ヒロくんのLIVE REPORT '11 PART 17 凛として時雨

 凛として時雨(以下、時雨)のツアー『αβ+1』を10月30日に地元・富山のCLUB MAIROで観て来た。ライヴが始まったのは、開演予定時間の18時を5分くらい過ぎた頃、フロア内の灯りが消え、開演前の場内に延々と流れていたアンビエントなB.G.M.に砂嵐のようなノイズが混じると、ステージ向かって右側の袖からドラマーのピエール中野が登場。暗いなかの移動のため足下を照らす灯りのつもりなのか、はたまた目立つだけの道具なのか(苦笑)グリーンのサイリューム(スティックライト)を持って登場し、ドラムキットに就く。次に、ベース兼ヴォーカルの345が続き、最後にギター兼ヴォーカルのTKが登場。TKはいつものように長袖Tシャツ姿だけど、今回は『αβ+1』のツアー・グッズの七分袖のTシャツ着てる。オープニング曲はピエール中野のドラム・リフから始まる“JPOP Xfile”。いきなりフロアを埋める観客がピョンピョン飛び跳ね始める。私は最初からフロア後方ステージ向かって右側のTVの前ンところに避難してたので、無事(苦笑)。ステージ向かって右側にTK、左側に345、ステージ奥にピエール中野が居るのはいつもと同じ。場内のファンにいきなり火をつけた“JPOP Xfile”を終えると、早速ギターを交換するTK。2曲目にお馴染みの“想像のSecurity”を演奏した後、彼らが披露したのは、“COOL J”。アルバム『Inspiration is DEAD』収録のこの曲、アルバムを何度も聴いてすっかり耳に馴染んでるせいか会場で聴いてるうちは気付かなかったけど、私がこの曲をナマで聴いたのは今回が初めてだ。貴重な“COOL J”の後は、早くも“DISCO FLIGHT”。ファンの人気が高いこの曲でも大いに盛り上がったけど、フロアの上にはミラーボールが吊るされてるのに、それが活用されることは無かった(苦笑)。場内大いに盛り上がった“DISCO FLIGHT”が終わると、TKが「久しぶりです、凛として時雨です」と富山の観客に簡単に挨拶。ここで演奏されたのは、“I was music”。ここまで古い曲が続いてたので、ようやく「最近の曲が出た」といった感じ。この曲が終わると、TKはまたギターを交換。次の曲は、これまた私にとっては初めてライヴで聴く曲となる“knife vacation”で、TKと345のヴォーカル・ハーモニーを堪能した。この1曲だけでTKがまたギターを交換すると、“a symmetry”。そして、“ハカイヨノユメ”。この曲での観客の暴れぶりは凄まじく、モッシュの嵐。しかも、クラウド・サーフィン敢行者が出始めた。富山のライヴでクラウド・サーフィンが出るのを観たのはいったいいつ以来だろう?(苦笑) 激しく盛り上がった“ハカイヨノユメ”が終わると、TKが「新曲1曲演ります」と言う。観客が大歓声を送るなか、新曲を披露。この新曲、縦ノリが多いこれまでの時雨の楽曲と比較すると横ノリのエッセンスが濃い気がした。新曲を演るとTKはギターを交換。現時点での最新作『still a Sigure virgin?』のラストを飾る“illusion is mine”。この1曲を演るとまたTKはギター交換。
 これまで私が観た時雨のライヴではいつも中盤にゆったりと聴かせる曲(“moment A rhythm”など)を集めて演ってたけど、今回はそれが無いのが気付いてた。11曲目にようやく“Acoustic”(この曲も私はライヴで初めて聴いた)が演奏されたけど、“moment A rhythm”ほどユルくないし、今回のライヴは激し目の曲ばかりで押した印象。次の曲は“鮮やかな殺人”。この曲ではTKがミスしたらしく、途中で演奏を打ち切って最初から演り直すハプニングがあった。この曲を演り終えると、TKと345は一旦ステージを去った。
