ヒロくんのLIVE REPORT '03 PART 1 MANIC STREET PREACHERS
(guest : くるり)

 グレイテスト・ヒッツ盤『フォーエヴァー・ディレイド』のリリースに伴うマニック・ストリート・プリーチャーズ(以下、マニックス)の『GREATEST HITS TOUR』を1月26日、東京ディズニーリゾート近くの東京ベイNKホールで観て来た。この日の公演のみゲストとして、くるりが演奏するというスペシャルなライヴ。私の居場所は1階アリーナ立見ではなく、2階スタンド指定席。開場4時30分、開演5時30分...というロック・コンサートにしてはスタートが早いせいか、客の出足は鈍い。開演時間の5時半きっかりに客電が落ちた。
 どこかの宗教の歌か?と思うほどアヤしい女声コーラス隊の歌声のBGMに乗って、ステージにくるりの3人とサポート・ドラマーが登場。御存知のとおり、『ロック界の橋本真也』こと森 信行がバンドを去り、今はドラマーを欠いてるくるり。ステージ向かって右側から大村先生、岸田、佐藤クン...とそれぞれの持ち場に就く。ベースの佐藤クンは髪が伸びたなぁ。真冬だというのに、貧相なTシャツ姿の岸田たち。いつまで経っても学生バンドっぽさが抜けない(苦笑)。みんなで音出しした後、演奏し始めたオープニング曲は“Guilty”。続いて“ARMY”を演ったところで披露された曲は私の知らない曲。'70年代フォークからの影響がうかがえる曲で、最初、海援隊の“思えば遠くへ来たもんだ”あたりのカヴァーかと思った(爆笑〜!!!)。この曲が終わったところで、ヴォーカル/ギターの岸田がMC入れる。「日本出身のくるりです。日本のバンドです」などと、くるりを知らないマニックス・ファンに向けて平身低頭な挨拶(苦笑)。ここで“GO BACK TO CHINA”を演奏すると、これまた私の知らない曲を演奏。情報によると“リボルバー”というタイトルらしい。この曲が終わると、また岸田のMCタイム。「みんなもあのモノレール乗ってきはったんですか? ミッキーマウス型した窓の」と、JR京葉線舞浜駅からディズニーランド→ベイNKホール→ディズニーシー→舞浜駅へと一周するモノレール「ディズニーリゾートライン」の話題をフった岸田。これに、「オレはバスで来た」などと口々に反応返す観客たち。「俺もディスニーランドなんか来たことなかったし、せっかくやから乗ってみたんやけど...。俺は電車のモーターの音聴くのが好きでねぇ。京王線とか。だけど、今回はディスニー・ミュージックが邪魔して聴けんかったワ〜」 場内爆笑〜!!! 「モノレール、ディズニーランドの裏側通るやないですか。よく見えたんですよ。『ねずみの国』の従業員がタバコぷか〜〜〜と吸ってんの」 場内爆笑〜!!! 「こんなね、子供の夢壊すようなマネしたらアカンで〜」 岸田のMCはいつも面白い! 往きは駅からベイNKまで歩いたけど、ライヴ帰りは岸田のMC聞いて興味持ったんでモノレールに乗って、車内に流れる(モーター音聴くのに邪魔な)ディズニー・ミュージックもちゃんと確認した(笑)。
 メンバー紹介でドラマーが紹介された時、会場のくるりファンから歓声が上がった。事前情報どおり、元ナンバーガールのアヒト・イナザワが叩いてたようだ。彼の演奏聴くのは初めてだけど、「ドラマー」っつうよりも「パーカッショニスト」って感じの音色を叩き出してた。「マニックス・ファンのみなさん、すんまへん、あと2曲だけ演奏していいですか?」と、マニックス・ファンに懇願した岸田(苦笑)。2曲とは、“街”と“東京”。この古めの曲2曲演って、岸田たちはステージを去った。全7曲で約40分の演奏とはかなりモノ足りない気がしたが、くるりなんてどうでもいいマニックス・ファンにとっては「さっさと終わってマニックスを出せ!」だろうから、仕方がない..。
