アヴリル・ラヴィーンの4th『グッバイ・ララバイ』のリリースに伴うワールド・ツアー「The
Black Star
Tour」の日本公演は本来ならば去年の5月に行われてるハズだった。しかし、昨年3月11日に日本を襲った東日本震災の影響により、来日ツアーは延期されてしまった。私が持ってた5月22日のチケットは2月5日の公演に振り替えられたため、その8ヶ月半ばかり延期された振替公演を観に、さいたまスーパーアリーナに行って来た。
今回のアヴリルのライヴのサポート・アクトは、「あべま」こと阿部真央。あべまは、ちょうど私が今気に入ってるアーティストなので、期せずして、1粒で二度美味しいライヴとなった。私の席はスタンド指定で、しかもステージから一番遠いあたり(211入口の20列201番)。ステージ上の人物は豆粒くらいにしか見えないくらい遠いけど、ステージ左右にスクリーンが設置され、ステージの模様を映す配慮をしてくれるようだ。私は去年の5月22日のチケットをそのまま利用したけど、ライヴが延期になった時に払い戻ししてそれっきりにしたひとも多いようで、私の周囲の席はガラガラで、客の姿がまばらの歯抜け状態(苦笑)。なにしろ、私の目の前の列(19列)には客がひとりも座ってなかったんだから(苦笑)。もしかして、一回チケットを払い戻して買い直したほうが、イイ席取れた?(苦笑)
開演予定時間の4時半の1分前に場内の灯りが消え、ステージにアコースティック・ギター(以下、アコギ)を構えた
あべまが登場。オープニング曲は“I wanna see you”。バンドは西川
進さんたちいつものメンバーのようで、いつもの
あべまのライヴ同様曲に合わせてピョンピョン飛び跳ねてる。あべまがアヴリルの“My
Happy
Ending”を聴いたのをキッカケに本格的に音楽を始めたことはファンの間では有名な話だけど、あべまというアーティストが生まれるキッカケとなったアーティストと同じ舞台に立てるってことで特別なモノがあったんだろう、白いブラウスにネクタイをルーズに締め、一瞬スカートと見間違えたほと丈の短いパンツ姿の
あべま、パッと見、高校生だ(苦笑)。次の曲は、“ふりぃ”。あべまのワンマン・ライヴだと♪息を吸え〜ス〜ハ〜ス〜ハ〜...のところは大合唱になるんだけど、今回はアウェイであり、大合唱は無い。勿論、あべまのファンも混じってるのか、少なからず
あべまにも声がかかってる。あべまがバンドのほうを向いて、指で「ワン、ツー、ワン、ツー、スリー〜」とカウントを取ってから“モットー。”へ。この曲を終えると、「みなさんはじめまして、阿部真央です。みなさんの貴重な時間をいただいてどうもありがとうございます」などと、あべまの「あ」も知らないようなアヴリルのファンたちに挨拶。ここで“伝えたいこと”を披露。あべまの持ち時間は30分くらいの短いものだろうから、彼女の音楽を初めて聴くような観客にもアピールするようなノリのよい曲ばかり続けるのかと思ってたら、バラードの“貴方の恋人になりたいのです”を披露したあべま、曲を終えるとアコギを下ろし、デビューして丸3年で4年目に突入した彼女がアヴリルをキッカケに音楽の道を志したことを観客に語ってから「貴重な時間をいただいてどうもありがとうございました」などと挨拶するものだから、「え、もう
あべまの出番は終わり?」と思ったら、最後にアコギ無しで“ロンリー”を歌ってくれた。西川さんたちドラマーを除く楽器隊3人がステージ上で飛び跳ねてたことは言うまでも無い(苦笑)。歌い終わると観客に御礼を言って、あべまとバンドの4人はステージを去った。