 ここでピエール中野のトーク・タイム。頭に「ケロリン」のロゴが入った黄色いタオルを巻いてるピエール中野、「ケロリン中野です!」と自己紹介すると、「富山ブラック〜! 富山はブラックなのか?」と富山の観客に訊く。すると「yeah〜!」と富山の観客が返す。ここで、スタッフに「かっこいい『富山ブラック』をやるから、マイクにディレイかけて」などと指示出して、ディレイの効果付きで「富山ブラック!」とキメたピエール中野、この後『ケロリン』の歌について♪ケロリン飲んだらケロケロリ〜ン...で正しいかどうかの確認したり、富山では初の御披露目と言ってギターを構え、国民的スーパースター・嵐のデビュー曲を演ると宣言し、歌ったりした。マイクスタンドとシンバルの間隙にギターのネックを差し込む体勢となるため、弾き(歌い)づらそうにしてたけど、なんとか嵐のデビュー曲“A・RA・SHI”をワン・コーラス歌い切った。この後、元ディスコだったという会場のCLUB MAIROに触れ、私の観てた位置のすぐ横にあるTVについて、「あのTVはどーゆー使われかたされてたんでしょうね?」と問題提起してから、いつものようにエール交換へ。今回は「say 『VIBES!』」、「VIBES!」、「富山!」、「ブラック!」、「♪ケロリンのんだら」、「♪ケロケロリン〜!」といった内容で、「玉筋」と「ランランルー」は無かった(笑)。この後ドラム・ソロが始まり、観客の歓声のなか凄まじいプレイを繰り広げたピエール中野。ドラム・ソロも終盤に差し掛かると、それまでステージから引っ込んでたTKと345が戻って来て、楽器を構える。ピエール中野のドラム・ソロからそのままなだれ込むような形で“Telecastic fake show”、さらには“nakano kill you”...と一気にたたみ掛ける。“nakano kill you”ではまたクラウド・サーファーが観客の頭上をゴロゴロ転がってく。続く“感覚UFO”では、いつもクールな345がベースを頭上高く掲げたのが印象的だった。曲が終わると、TKが「中村美代子さんです」と紹介し、345による物販宣伝コーナーへ。タオルで汗を拭きつつ、そのタオルを紹介し、次にノートとペンのセットの宣伝をした345。その後、「アクリルキーホルダーも作りました。アクリルのキーホルダーです」と345が宣伝すると「そのままやんけ!」といった失笑が場内のあちこちから漏れた(苦笑)。最後に、Tシャツの宣伝。半袖と、TKが着てる七分袖がある旨紹介すると、「今日はどうもありがとうございました。凛として時雨でした」などと言って345の物販紹介は終了。ここで披露された最後の曲は、“傍観”。静かに始まったけど曲のエンディングでTKは激しくギターをかきむしり、シャウト。その脇をすでに演奏を終えたピエール中野が観客に手を上げながらステージ脇に消え、345も後に続いた。最後にTKがギターを放り出すと、ステージ袖に消えていった。彼らがアンコールを演らないのは知ってるので、他の客がアンコール要求のクラップを始めようが無視して、フロアの出口へ向かった私(苦笑)。フロアの出口から出る頃、フロアの灯りが点き、何らかの気まぐれでアンコールを演るということも確認してから19:44発の列車に間に合うように富山駅に急いだ。

【SET LIST】...'11.10.30 富山・CLUB MAIRO
1. JPOP Xfile
2. 想像のSecurity
3. COOL J
4. DISCO FLIGHT
5. I was music
6. knife vacation
7. a symmetry
8. ハカイヨノユメ
9. make up syndrome (新曲)
10. illusion is mine
11. Acoustic
12. 鮮やかな殺人
〜Pierre Nakano's drum solo〜
13. Telecastic fake show
14. nakano kill you
15. 感覚UFO
16. 傍観

LING TOSITE SIGURE live @ Kanazawa Eight Hall '10.11.12

LING TOSITE SIGURE live @ Toyama Club Mairo '10.2.20

LING TOSITE SIGURE live @ Kanazawa Eight Hall '09.5.24

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