4thアルバム『マラドロワ』を発表したばかりのウィーザーのライヴを名古屋で観て来た。1年前の来日公演は『ザ・グリーン・アルバム』の発表直前で、このアルバムからの曲がファンに浸透していなかったため盛り上がりに欠け、とても残念な思いをした。去年と同じ轍を踏まないため、今回はちゃんと来日前にアルバムを出してくれたウィーザー。ところが、作風の変化への評判はイマイチで、さらに今回のジャパン・ツアーを先に観たひとからもあまり良い評判が聞こえてこないため、不安を抱きつつ恐る恐る会場へ出向いた私。愛知厚生年金会館は2,000人規模の全座席指定の大きなホールで、私の席は2階C列。
開演時間の6時半、ステージにスペシャル・ゲストのA.M.
RADIOが登場〜! ヴォーカル、ギター×2、ベース、ドラム...のシンプルなロックを演る5人組。ヴォーカルのひとが「アリガト!」とか「カンパイ!」とか日本語で挨拶入れまくり、さらにはステージ前の女のコと握手したりするので、「さすが、リヴァースたちの前座!」と納得(笑)。ふつう、前座のバンドへの観客の反応って冷たいものだけど、ヴォーカルのひとがステージに降りて通路を歩いたり、まだ空席になってる席に寝そべったり...と、陽気なふるまいを続けるので観客の反応も次第に熱を帯びてくる。最後の曲で、突如シンディ・ローパーの“Time
After Time”のサビの部分を歌い始め、♪if you fall〜I will catch
you〜I'll be
waiting〜...と歌ったところで客席にマイクを向けると、ちゃんと観客が「♪time
after
time〜」と返したくらいだから、如何に彼らが観客の心をつかんでたかよく分かる。オープニング・アクトにしては充分なほど観客を沸かせ、7曲演ってA.M.
RADIOはステージを去った。
セット・チェンジが終わり、しばらく経った頃、ステージにパラパラとウィーザーのメンバーが登場。リヴァースと新ベーシストのスコット・シュライナーは楽器をぶら下げてステージに出て来た。メンバーそれぞれスタンバったところで、ウィーザーらしくないインストゥルメンタルを演奏始める。このインスト曲が終わったところで、リヴァースが弾き始めたギターのイントロは“Say
It Ain't
So”。1stアルバムからの代表曲に、総立ちになった観客から、悲鳴のような歓声が上がる。上辺のほうが長い台形型の台の上に組まれたドラムキットでプレイするパトリック・ウィルソンの背後の幕が落ち、ビルの窓を思わせるようなセットが現れた。“Say
It Ain't
So”が終わると、足元のペットボトル飲料を飲むリヴァース。「ポカリスエット!」とラベルを読み上げ、ファンの笑いを誘ってた。次の曲は新作『マラドロワ』から、アタマの♪ooo-hoo-ooo-hoo-ooo-hoo-ooo-hoo-ooo-hoo-...のリフレインが印象的な“Space
Rock”。どこか尻切れトンボな感じでこの曲が終わると、次は“Getchoo”。2nd『ピンカートン』からの人気ナンバーだけど、テンポが遅く、どこか間延びした感じ...。この“Getchoo”が終わると、またもペットボトルを手にしたリヴァース、「body
request POCARI
SWEAT!」と読み上げ、コダワリをみせる(笑)。確かに、「body request
」とは、英語圏のひとたちには不思議なキャッチコピーかも(笑)。ここで演奏された曲は『ザ・グリーン・アルバム』からの“Crab”。メガネかけたリヴァースは、長袖シャツ姿で冴えない田舎の先生を思わせるファッション。ここ最近のリヴァースが生やしてるヒゲに関しては2階席からはハッキリとは確認出来なかったけど、リヴァースはどこか小汚い雰囲気を漂わしてた。その左隣でベース弾くスコットは、メガネ君だけど左腕に刺青入れてる筋肉質のマッチョマンで、額が広い(笑)。
5曲目に早くも大人気曲の“Buddy
Holly”がプレイされ、ファンが大いに沸く。だけど、曲演る度にギターとベースを交換するので、この間合いのせいで興奮が醒める。もっと矢継ぎ早に曲をガンガン演って欲しいな...。新作からの“Death
And
Destruction”が終わると「サイコー!」と日本語でMC入れたリヴァース、次の2ndからの人気曲“Why
Bother?”演奏後、暑くなったのか、ようやく長袖シャツ脱いでTシャツ姿になった。ここで演奏されたのは♪hip!
hip!...で始まる“Island In The
Sun”。ここらあたりで『1st→4th→2nd→3rd→』というローテーションで曲が演奏されてる法則性に気付いた私、「次は1stからだな」と思ってたら、案の定、“No
One Else”だ(笑)。次もローテーション守って新作からの“Dope
Nose”。リリースされたばかりだけど、この曲に対する反応は高く、♪オッオ〜オッオッオッオ〜...とファンも合唱。“Dope
Nose”で盛り上がった後、ファンからからかう声がかかったんだろう、「ナニ?」と訊き返したリヴァース、いろいろやりとりあった後、「チョー馬鹿」とか日本語喋ってた(笑)。あくまでもローテーションどおりに“The
Good Life”と“Knock-down
Drag-out”が演奏されると、リヴァースが英語で「1stアルバムから」などと言って始まったのが、ブライアンがリード・ヴォーカルとる1stアルバムに入ってない曲(笑)。続いてパトリック・ウィルソンがリード・ヴォーカルとる曲で、この曲の演奏前に「ガンバッテ!」って日本語で励ましてたリヴァース。パトリックのヴォーカル...かなり危なっかしかった(笑)。「次は、スコット君がリード・ヴォーカルかな?」と思ってたら、リヴァースのヴォーカルで“Tired
Of
Sex”。『ピンカートン』からの赤裸々ナンバーにファンが沸くと、いつの間にかパットのドラム台に『=w=』マークの電飾が煌めき、天井からも『=w=』マークが吊り下がってくる。さらには“Photograph”を演奏し、観客を沸かせたところで、4人は一度ステージを去った。
ファンのアンコールを求める手拍子に応え、ステージに戻って来たリヴァース、開口一番「no
freaks, go
home!」などと言っていた(笑)。アンコールで披露されたのは“Surf Wax
America”。先ほど歌わせてもらえなかったスコットも曲の中盤部でリード・ヴォーカルとってた。この曲が終わると、そのままジャム・セッションみたいな感じになり、パトリックとスコット主導でRUSHの“Subdivisions”のイントロを演奏するお遊びも(笑)。最後はリヴァースひとりだけステージに残り、ギター鳴らし続けてたよーです。
こうしてライヴは終わったんだけど、数々の名曲を世に生み出してる彼らにしては曲数少なすぎ! 「あの曲もこの曲も聴きたかった」という不満がどうしても残った...。
【SET LIST】...'02.5.25
愛知厚生年金会館
. intro
1. Say It Ain't So
2. Space Rock
3. Getchoo
4. Crab
5. Buddy Holly
6. Death And Destruction
7. Why Bother?
8. Island In The Sun
9. No One Else
10. Dope Nose
11. The Good Life
12. Knock-down Drag-out
13. ? (lead vo. Brian Bell)
14. ? (lead vo. Patrick Wilson)
15. Tired Of Sex
16. Photograph
(encore)
1. Surf Wax America
WEEZER live @ Osaka WTC Open Air Stadium (Summer Sonic 2000) '00.8.5
WEEZER live @ Nagoya Club Quattro '97.8.2