今回のアヴリルのツアー・グッズには、先が星形になった緑色のライト(\1,500)があり、多くのファンがそれを買い求めてるため、場内至るところに緑色の光が揺れてる。アヴリルのステージが始まったのは、5時半過ぎ。それまで場内に流れてたマルーン5の“Misery”がリンキン・パークの“Faint”に変わると、場内の灯りが消える。ファンの歓声のなかその“Faint”とプッツリ消え、場内にピアノの旋律が響き渡る。新作『グッバイ・ララバイ』のアタマを飾る“Black
Star”のイントロだ。CDのようにすぐにアヴリルの唄が入るんじゃなく、暗いステージの上でバンドが音を重ねてく。やがてステージに観客が手に持って振ってるのと同じ星形ライトが1つステージの上を移動してる。アヴリルだ!...と気付いたファンがまた歓声を上げる。裾が長めのタンクトップに革のパンツ姿でブロンドの髪の先をピンクに染めてるアヴリルが歌を乗せ、この曲を歌い終えると早速、「Japan〜!」などと日本のファンに声を掛ける。次の曲はアルバムどおりの流れで“What
The Hell”。♪yeah, yeah〜yeah,
yeah〜...のところで合唱するようアヴリルが煽るため、多くのファンが星形ライトを揺らしながら合唱。アヴリルの右側にはバンマスでギターのJim
McGorman、左側にはギターのSteve
Feketeが位置し、アヴリルの右後ろにべースのAl
Berry、中央奥にドラムのRodney
Howardが居て、その左隣にキーボードのSteve
Ferlazzoが居る5人編成。ギタリストたちがリフを弾き始めるとやがてそれは“Sk8er
Boi”になってく。本編最後とかアンコールではなく3曲目で早くもこの曲が登場。曲の中盤、観客にマイクを向けファンに合唱させた。盛り上がった“Sk8er
Boi”の後、ギタリストたちが弾き始めたヘヴィーなリフは“He
Wasn't”。ここでギターを構えたアヴリルが演奏を中断させたり、ファンに歓声を出させたり、投げキッスしてみたり(苦笑)とオフザケしてようやく“He
Wasn't”へ。♪hey!
hey!〜とファンが大合唱し、腕を突き上げるため、緑の星形ライトも一緒に揺れる。ギターを離したアヴリル、これまた持ち曲のなかでもヘヴィーな部類に入る“I
Always Get What I Want”を熱唱した。
ロックな曲が連続して披露され熱くなってた会場の空気、突然シンセの音に寸断される。いったい何事が起こったのかと訝ってると、いつの間にかステージ上にピアノが設置され、バンマスのJimがピアノを弾いてる。やがて、ピアノの旋律は“Alice”に変わり、いつの間にかピアノの上に乗ってたアヴリルが歌い始める。この曲を歌い終わると、「I
love you,
Japan〜!」とピアノの上に乗ったまま観客に声を掛け、「アリガト! アリガト!」と日本語で御礼を言うアヴリル。そのまま「“
When You're
Gone”」と次の曲を紹介。この曲もピアノの上から熱唱(苦笑)したアヴリル、この曲を歌い終えるとようやくピアノから降りたアヴリル、「thank
you very
much! アリガト〜!」と英語と日本語を交え、ファンに御礼を言った。ピアノはこの2曲のみで撤去となった。
Jimがアコギを構え、アコースティック・テイストな“Wish You Were
Here”を演った後、バンドが演奏し始めた次の曲はファンに耳馴染みの曲。私も「デビュー作からの“Unwanted”だ!」と喜んだけど、アヴリルの歌が入らないうちに曲は2nd収録の“Freak
Out”に変わった。どうやらバンドはアヴリルの曲をメドレー方式のインストゥルメンタルで演奏してるようで、その見極めは正しく、曲はさらにアヴリルのデビュー作のアタマを飾る“Losing
Grip”に変わった。面白い試みだけど、このインスト・メドレーで演った曲は今日はアヴリルは歌わないんだろうなぁ...と思うと残念な気もした。インスト・メドレーの間ステージから姿を消してたアヴリルが歌い始めたのは、“Girlfriend”。♪hey!
