ヒロくんのLIVE REPORT '00 PART 16 SUMMER SONIC 2000

 11:15からのタヒチ80の出番に間に合えばいいや...とカルく考えていた私が、コスモスクエア駅に着いたのは10:40頃だっただろうか、駅前から『SUMMMER SONIC 2000』の会場であるWTCオープンエアスタジアムまで異様なほど長い列が出来ている...。会場への入場待ちの列だが、これを見て「失敗した!」と思った私。1回目の『フジロック』の時は駅前からバス待ちの列が、2回目の『フジロック』の時は会場前から入場待ちの列が出来てたじゃないか!!!って...。ここ数年の苗場での順番待ちとは無縁の平和な『フジロック』に慣れ、あの時の混乱をすっかり忘れてしまってた...。

【TAHITI 80】
 入場待ちの列は遅々として進まず、やがて11:15を廻り、会場のほうから音が漏れ聞こえてくる。タヒチ80の演奏が始まったのだ...ああ...。最初は音が割れて響いてきたから、何の曲が演奏されているのか判別不能だったが、列が進み会場が近付くにつれ、なんの曲が演奏されてるのかが解るようになってきた。“Hey Joe”からはハッキリとそれと判った。“Easy Way Out”の後、キーボードとドラムの激しいバトルのインプロ?が繰り広げられてたのが聴こえてきたが、こういうのこそ視覚が伴わないとツラいものがある。この頃から心なしか、列の進みが早くなった気がした。この後、“Things Are Made To Last Forever”が演奏されると、「次の曲は“Heartbeat”だよ!」ってな感じのMCが響いてきた。“Heartbeat”も会場外で聴くハメに...。“Revolution 80”の演奏中、ようやく会場前の信号のある横断歩道のところまで来た。もう少しで会場だ!と思ってたら、“Revolution 80”の後はいかなる音も響いては来なかった。タヒチ80の演奏が終わったのだ...ああ...。コスモスクエア駅から70分でようやく会場に着いた。入口ではチケットと引き換えにリストバンドが手渡されていた。「御自身でリストバンドを装着してください」ということのようだ。多分、最初は係員がリストバンド着けてたんだけど、あまりにも入場待ちの列が長くなり収拾がつかなくなってきたので、リストバンドを配布することに変えたんだと思う。炎天下のなか、入場待ちの列についているだけで随分と疲れた。さっそく会場でペプシの500 ml ペット買って水分補給。あと、ビールとかも飲んで時間をツブしてるとやがて13:15になり、ステージにリヴィング・エンドの3人が登場〜!

【THE LIVING END】
 『オーストラリアのグリーン・デイ』との異名をとる3人組・リヴィング・エンド。元々ロカビリーのカヴァー・バンドからスタートしたということもあって、ウッドベースを使ってる。オープニング曲はワールドワイドなデビュー盤からの“West End Riot”。曲が終わると黒い半袖シャツ姿のヴォーカル兼ギターのクリスが「アリガト!」と日本語で観客にお礼を言う。次に“Monday”が終わると、クリスの「very old song!」との紹介でオーストラリアのローカル・バンドだった頃の曲“From Here On In”をプレイ。「10月に出るアルバムからの曲」とのMC入れて、新曲“Pictures In The Mirror”を逸早く御披露目し、これに観客が沸くと、多分ドラムのトレイヴからだろう、「ア〜リ〜ガ〜ト〜」と随分間延びしたお礼が返ってきた(笑)。“Save The Day”の後、新曲の“Roll On”と、さらにもう1曲新曲をプレイ。“Bloody Mary”を演るとクリス、「extremely hot ななか、どうもありがとう!」てな感じのMC入れたが、ホントに冗談抜きで extremely hot だったワ...。容赦無く陽射しはバンバン照りつけるし...。この後、アルバム『リヴィング・エンド』のアタマを飾る“Prisoner Of Society”を演ると、もいちど「thank you~!」と観客にクリスがお礼を言ったところで最後の曲“Second Solution。私の居たBブロックLEFTの客がこの曲で突然モッシュし出し、下が砂利なものだから砂ぼこりが舞い上がった。ゲホッ!ゴホッ! 『本家』よりも『らしい』演奏を聴かせてくれた3人はここでステージを去った。『extremely hot』なためヘロヘロになった私、1本が\300もするペットなど買っていられないから、会場の隣のWTCビルにあるローソンへ向かう。そしてそのまま冷房の効いたWTCビル内で、マンサンの出番までの時間をツブしてた。

