガール・ワンダー改めクリーン・エクスガール・ワンダーの初のフルアルバム『ポニーオーク』のラストに収められてる曲。
'90年代にはローファイが流行ったけど、'90年代も終わりになって現れた究極の宅録ボーイといえる存在だった彼のサウンド、あまりにもくだらな過ぎて大いにハマった(苦笑)。この“Running
From The
Wind”は青臭くて歌もヘタクソだけど、かえってそれが現役大学生のリアリティーをよく表していました(苦笑)。
2020年3月(第234回)...ザ・ホワイト・ストライプス“セヴン・ネイション・アーミー”(“Seven
Nation Army”)
アルバム『エレファント』(『Elephant』)収録...2003年作
【コメント】
'00年代を代表するロック・アーティストのザ・ホワイト・ストライプスが2003年にリリースした4th『エレファント』のアタマを飾る1曲で、'00年代を代表する1曲。
ジャック・ホワイトとメグ・ホワイトの姉妹によるベースレスの2ピース・ガレージ・バンドとして大きく世界の注目を集めた3rd『ホワイト・ブラッド・セルズ』に続く作品についてはもの凄いプレッシャーがかかったと思うけど、ギターに特殊なエフェクターかけてベースの音に聴こえるイントロのリフを持つこの曲をトップに持って来たり、アルバムタイトルを『エレファント』にしたり、遊び心満載なこの作品の大成功で世間の彼らに向けた疑念を追い払いました。特にこの曲はサッカーの応援ソングや、フィギュア・スケートの楽曲に使われるなど、世間に広く浸透した1曲になりました。この曲が出てからもう20年近く経ちますが、未だにこの曲のリフがよく口をついてきます(苦笑)。
2020年2月(第233回)...ソニック・ユース“ビコーズ”(“Becuz”)
アルバム『ウォッシング・マシーン』(『Washing
Machine』)収録...1995年作
【コメント】
ソニック・ユースの9枚目のアルバムとなる1995年リリースの『ウォッシング・マシーン』のアタマを飾る1曲。
1995年といえば私が社会人になった年で、自由になるお金が増えたためかCD以外にも音楽関係のモノに手を出し始めるようになりました。年が変わって1996年の初頭にはアーティスト・グッズのTシャツを買うようになり始めたけど、その1号がソニック・ユースの『ウォッシング・マシーン』のTシャツ。それまでラジオ番組のプレゼントで当てた/もらったTシャツしか持ってなかったのに、『rockin'
on』に広告載せてた高円寺のロックTシャツ専門店に行って買った記憶がある(苦笑)。この年の春からはライヴに行くことに目覚め始め、どんどんアーティスト・グッズのTシャツが増えてくことになります(苦笑)。『ウォッシング・マシーン』のアルバムじたいは1995年の秋リリースですが、Tシャツ買った印象が強くて、私のなかではこの曲は『2月頃の曲』になってます(苦笑)。
今でも『ウォッシング・マシーン』のTシャツ、大事に持ってます(笑)。
2020年1月(第232回)...スクリッティ・ポリティ“パーフェクト・ウェイ”(“Perfect
Way”)より
アルバム『キューピッド&サイケ85』収録(『Cupid & Psyche
85』)...1985年作
【コメント】
グリーン・ガートサイドを中心とした英国のニューウェイヴ・ユニット、スクリッティ・ポリティの代表作といえるアルバム『キューピッド&サイケ85』からの大ヒット・シングル。当時、ラジオ日本の『全米TOP40』聴いて毎週シングル・チャートを記録してた私にとって、この曲が『Billboard
HOT100』の最高位が11位で、TOP10入りを逃したのは凄く残念に思えたものでした(苦笑)。
モデルなみのルックスを誇ったグリーンのヴィジュアルもあって'85~'86年に人気を誇った彼らだけど、寡作なのが祟ってシーンから忘れられた存在に...。しばらく見ないうちに、美青年だったグリーンも髭モジャのアヤしい風貌になり、忘れた頃に新作をポツリと出してます(苦笑)。