hey! you!
you!〜と場内大合唱になり大いに盛り上がった“Girlfriend”の後、ギタリストが弾き始めた旋律は“My
Happy
Ending”。ギターを構えたアヴリルが全く別モノの歌詞を歌い始めたので「違う曲か...」と思ってたら、そのうち“My
Happy Ending”になった。“My Happy
Ending”は私の大好きな曲なので、“Sk8er
Boi”は歌えず合唱に加わらなかったけど、この曲の♪you were everything,
everything that I wanted〜の合唱には加わりました(笑)。次の“Don't
Tell
Me”もギターを構えたまま歌い、“Smile”ではギターを下ろして歌ったアヴリル。この曲のラップっぽいパートでは、バンマスのJimがラップを披露し、観客の歓声を集めてた。“Smile”を歌い終えたアヴリル、「Japa〜n! ミンナサイコー〜!」とファンにノリに感謝。ステージ中央に置かれた椅子に腰掛け、“I'm
With
You”。この曲の中盤では観客にマイクを差し出し、歌わせる。私はこの曲が歌えないので黙ってたけど、先ほどの“Sk8er
Boi”と違いバックの音がシンプルなため、多くの女のコたちが合唱に参加してるのがよく分かった。ファンの女のコたちの大合唱に対する御礼なのか、「I
love you, Japan〜! アリガト! thank
you〜!」と言ってから、アヴリルたちは一旦ステージ向って右の袖に姿を消した。
ファンがアンコールのクラップをしてると、やがてステージにアヴリルが戻って来た。アンコール1曲目は、新作から“Push”。CDではエヴァン・トーベンフェルドとのデュエットになってるブリッジ部分では、エヴァンの代役としてバンマスのJimが歌った。この曲が終わると、またもや観客に「I
love you,
Japan〜!」と、日本に対する愛を語るアヴリル、「私が日本に対してどれくらい愛情を持ってるか、みんな解ってる?」などと英語で訊いてから、「次に演る曲は“I
Love You”っていうんだけど、私は今日ここに来てくれたみんなに『I love
you』だよ」などと喋ってから、“I Love
You”を歌った。最後に1stから“Complicated”を歌うと、またもや「I love
you, Japan〜! アリガト! thank
you〜!」などと観客に御礼を言ったアヴリル、ステージからの去り際に側転を見事に決め、ファンからの喝采を浴びてた。こうしてこの日のライヴは終わった。
新作のアタマを飾る“Black
Star”を冠するツアーの割には新作の曲が少く、また、ある意味当然なんだろうけど、結婚して幸せの絶頂期に作った3rd『ベスト・ダム・シング』からの曲が極端に少ない(苦笑)セット。アヴリルのノドを酷使しないためか、はたまた機材の入れ替えの都合か、アヴリルがステージから姿を消してる時間が意外に長い。例のインスト・メドレーをアヴリルの歌ありで聴きたかったと思ったファンも多かったろう。私がアヴリルのライヴを観るのは3回目だけど、これまでになく演奏がラフだったように感じた。もっともそれは会場の音響のせいなのかもしれないけどね(苦笑)。
【SET LIST】...'12.2.5
さいたまスーパーアリーナ
<阿部真央>
1. I wanna see you
2. ふりぃ
3. モットー。
4. 伝えたいこと
5. 貴方の恋人になりたいのです
6. ロンリー
<AVRIL LAVIGNE>
1. Black Star
2. What The Hell
3. Sk8er Boi
4. He Wasn't
5. I Always Get What I Want
6. Alice
7. When You're Gone
8. Wish You Were Here
〜instrumental (Unwanted〜Freak Out〜Losing Grip)〜
9. Girlfriend
10. My Happy Ending
11. Don't Tell Me
12. Smile
13. I'm With You
(encore)
1. Push
2. I Love You
3. Complicate
AVRIL LAVIGNE live @ Kobe World Hall '05.3.12
MAO ABE live @ Zepp Sendai '11.12.5