【MANSUN】
 マンサンの出番は、陽が傾き幾分凌ぎ易くなった16:15。予定どおりにスケジュールが動いてる。マンサンというと『伊達男集団』というイメージがあるから、暑くてもスーツ姿でバッチリ!ってな様を期待してたんだけど、やっぱTシャツ姿で登場(笑)。オープニング曲は“Take It Easy, Chicken”。ヴォーカルのポール・ドレイパーは白いTシャツ姿でサングレス掛けてて、曲の演奏途中に日本語で「モットモット騒ゲェ〜!!!」と観客を煽ってた(笑)。次の曲は新作『リトル・キックス』から“I Can Only Dissapoint U”。ステージにはマンサンの4人のメンバーの他に、サポートのキーボードが居て、総勢5名での演奏のようだ。続くは前作『SIX』から“Being A Girl”。マンサンのライヴを観るのはこれが初めてだが、ポールのヴォーカルがCDで聴くほど『気持ち悪く』ない(笑)。スウェードのブレット・アンダーソンと同じく、時折ひっくり返る爬虫類ヴォーカルなハズなんだけど、ナマで聴くと意外なほどマトモ(笑)。ポールがセミアコのギター(多分)を弾いて始まった、新作からの“Come As No Surprise”もウラ声使用の曲だけど、違和感ナシ。まだリリースされたばかりだからか、新作からの曲での観客の反応はあまり芳しくなく、ポールの「次のシングル曲だ」とのMCで始まった“Electric Man”で、サビの部分の♪electric man~のところの歌詞をポールがしっかり歌わなかったのは観客からのリアクションを期待してたんだと思うけど、観客だれも歌ってあげないんだもんなァ〜...。屈辱の?“Electric Man”の後は、“Wide Open Space”、“She Makes My Nose Bleed”、そして“Taxloss”...と、デビュー作からファンの馴染みの曲を3連発!!! “Taxloss”では演奏中に、ペットボトルを数本持ち出したポール、観客に向けて散水してあげていた。

【WEEZER】
 
第1回目の『フジロック』に出演のため来日してから3年もの間、シーンから潜伏していたウィーザーが長き眠りから目覚め、この『SUMMER SONIC 2000』に登場するというハナシはファンの間ではビッグ・ニュースとして受け止められていて、そのせいだろうか、ウィーザーの出番が近付くと観客の数が目立って増えた。そして、17:30、その時はやってきた...。メガネを掛け、すっかり初来日時の冴えないルックスに戻った(苦笑)リヴァース・クオモをはじめとするウィーザーの4人がステージに登場。勿論、レンタルズに専念するためバンドを脱退したマット・シャープの姿は無く、新たに加入したマイキー・ウェルシュがベース・ギターを構えてる。ステージ中央のマイクスタンドのところにツカツカ歩み寄ったリヴァース、大歓声を送るファンに対して開口一番「コンニチワ、オオサカ! オオキニ!」と関西弁を混じえて挨拶。オープニング曲は“My Name Is Jonas”。前夜の大阪単独公演を観たファンはともかくとして、3年ぶりの生ウィーザーに観客は大いに沸く。曲のアウトロのギターを、トチったのかブライアン・ベルが短かめに切り上げてしまったので、幾分困惑気味に♪my name is Jonas~と歌って締めたリヴァース、気を取り直して「イチ、ニ、サン、シ!」と日本語でカウントしたところに、マイキーが「el scorcho〜!」と奇声を上げる。“El Scorcho”だ。マイキーのキャラクターがイマイチまだよく解らないけど、マット・シャープのキャラクターを無理矢理演じてるようなツラさを感じてしまい(笑)、彼のことが気の毒に思えた。これが彼の地のキャラなら別にイイんだけどさ。ウィーザーのライヴというと『観客合唱率』が高い印象があるけど、“My Name Is Jonas”ではあまりみんな歌って無い感じで、「そうだよな、あれから3年も経ってるんだから...」としんみりしてたら、“El Scorcho”からは合唱率が高くなり、ウィーザーのライヴらしくなってきた。“El Scorcho”が終わるとリヴァース、「ゲンキデスカァ〜?」とまた日本語喋ってた(笑)。ここで“No One Else”と“You Gave Your Love To Me Softly”を演奏すると、リヴァースが次の曲を紹介した。「“Too Late To Try”〜!」 いやぁ、実に意味深なタイトルの新曲じゃあないか!(笑)。次の曲についても「“Superstar”〜!」と曲紹介したリヴァース。“Superstar”というとカーペンターズから少年ナイフまで、同名曲があふれてるが、純然たる新曲だ。新曲の感想は「みんな盛り上がってるフェスで1回聴いただけじゃあ何とも言えません(笑)」 新曲2連発の後「オオキニ」とまた関西弁で挨拶したリヴァース、続いては“In The Garage”や“Why Bother?”、“Say It Ain't So”や“Tired Of Sex”...といった馴染みの曲がプレイされ、観客は大いに盛り上がる。盛り上がるのはいいけど、下が砂利敷きなので砂ボコリが舞い上がるのだけはカンベンしたかった...(笑)。“Tired Of Sex”の後、リヴァースが「ゴメン!」とポツリと言ったのが、とっても印象に残ってる(笑)。いったい誰に対して、何のために謝ってんの?(笑) この後、“Undone-The Sweater Song”を演ると、リヴァース、また日本語で「イイ子ハ、ドコデスカ???」とかなんか会場のみんなに訊く。ちょっと発音に難アリだったせいか、このリヴァースの問いかけに対する会場の反応は鈍かったけど、それでもリアクション返した観客が数名居て、そのコたちに「何デ?」ってリヴァースが言ってたのが笑えた。今回のライヴ、1stからの曲が多い印象。2ndの『ピンカートン』がリヴァース色が強すぎて、バンドの人間関係に陰を落としたことを考えると2ndからの曲が少なくて当然なのかもしれないが。この後、“Holiday”、“Buddy Holly”、そして“Surf Wax America”...と1stの曲を連射すると、リヴァースは「デハ、マタ、ノチホド」と日本語喋ってステージを後にした。『のちほど』ってまた3年後のことじゃあないだろうね、リヴァース君?

