ヒロくんのLIVE REPORT '04 PART 5 QURULI

 くるりの2004年ライヴ・ツアー、その名も「安心しろ、秘孔ははずしてある」を5月22日に金沢・Eight Hallで観て来た。「安心しろ、秘孔ははずしてある」といえば、『北斗の拳』のケンシロウとシンの対決シーンですね(笑)。ま、そんなことはさておき...(苦笑)。
 古い映画館跡地にあるEight Hallの中は満員。異様に女のコの姿が多い。7割くらいは女性だったと思う。ライヴが始まったのは開演予定時間の6:30を10分くらい押した頃で、ステージ上にTシャツ姿の冴えない風貌の兄チャンたちが登場、それぞれの持ち場に就き、岸田はアコースティック・ギターを構える。1曲目は新作『アンテナ』からの曲を持って来るかと思いきや、前作からの“ARMY”。岸田は勿論のこと(笑)、佐藤クンも新ドラマーのクリストファーもメガネをかけてて、すっかりメガネバンドになっている(笑)。次の曲は“ばらの花”。
2年前の『うんぽこどっこいしょ』ツアーではキーボード類をステージに持ち込んでいた くるり、今回はキーボード類を持ち込んでないので(「搬入」と「搬出」がラクだよなぁ〜...笑)、“ばらの花”のイントロなどのピコピコ電子音パートは大村先輩がギターにてそれらしき音を再現。ここで岸田がギターをエレキに交換。去年の『フジ・ロック』でも演ってた“すけべな女の子”、さらに“GO BACK TO CHINA”、“トレイン・ロック・フェスティバル”...と、やはり去年の『フジ・ロック』を思い出させるような選曲が続いた。くるりの曲の中ではファストな部類の曲だからファンはピョンピョン飛び跳ねる。2年前の『うんぽこどっこいしょ』ツアーとの最大の相違点といえば、新加入のドラマー、赤いシャツ着たクリストファー。セットの数は少なく、シンバルが高い位置にセットされてて、「あんなところに届くのか?」と思ったけど、難なく余裕で届いてた(笑)。レギュラー・グリップで叩いてるし、曲ごとにシンバル(高い位置固定のものは除く)を入れ替えるし...で、自らのスタイルにコダワリを持つドラマー...と感じた。辞めた「もっくん」とどっちがイイか?...それとこれとは、話が別。
 ここで岸田がMC。「こんばんは。くるりです」などと挨拶した後、「歴史にうとい俺に、みんな、教えてくれ。(加賀百万石の)『石』ってどれくらいや?」と観客に訊く。観客の誰かが「3ガロン!」と答えると、「そうか、3ガロンか...」と納得する岸田(笑)。ここで岸田はアダプター付きのマウスハープ(ハーモニカ)を装着し、ギターを弾きながら(おそらく即興で)次のように歌った。♪加賀百万石のお偉いサンが〜野町より銀色の電車に乗りて〜鶴来へ向かう〜目指すはセイモアスキー場〜(場内爆笑〜!!!)つるつるつるつる春スキー〜受験を控えた高校生も〜覚えたばかりのボードでナンパする〜〜〜。この歌に観客がウケた後、そのままの流れで“Race”へ。新作『アンテナ』からの曲がここで初めて登場。ここからは“Hometown”、“黒い扉”...と『アンテナ』からの曲が続く。しばらくスロウな曲が続いたので、次の“Morning Paper”では久々に観客が飛び跳ねる。“花の水鉄砲”を演ったところで、岸田のMCタイム。「老若男女、お集りいただきありがとうございます」 私は「老」の部類です(苦笑)。「最近、お客さんの層が広がってるように感じるんですよ。この間もクリストファーから聞いたんやけど、母親に連れられた子供が“ワンダーフォーゲル”歌ってたそうです。そんなこともあるんやな〜」などと喋った後、岸田からメンバー紹介。「フェンダーベースの佐藤征史」と紹介された佐藤クンは、観客に物販をアピール(笑)。後に岸田が語るところによると、物販の売り上げは彼らのポケットマネーになるのではなく「ツアーの経費」に消えていくようだ。次にギターの大村さんを紹介すると、大村さんが「昨日兼六園に行ったんだけど、6時に閉まるの知らなくて...」と言う。「6時に閉まるから、兼六園なんやな」と岸田が横ヤリ。ファンの女のコから「ヒゲ、かっこいい〜☆」と言われ、「これですか?」と顎ヒゲをいじる大村さんに「上向くと、卑猥な毛みたいや」などとまたもや岸田が茶々入れる。最後に、岸田が「クリストファー・マグワイアー、ドラムセット」と紹介すると、クリストファーはファンに「nice to meet you〜」と手を掲げた後、岸田のほうを指し「キョート、シゲル、キシダー」と岸田を「逆紹介」。観客からの盛大な拍手と歓声を浴び、照れまくる岸田(笑)。
 新作のアタマを飾る“グッドモーニング”、映画『ジョゼと虎と魚たち』のサントラ盤からの“飴色の部屋”と“ハイウェイ”を演ると、またもや岸田のMCタイム。「今、全国廻るツアー中なんやけど、ここ(Eight Hall)みたいなライヴハウスはあと1ヶ所で終わりです。うれし〜な。これでもう搬入やらんでエエ」などと語る。ライヴ機材の搬入と搬出はくるりのメンバー自身でやってるようです。あと、もう1つの仕事『物販』をアピールした後、クリストファーのかけ声で始まった“HOW TO GO”、そして“ロックンロール”を披露したところで、岸田たちは楽器を下ろして、一旦ステージを去った。
 観客のアンコール鵜を求める手拍子と時折飛び交う「アンコール!」の声に、岸田と佐藤クンだけがステージに戻ってた。岸田曰く「仲間割れをしました」。「やったことのない曲を演ろうと思うんで」と言いながらアコースティック・ギターを構える岸田の足元には歌詞のカンニングペーパー、後ろのほうでは佐藤クンがベースの練習中。アダプター付きのマウスハープのネジが緩いので、「ラジオペンチ持って来て〜」とローディーに声をかけ、アダプター付きのマウスハープを装着したままの状態でネジを締めてもらったた岸田。時折「痛い!」と声を上げてた(笑)。マウスハープが適切な角度で固定されたところで、練習済んだ佐藤クンと岸田の2人で演った曲は、新作からの“バンドワゴン”。 「仲間割れ」した残り2人もステージに戻って来たところで“青い空”。ファンはここぞとばかりにビョンビョン飛び跳ねる。最後は、くるりの代表曲の“東京”できっちりライヴを締めた。“東京”の演奏が終わり、ギターを降ろした岸田、ステージからの去り際、ギタピックを観客に投げ入れていった。負けじとクリストファーも、ドラム・スティックを2組観客に投げ入れてからステージを去った。
 新作『アンテナ』におけるアナログな感触をそのまま持ち込んだライヴでした。

【SET LIST】...'04.5.22 金沢・Eight Hall
1. ARMY
2. ばらの花
3. すけべな女の子
4. GO BACK TO CHINA
5. トレイン・ロック・フェスティバル
6. Race
7. Hometown
8. 黒い扉
9. Morning Paper
10. 花の水鉄砲
11. グッドモーニング
12. 飴色の部屋
13. ハイウェイ
14. HOW TO GO
15. ロックンロール

(encore)
1. バンドワゴン
2. 青い空
3. 東京

QURULI live @ Naeba Ski Resort (FUJI ROCK FES.) '03.7.27

QURULI live with MANIC STREET PREACHERS '03.1.26

QURULI live @ Kanazawa AZ Hall '02.5.1

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