ヒロくんのLIVE REPORT '03 PART 4 FEEDER

 充実作『エコー・パーク』を引っ提げての'01年の『FUJI ROCK FESTIVAL』でのライヴも好評で、すべてが順風満帆にみえたフィーダーを襲った突然の悲劇...2002年1月、ドラマーのジョン・リーが自殺...。残されたグラントとタカさんは、その悲劇を振り払うかのようにジョンの死からわずか9ヶ月後に4th『コンフォート・イン・サウンド』をリリース。個人的には、あまりにも痛々し過ぎな内容なためこのアルバムを評価出来ずに居るけど、悲劇にメゲずにバンドを続けるグラントとタカさんを応援しに、私は3月21日に心斎橋クラブ・クアトロに駆けつけた。開場後、ステージ向かって右端のスピーカーの前に陣取り、開演を待つ。開演予定時間の7時には、フロアはほぼキッズで埋まってる。半分くらいは女のコ。前売りがSOLD OUTになっていなかったワリに、意外なほど盛況。この日、大阪ではストーンズのドーム公演があったけど、ファン層が異なるため影響は殆どないようだ。
 開演予定時間を20分ほど押した頃、ステージにグラントとタカさん、そしてサポートのギタリストとドラマーが登場。ステージ向かって右側からベースのタカさん、ヴォーカル/ギターのグラント・ニコラス、サポートのギタリスト君。各自スタンバったところで演奏始まったのは、新作からの先行シングル“Come Back Around”。奥にはサポート・ドラマーが居てリズムを叩き出す。この勢いよい曲に合わせて、ステージ前に陣取るファンがぴょんぴょん跳ねる。グラントは後ろ髪がちょっと伸びた印象。(不精ヒゲのせいか)グラントはいつ見ても写真でみるよりも薄汚いよーな...。グラントもタカさんもTシャツ姿だ。続く曲は、前作『エコー・パーク』からの“We Can't Rewind”。これも人気がある曲なので、ファンは盛り上がってた。ここで、グラントがMC入れる。「『エコー・パーク』アルバムからの曲、“Turn”だ」ってな感じでグラントが英語で曲紹介して演奏始まった“Turn”の次は、新作からのスロウな“Quick Fade”。私の目の前で金色のベース弾いてたタカさんの足元には、ベーシストにしては珍しいほど多くの機材が置かれてる。4弦モノのベースではフォロウ出来ない低音を補うベースペダルもあり、この“Quick Fade”で、タカさんがこのベースペダルをよく使ってたのがとても印象深い。
 どうしてもジョンの死の影が付きまとう印象のあるフィーダーだけど、この日のグラントはとっても機嫌が良くてフレンドリー。けっこうMC入れてファンに楽しそうに語りかけてくれてて、まったく「悲劇」を感じさせない。ただ、そのMCは殆どが英語で... (苦笑)。コールドプレイの名前が出たりしてたけど、私のヒアリング力では内容までは聞き取れない(苦笑)。ステージ前の柵にしがみついてた女のコたちは、グラントのお喋りに反応して笑ってたケド(苦笑)。一方、凱旋帰国ツアーになるハズのタカさんは殆ど喋らない。グラントのお喋りに反応して「フフフ」と含み笑いする程度。グラントによる曲紹介で始まった“Forget About Tomorrow”の演奏が終わると、グラントがまたも英語で曲紹介。「1stアルバムからの曲だ。“My Perfect Day”」 私の一番好きなフィーダーの曲“My Perfect Day”の登場に熱くなった私。フィーダーの演奏もここまでの繊細なモノから、荒削りなロックロックしたモノに変わったような気がする。ノイジーなギターフレーズの洪水がスピーカー真ン前に居た私の耳を容赦なく刺す(苦笑)。さらに“Godzilla”へなだれ込む。タイトルどおり、ゴジラをイメージしたヘヴィーでノイジーな曲。ファンもグラントのヴォーカルに合わせて「godzilla〜!!!」と叫んで盛り上がる。フィーダーの持つラウドな面が出た曲を連射した後、グラントがまたも英語で曲紹介。「“Child In You”」 新作からの静かな曲“Child In You”の後、さらにもう1曲静かな“Summers Gone”をプレイ。ここでグラントが弾き始めたギター・フレーズは、新作のアタマを飾る“Just The Way I'm Feeling”のイントロ! これを聴いてファンが歓声を上げる。ファンが盛り上がったこの曲が終わると、グラントが英語で曲紹介。「『エコー・パーク』アルバムから“Seven Days In The Sun”だ」 これにはファンも大喜び。さらに『エコー・パーク』から“Buck Rogers”。この曲にはファンは爆発的に盛り上がり、女のコが多めの客層ゆえそれまで盛り上がってても出そうで出なかったクラウド・サーフィンやダイヴ敢行者がいよいよ登場。「2ndアルバムからの曲だ」と、グラントによる英語の曲紹介があって始まった“Waiting For Changes”、さらに同じく2ndからの“Insomnia”...と、勢いある曲が続いたので、ファンはぴょんぴょん跳ねて盛り上がり、クラウド・サーフィン続出。ノイジーなギターも全開。ここらへんで私の耳は完全におかしくなったようで、次の曲“Moonshine”が演奏されても、私の耳にはそれと聴こえなかった(苦笑)。静かな“Moonshine”を披露し終わると、一旦グラントたちはステージを去った。
 ファンのアンコールを求める手拍子に応えてステージに戻って来たフィーダー。あれ? グラントの姿が無い...。「ちょっとトイレに行ってるみたいで...」とのタカさんから説明に、ファンから笑いが起こる。さらにタカさん、「ストーンズ行かずに観に来てくれて、ありがとね」と大阪のファンに御礼を言う。これにファンが歓声で応えたところに、トイレからグラント帰還!(笑) アンコール1曲目は、1st収録の名曲“High”。私の耳にはグラントがキィ上げて歌ってたように聴こえてたんだけど、これは私の耳がおかしくなってたせい???(苦笑)。さらに、新作のタイトル曲“Comfort In Sound”を演奏すると、グラント、ファンに♪トゥルトゥルットゥ〜トゥットゥルットゥ〜と歌わせる。人気曲の“Just A Day”のイントロだ! この曲でファンがダイヴを続々敢行するくらい大きな盛り上がりを見せたところで、この日のライヴは終了。グラントはスタンドに挿してあったピックをファンに投げ入れ、タカさんもグラントもフロアに向かって手を差し伸べて多くのファンと握手。この時にファンからプレゼントが入った袋をもらったグラント、「ホントにコレ、僕がもらっていいの?」とゼスチャーで確認してから(笑)、ステージを去っていった。
 新作『コンフォート・イン・サウンド』の暗い内容に一抹の不安があったけど、荒々しくロックな演奏でその不安を一掃してくれた。「フィーダー健在!」を確認した一夜でした。

【SET LIST】...'03.3.21 心斎橋クラブ・クアトロ
1. Come Back Around
2. We Can't Rewind
3. Turn
4. Quick Fade
5. Forget About Tomorrow
6. My Perfect Day
7. Godzilla
8. Child In You
9. Summers Gone
10. Just The Way I'm Feeling
11. Seven Days In The Sun
12. Buck Rogers
13. Waiting For Changes
14. Insomnia
15. Moonshine

(encore)
1. High
2. Comfort In Sound
3. Just A Day

FEEDER live @ Naeba Ski Resort (FUJI ROCK FES.) '01.7.27

FEEDER live @ Nagoya Club Quattro '00.1.16

FEEDER live @ Naeba Ski Resort (FUJI ROCK FES.) '99.7.31

INDEX