【BEN FOLDS FIVE】
 今回の『SUMMER SONIC 2000』、もっとも心配されたのがこんなに出演バンドが多くてタイムテーブルどおりにセット・チャンジがうまくいくのか?ってこと。ところが意外過ぎるほどセット・チャンジがスムーズにいってるんだよなぁ。というか、出演順の2つくらい前のバンドが演奏してる頃から少しずつ準備してたようで、ベン・フォールズ・ファイヴ(以下、BF5)のダレン・ジェシー御愛用のドラが、マンサン演奏中からステージ脇に置いてあったのを私は見たゾ!(笑)。とまあ、予定の18:40からは10分押しくらいでBF5の3人がステージに登場した。ダレン・ジェシーとロバート・スレッジはすぐに分かったけど、ベン・フォールズは長髪になっていて、黄色いレンズの色メガネを掛けてて、最初見た時「誰だコイツ?」と思った(苦笑)。このベン・フォールズの姿を見て私が思い出したのは、往年のフィンガー5のメンバー(笑)。ベン・フォールズ・ファイヴがフィンガー5になってる...なんて話がチト出来過ぎ???(笑)。で、このベン・フォールズの長髪、「当然ヅラだろう?」とツッコミたくなるアヤシいモノ(笑)。
先の『フジロック』のア・パーフェクト・サークルのメイナード・ジェイムズ・キーナンが見事にヅラだったものだから、「またヅラだ!(笑)」と喜んだ私、ベンちゃんがどんなタイミングでヅラを取るのか楽しみにしていた(笑)。ライヴのほうは“Army”からスタート。最新作の『ラインホルト・メスナーの肖像』からの曲よりも、1stと2ndからの馴染み深い曲が多く披露された。これは「1stと2ndが売れて、3rdは人気が無かった」っていう理由よりも、3rdからの曲を演る時、かなりロバートがベースを手放してキーボード類を操ることになるので野外でのライヴゆえの『見栄え』を考慮した結果だろう。“Steven's Last Night In Town”では鍵盤ハーモニカを吹くベンちゃん、ピアノのうえによじ登って観客を煽る。この時点でもまだ、ヅラは取らない(笑)。“Julianne”といった馴染み深い曲に“Theme From‘Dr. Pyser’”みたいなマニアックな曲を織り混ぜながらライヴは進んでいき、“One Angry Dwarf And 200 Solemn Faces”と“Underground”が披露されると、「song of broken heart」といったMC入れたベンちゃん、演奏し始めたのは“金返せ”。ここ日本でのBF5のライヴのエンディングの『お約束』になってるこの曲で、場内♪金を返せ! 金を返せ! you bitch〜! と合唱になったところで、ベンちゃん、ピアノのなかを開いてピアノ線にマイク叩きつけるわ、ダレンはお約束の『ドラ鳴らし』するわステージ上は混乱状態。最後にベンちゃん、「オオサカ、サイコウ〜!」と、観客をアジるだけアジってステージを後にした。で、問題のヅラなんだけど、それが、最後まで取らなかったんだよ!!! ヅラと見たのは間違いで、自毛だったのかなァ?(笑) それとも、ベンちゃん、植毛したのかなァ?(笑)。ま、ピアニストの植毛はエルトン・ジョン以来の伝統ですから...(笑)。