 セット・チェンジのため約1時間の休憩が入ったので、マニックスがステージに登場したのは、7時頃のこと。客電が消え、ステージに登場した3人。ヴォーカル/ギターのジェイムズ・ディーン・ブラッドフィールドは、赤いシャツの上に黒い上着を羽織ってる。ベースのニッキー・ワイアーは水色(薄緑色?)の袖落としたシャツ着てる。スカート履いた下にさらにズボン履いてるように私の目には見えた。ショーン・ムーアはいつもどおり帽子被ってドラムセットに就く。ジェイムズが早速、「コンバンワ、トキオ〜!!!」てな感じで観客に挨拶して曲紹介。「“Motorcycle Emptiness”!」 邦題“享楽都市の孤独”で知られる初期の代表曲のいきなりの登場にアリーナのファンはいきなり盛り上がり、ピョンピョン跳ねる。ウェールズの旗を振り廻すファンも居る。係員が慌ててそのファンとこに駆け寄ってくのがスタンドから見えた。「他のお客さまの迷惑になるので、旗は降り廻さないでください!」と叱られたのか、ウェールズの旗が降り廻されたのはこの時だけ(苦笑)。懐かしい曲が終わると、ジェイムズが曲紹介。「“You Stole The Sun From My Heart”」。この曲を演奏中、「イチ、ニ、サン、シ!」と日本語で観客を煽り、ステージ上をあちこち動き廻って激しいアクションを繰り返した。そのせいか、息があがり「ハー、ハー」なジェイムズ(もうイイ歳なんだからさ...苦笑)、上着を脱いで呼吸を整えたところで、観客に問う。「Can you sing?」 観客の反応がイマイチなため、もう一度「Can you sing?」と訊いて、観客に♪アー、アー、アー、アー、アー、アー〜と歌う練習をさせた。“The Masses Against The Classes”のイントロの練習ッス(笑)。ジェイムズが曲紹介し、SEが入って“The Masses〜”の演奏が始まると、♪アー、アー、アー、アー、アー、アー〜と練習の成果を発揮した観客たち(笑)。
 この日のライヴは曲を始める前に殆ど毎回曲紹介してたジェイムズ。新曲の“There By The Grace Of God”を紹介したんだけど、今までの3曲と違ってファンの反応はイマイチ...。ジェイムズが観客と「イチ!」、「ニ!」、「サン!」、「シ!」と掛け合いした後始まった“Motown Junk”の後、演奏されたのはオールド・ファンには懐かしい
“Suicide Is Painless”!!! ...が、スタンド席からアリーナを見下ろすと、ファンの反応はイマイチ...。『リッチー以降』の観客が多いことを思い知らされた。この曲でのジェイムズの歌はCDどおりではなく、高音部のフェイクが目立ってた。ちゃんと歌えた時もあったケド...。
 ジェイムズは常に御機嫌でフレンドリィ。「“finger”って日本語でなんて言うんだい?」と観客に尋ねるジェイムズ。観客は当然「指」って教える。教えてもらったばかりの「ユビ」を掲げて観客に「ユビ」を鳴らすように要求したジェイムズ。観客が鳴らす「ユビ」の音に合わせて始まった“Kevin Carter”が終わると、「old, old, old, old song」と言うジェイムズ、曲名を紹介。「“Slash N' Burn”」 この曲名聞いてファンが悲鳴に近い歓声上げた。1stアルバム1曲目の“Slash N' Burn”が久しぶりに日本で演奏され、ファンもピョンピョン跳ねて大いに盛り上がる。“Slash N' Burn”が終わると、「今度はニックが日本語で曲紹介するゼ」ってな感じでニッキーに曲紹介フるジェイムズ。ニッキーがマイクに向かい日本語でひとこと。「“ツナミ”!」 ニッキーの見事な曲紹介(笑)で“Tsunami”が披露されると、ジェイムズが「2ndアルバム『ゴールド・アゲインスト・ザ・ソウル』からの曲だ」と紹介し、“Life Becoming A Landslide”、「3rdアルバム『ホーリー・バイブル』からの曲だ」とMCし、“She Is Suffering”...と最近では殆ど演奏しない『リッチー時代』の曲を続けて披露。だけど、観客の反応は、正直イマイチ...。
