5年振りの新作の近日中のリリースが決まってるウィーザーのライヴを、4月21日、ZEPP
OSAKA
で観て来た。結論から言うと、「4月18日発売予定」とされていた新作(現在では「5月25日発売予定」にまで延期)が予定どおりリリースされてさえいれば...。
この5年の間にジワリジワリとファン層を広げたウィーザーの待望のライヴということでチケットの競争率は高く、お蔭で私は2階指定席のチケットしか取れなかった。チケットがSOLD
OUT
だから当然、眼下の1階立見フロアにはギッシリと観客が詰まってる。
開演時間の6時を10分以上過ぎた頃、フロアの客電が落ちる。暗闇のなかステージ上に人影が移動するのを見つけて歓声を上げるファン。灯りが点くと、ステージ向かって左側の『階段』にブライアン・ベルがギターを構えて座り、右側の『階段』にマイキー・ウェルシュが楽器を構えて座っていて、そこに楽器を持たないリヴァース・クオモも居た。3人のアコースティック・セッション風の演奏で始まった曲は新曲の“I
Do”だろう。“In The
Garage”ふうのこの静かな曲の歌と演奏が終わると、ステージ上にパトリック・ウィルソンが登場しドラムに就く。リヴァースもギターを構えて、ここからはエレクトリックな演奏で新曲をプレイ。曲が終わると、「ドウモ」とか日本語で言ったリヴァースは眼鏡かけて、シャツの上にジャケット羽織った「田舎の先生ルック」。新曲2連発で客ノリがイマイチだったけど、“In
The Garage”のイントロが演奏されただけでファンは過敏に反応。次が“You
Gave Your Love To Me
Softly”だったものだから、フロアではフローティング(人上遊泳)する者が現れるほどの盛況ぶりになって、これにはリヴァースも日本語で「スゴ〜イ」。ここでプレイされた新曲は、“ウルトラQのテーマ”ふうのリフの上にリヴァースがファルセットでガービッジの“My
Lover's
Box”のイントロのキーボード・フレーズふうのメロディーを乗せるような感じで、勿論、、彼らにとって新機軸といえる曲(笑)。この次に披露された新曲は♪hip
hip〜というリフレインが印象深い曲で、“Undone-The Sweater
Song”ふうの『王道ウィーザー』タイプ。
新曲連発で観客がおとなしくなったところで“The Good
Life”登場。現金なもので途端に会場が活気づく。“The Good
Life”からはステージに2箇所設置されてたスクリーンに映像が流され始めた。そのスクリーンにリヴァースたちがサンタクロースのコスプレしてる映像が流されたから
、次の新曲はおそらく“The Christmas Song”だろう。“Why
Bother?”が披露されるとまた会場が活気づいたけど、この後リヴァースの曲紹介から始まった新曲“Simple
Pages”、そして何とバンド演奏で披露された“Butterfly”(昔はリヴァースひとりの弾き語りだったのに!)を挟み、またリヴァースの曲紹介があって始まった新作からの先行シングル予定曲“Don't
Let
Go”...ここらは私の居た2階席ではみんな露骨に席に着く(苦笑)。立見の1階フロアも活気乏しく、盛り上がってるとは言い難い状況がしばらく続いた。ステージの4人も活気に乏しく、マイキーがブライアンやパトリックのところまで移動したり動きがあったけど、前任者のマット・シャープと比べると(後釜という事情ゆえか)やっぱり行動控え目。ファンの誰もが期待してるリヴァースの日本語も「アリガト」、「ナニ?」くらいで、初来日時の「ボクハ、ノビ太デス」や'97年の「日本ノ女ガ好キ!」や、去年の『サマソニ』の「オオサカ、オオキニ!」といった笑える日本語は皆無で元気が無い。座ってた2階席の観客が立ち上がったのは“Say
It Ain't
So”が演奏されてからで、観客の合唱が起こったりしたけど、ここはもっと速い曲でガツン!といって欲しかったな。“Say
It Ain't
So”の後は、また耳に馴染みのないフレーズが演奏され出したから「新曲だな」と思ってたら、突如ステージ後方の黒幕が落ちて『W』文字の電飾が現れ、同時に“Buddy
Holly”が始まった。あんなイントロつけるとは(笑)。誰も“Buddy
Holly”が始まるとは思わなかったんじゃないの?(笑)。“Buddy
Holly”でこの日、最高潮に盛り上がると、次は“Undone-The Sweater
Song”。この曲の演奏中、ZEPPの会場内で撮ったファンの姿をスクリーンに流してたと記憶する。次の“Tired
Of
Sex”の演奏中、スクリーンには世界各地の春画が次々と映し出されてた。“Tired
Of
Sex”が終わると、マイキーは床に叩き付けるようにしてベースを降ろし、リヴァースはギターをローディーに預けると足元に置いてあった上着を拾い上げ、すごすごとステージを後にした。
ウィーザーの4人がステージを去ると、観客の間から沸き起こったアンコール要求の手拍子、そして「リヴァース・コール」。これらに応えて、マイキーひとりのみステージに戻って来てベースを構え、ファンには耳馴染みのフレーズを弾き始める。“Only
In
Dreams”だ。やがて残りのメンバーもステージに姿を現し、演奏に加わる。間延びした感じの“Only
In Dreams”が終わると、続いて“Surf Wax
America”の演奏に突入〜! 人気曲の登場にファンは沸いたけど、曲の演奏が終わると、パトリックはスネアに叩き付ける反動でドラム・スティック跳ばす芸を次々披露してるわ、マイキーはベースを放物線描くようにローディーのひとに放り投げるわ、どう見てももう『ライヴはお終いモード』。リヴァースは観客に向かって今夜の出没先を明言。またファンの女のコを喰いまくるつもりなんだろうけど(苦笑)、そのリヴァースがステージを去るとライヴは終わってしまった...。お〜い、まだ演るべき曲やってないゾォ〜!!! “My
Name Is Jonas”と“No One Else”と“El
Scorcho”...。これらの曲をアンコールで演ると思ってたのに...。
新曲が多いせいで盛り上がりに欠けたともいえる今回のライヴ、新作がリリースされてファンに浸透した3ヶ月後にやったなら観客の反応は違ったものになってたハズ。でも、新曲ばかりでも盛り上がるライヴもあるわけだから...。リヴァースが喋るべきモノを喋り(ヘンな日本語...笑)、演るべき曲をやるだけでも盛り上がったハズなんだよ。そんな簡単なこと怠ってさ...。'97年8月のライヴのリポートで私はこう書いた。「ウィーザーのライヴほど観客が一体となるライヴを他に知らない」 そんな誇りもズタズタ...。今回初めてウィーザーのライヴ観たひとには「こんなものか!」なんて間違っても思って欲しくない!
【SET LIST】...'01.4.21 ZEPP OSAKA
1. I Do (新曲)
2. Photograph (新曲)
3. In The Garage
4. You Gave Your Love To Me Softly
5. Hash Pipe (新曲)
6. Island In The Sun (新曲)
7. The Good Life
8. The Christmas Song (新曲)
9. Why Bother?
10. Simple Pages (新曲)
11. Butterfly
12. Don't Let Go (新曲)
13. Say It Ain't So
14. Buddy Holly
15. Undone-The Sweater Song
16. Tired Of Sex
(encore)
1. Only In Dreams
2. Surf Wax America
WEEZER live @ Nagoya Club Quattro '97.8.2