【GREEN DAY】
 で、この日のトリのグリーン・デイが登場したのは20:20頃か? ビリー・ジョーは赤シャツにネクタイしてて、もう一種のトレードマーク??? オープニング曲は“Welcome To Paradise”で、続くは“Hitchin' A Ride”。代表曲のオン・パレード。「“Geek Stink Breath”〜!」とのビリーのMCで始まった“ギークはパンクロッカー”に続く“Longview”では演奏中、観客のなかに飛び込んだビリー・ジョー、観客から帽子やらタオルやらもらって、それを身につけておどけてみせていた。“Knowledge”では、いつものとおり観客をひとりステージに上げて、ギターを弾かせていた。今回選ばれたのはマサヒト君(笑)で、演奏が終わるとビリー・ジョー直々の指令により、ステージ・ダイヴで客席へと『帰還』(笑)。ここで披露されたのは超人気曲の“Basket Case”と“She”。続く“Scattered”では演奏中にウンザリするほど、観客に煽りを入れたビリー・ジョー。観客煽って演る側と観る側双方に一体感持たせるのも大事だろうけど、もっと曲演らんかい! 9月に日本先行で出す新作からの曲演らんかい!...と、正直なところ怒りモードに突入した私。“Scattered”で演奏切り上げてステージ去った時はアキレたもんなぁ、「ウィーザーより時間もらっていながら、11曲しか演ってない」って(笑)。トリのみ許されたアンコールでステージに戻って来た3人、“Platypus (I Hate You)”、“King For A Day”ときて、“When I Come Around”。「この曲が終わったらドラムセット破壊して“Time Of Your Life”だな。やることがミエミエなんだよ。これだったらティーンエイジ・ファンクラブ観てりゃあよかったな」と思ってると、曲が終わり、案の定、トレ・クールがドラムセットを破壊し始める。が、いつもと違ったのはドラムセットに火を放ったこと!!! ドラムセットが炎に包まれ、メラメラと燃えている...。「うわぁ〜、スンゲェ〜!!!」と周りの客たちも騒ぎ出す。やがてこの『火事』は消化器によって消し止められたものの、白い煙が立ち上ってるので、それを避けるように、ステージ右端でギターを構えたビリー・ジョーが演奏し出した曲は“Good Riddance (Time Of Your Life)”。こうしてビリー・ジョーの独演で『SUMMER SONIC 2000』の第1日目は終わったけど、あの『ドラムセット炎上』はもの凄くインパクトありました...(唖然...口あんぐり...)。

【SET LIST】...'00.8.5 大阪・WTCオープンエアスタジアム
《TAHITI 80》
. ? (聴き取り不能)
. ? (聴き取り不能)
. ? (聴き取り不能)
. Hey Joe
. Easy Way Out
. Things Are Made To Last Forever
. Heartbeat
. ? (私の知らない曲)
. Revolution 80

《THE LIVING END》
1. West End Riot
2. Monday
3. From Here On In
4. Pictures In The Mirror (新曲)
5. Save The Day
6. Roll On (新曲)
7. ? (たぶん新曲)
8. Bloody Mary
9. Prisoner Of Society
10. Second Solution

《MANSUN》
1. Take It Easy, Chicken
2. I Can Only Dissapoint U
3. Being A Girl
4. Come As No Surprise
5. ?
6. Special/Blown It (Delete As Appropriate)
7. Electric Man
8. Wide Open Space
9. She Makes My Nose Bleed
10. Taxloss

《WEEZER》
1. My Name Is Jonas
2. El Scorcho
3. No One Else
4. You Gave Your Love To Me Softly
5. Too Late To Try (新曲)
6. Superstar (新曲)
7. In The Garage
8. Why Bother?
9. Say It Ain't So
10. Tired Of Sex
11. Undone-The Sweater Song
12. Holiday
13. Buddy Holly
14. Surf Wax America

《BEN FOLDS FIVE》
1. Army
2. Battle Of Who Could Care Less
3. Kate
4. Where's Summer B?
5. Magic
6. Steven's Last Night In Town
7. Julianne
8. Best Imitation Of Myself
9. Theme From‘Dr. Pyser’
10. One Angry Dwarf And 200 Solemn Faces
11. Underground
12. 金返せ

《GREEN DAY》
1. Welcome To Paradise
2. Hitchin' A Ride
3. Geek Stink Breath
4. Longview
5. Nice Guys Finish Last
6. Brain Stew
7. Jaded
8. Knowledge
9. Basket Case
10. She
11. Scattered

(encore)
1. Platypus (I Hate You)
2. King For A Day
3. When I Come Around
4. Good Riddance (Time Of Your Life)

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