 「ここで、俺たちの友達のミッチ・イケダを紹介するゼ」と、ジェイムズ。オフィシャル・カメラマンと言っていいほどバンドと親しい付き合いをさせてもらってるカメラマンの池田倫弘氏がステージ上に招かれ、マイクに向かってこう喋った。「目、とっても美しいですね。とても美しい目をしてます」...“Ocean Spray”のオープニングのセリフ(笑)。セリフが終わると池田氏はステージを去り、“Ocean Spray”の演奏が始まった。次の曲は、どうしてベスト盤から落ちたのか分からないくらいの名曲“Stay Beautiful”。この曲にもファンは熱い反応みせた。ジェイムズがギターをアコースティックに変えたので、近年のマニックスのライヴでお馴染みの『ジェイムズの弾き語りタイム』かと思ったところで、ジェイムズが弾き始めたのは“Little Baby Nothing”のイントロ!!! アルバムではトレーシー・ローズとのデュエットなので、ライヴでは女性ヴォーカル連れてこない限り演奏不可能と思ってたから、この曲の登場にビックリ!!! 女声パートもジェイムズひとりで歌いきった。ジェイムズが歌ってもあんまり違和感無かったな(笑)。
 3rdからの“Faster”が終わると、ジェイムズからのメンバー紹介。いつの間にか、ニッキーはズボン脱いでスカート姿(?)になってて、遠目にはボーイスカウトの隊員もしくはミュージカル『ピーターパン』(笑)にみたいに見えた。バンド・メンバーはマニックスの3人の他、キーボード・プレイヤーとパーカッショニストが居て、総勢5人での演奏。メンバー紹介が済むと、2ndからの“From Despair To Where”(邦題“絶望の果て”)と“Roses In The Hospital”が演奏された。この後は最近の曲が続き、カメラで観客を記念撮影した後、ジェイムズが「“A Design For Life”」と曲紹介するとファンが大いに沸く。ファンの大合唱が起こった“A Design For Life”が終わると、ジェイムズ、「今日は来てくれてありがとう。最後の曲だ。good night!」と、ひと足先にお別れの挨拶してから、“You Love Us”へ。この曲でファンはぴょんぴょん跳ね、♪you〜love〜us〜の大合唱。ジェイムズはステージから降り、ステージ最前列のファンと交流(笑)。ニッキーはベースを放り投げてアンプの上に立って観客を煽る。曲の終わりにベースを叩き付けて破壊したニッキー。ネックが折れたベースを観客に見せつけて悠々とステージを後にした。
 『GREATEST HITS TOUR』の名のとおり、バンドの歴史を総括するかのように『リッチー時代』の曲をたくさん演奏してくれて、オールド・ファン涙モノのライヴでした。ところで、ジェイムズ...あんなにハーハー息切れするならアクションを控えろ!と言いたい!(笑)

【SET LIST】...'03.1.26 東京ベイNKホール
《くるり》
1. Guilty
2. ARMY
3. ?
4. GO BACK TO CHINA
5. リボルバー(?)
6. 街
7. 東京

《MANIC STREET PREACHERS》
1. Motorcycle Emptiness
2. You Stole The Sun From My Heart
3. The Masses Against The Classes
4. There By The Grace Of God
5. Motown Junk
6. Suicide Is Painless
7. Kevin Carter
8. Slash N' Burn
9. Tsunami
10. Life Becoming A Landslide
11. She Is Suffering
12. Ocean Spray
13. Stay Beautiful
14. Little Baby Nothing
15. Faster
16. From Despair To Where
17. Roses In The Hospital
18. The Everlasting
19. Everything Must Go
20. If You Tolerate This Your Children Will Be Next
21. A Design For Life
22. You Love Us

MANIC STREET PREACHERS live @ Naeba Ski Resort (FUJI ROCK FES.) '01.7.27

MANIC STREET PREACHERS live @ Akasaka Blitz '99.2.7

QURULI live @ Kanazawa AZ Hall '02.5.1

INDEX