ヒロくんのLIVE REPORT '03 PART 6 BONNIE PINK

 BONNIE PINKの2003年の全国ツアー“Tonight, the Night”を観に、3月29日に大阪・なんばHatchへ行ってきた。全国ツアーとはいうものの、今回は大阪と東京の2公演のみ。
 なんばHatchは昨夏にオープンしたばかりの新しいハコ。そのHatchのフロアのステージ向かって右側のアンプの前あたりで開演を待つ。開演前のBGMとして思わせぶりにキャシー・デニスの“Touch Me (All Night Long)”が流れ、その後また別の曲がかかってから(苦笑)の7時15分過ぎに、ステージにバック・バンドのみなさんが登場してそれぞれ持ち場に就く。そして少し遅れてステージに水色のトゥー・ピース姿のBONNIE登場〜!!! ドラムはいつものアンソニー・ジョンソン。そのアンソニーが叩き始めたリズムでこの日のライヴは始まった。♪タトント〜タトント〜...。あ、これ“Heaven's Kitchen”じゃないかー!!! いきなり“Heaven's Kitchen”が登場したので、フロアを埋めるファンは大喜び。次の曲は“Your Butterfly”で、BONNIEもリスムに乗ってクネクネ踊りながらステージの端から端まで移動してファンを煽るので、ファンも手拍子しながら盛り上がってた。3曲目は新作『Present』からの“Over the Brown Bridge”。ステージには、ギター、ベース、ドラム、パーカッション(女性)、そしてキーボードが2名居て、BONNIEを含めて総勢7名のバンドでの演奏。お馴染みのソウルフラワーユニオン奥野さんじゃないほうのキーボーディストは、曲によっては鉄琴や木琴、クラリネット?までも駆使する「便利屋」さん。彼をみてると「次の曲では何の楽器弾くんだろ?」という興味が自然と沸いてくる(笑)。
 「みんな盛り上がってますか!? yeah!」「yeah!」...と、いつもどおり(笑)BONNIEとファンの掛け合いがあった後、BONNIEもギターを構えて“Losing Myself”へ。BONNIEがギターを降ろして“Home”、さらに“Thinking Of You”...と、曲が続いた。
 ファンから「BONNIE〜!」と声援がとぶ。「香織〜!」と本名で呼ぶ者も居る。さらに「浅田〜!」と、名字を呼ぶ声についにBONNIEが反応。「あのぅ、『浅田〜!』と呼ぶのやめてもらえますか? 高校時代の先生を思い出すので...。『BONNIE PINK』という名前で活動中です(きっぱり)」...だから本名で呼ばないで!というBONNIEのコメントに、ファンが沸いたところで、この日初めてピアノに就いたBONNIE、「“Rope Dancer”という曲を演ります」と、ピアノの弾き語りを始める。ファンがBONNIEのピアノ弾き語りを堪能しウットリ聴き惚れたところで、ギターを構えたBONNIE、“Passive-Progressivism”へ。「政治家」とか「引きこもった大人」など、今の世の中を風刺するような静かな曲。
 「今日の私の衣装はマーメイドを意識したんだけど、マーメイドに見える?」といった感じでファンに訊くBONNIE、ファンの間から「シーフード!」という声が上がり、「え? シーフード?」と苦笑いするBONNIE。「ニュー・アルバム聴いてくれましたか?」などとファンに訊き、ファンからの反応を誘った後、「タイトル曲」と曲紹介があって“Present”へ。この曲の後に演奏されたのは、ピコピコとふざけた曲。「BONNIEにこんなナメた曲があったっけなぁ?」と思ってたら、ステレオラブによる“Sleeping Child ("the gyrations of virgin microbes" Mix)”をライヴで再現してくれていたワケ(苦笑)。んで、この電脳ピコピコでダンサブルにアレンジされた“Sleeping Child”は、「あの曲」の前フリだったようです。次の曲は??? そう、“Tonight, the Night”! 大人気の最新ヒットだけあってファンのヴォルテージが一気に上がり、「BONNIE PINK」と書かれた電飾がステージ上方から降りてきてピカピカ点滅。一気に会場はひと昔前の「デスコ」(笑)に早変わりした印象(笑)。この“Tonight, the Night”が終わると、BONNIEからメンバ−紹介があった。キーボード→パーカッション→ドラム→ベースの順に紹介していき、キーボードの奥野さんについては「シャツの柄が納得できない」などと紹介した後、最後にギターのFOE・會田茂一さんを紹介。「E. YAZAWA」のロゴの入ったタオルを振りかざし、BONNIEからの紹介に応えた「アイゴン」こと會田さん(笑)。メンバー紹介の後始まった「後半戦」では“Chronic Vertigo”や“僕じゃなかったら”といったノリのイイ曲で盛り上がった後、BONNIEがギタ−弾いた“Wildflower”、懐かしの“犬と月”...と曲が続いた。最後にシングルのカップリング曲で「隠れた名曲」“New York”をしっとりと歌い終わると、他のメンバーが演奏中にもかかわらず、BONNIEはひとりステージを去った。
 ファンのアンコール要求の手拍子に応えて戻って来たBONNIEたち。「来月で三十路に入ります。20代最後のライヴです」などと言った後、ライヴDVDをリリースする予定があることをファンに報告したBONNIE。BONNIEがギター構えた“April Shower 〜四月の嵐〜”の後は、キャシー・デニスのディスコ・ヒットのカヴァー“Touch Me/All Night Long”。この曲でBONNIEは♪hold me (baby)〜drive me (crazy)〜touch me all night long〜...とファンと掛け合いをしようとしたけど、カヴァーというのが災いしてかファンはイマイチ喰い付きが悪い。“Communication”を演った後、ステージを去ったBONNIE御一行。だけどファンはまたしてもアンコールの手拍子を始める。やがてステージに戻って来たBONNIE。困惑しながら「もう演奏出来る曲がないんですよね。同じ曲聴きますか?」などと言って、また“Tonight, the Night”を演奏。ファンは大喜びしてたけど、私は醒めてた(苦笑)。だって、バンドでリハーサルしてないため他の曲が演奏出来なくても、BONNIEのピアノ弾き語りで“evil and flowers”とか聴かせてくれてもよかったのに!
 バンド・メンバーがみんなスーツ姿(アンソニーですら、ネクタイしてた!)だったことからも解るとおり、新作『Present』で聴けるとおり上品なオトナなサウンド。新作からの曲が多く、BONNIEがギターを持つ機会もたくさんあったけど、『Let go』からの曲が少なかったのは何故だ??? いずれにせよ、赤髪時代の曲が少なかったのが、不満...。

【SET LIST】...'03.3.29 なんばHatch
1. Heaven's Kitchen
2. Your Butterfly
3. Over the Brown Bridge
4. Losing Myself
5. Home
6. Thinking Of You
7. Rope Dancer
8. Passive-Progressivism
9. Need You
10. Present
11. Sleeping Child ("the gyrations of virgin microbes" Mix)
12. Tonight, the Night
13. Chronic Vertigo
14. 僕じゃなかったら
15. Wildflower
16. 犬と月
17. New York

(encore 1)
1. April Shower 〜四月の嵐〜
2. Touch Me/All Night Long
3. Communication

(encore 2)
1. Tonight, the Night

BONNIE PINK live @ Osaka Sangyo University '02.11.3

Bonnie Link (BONNIE PINK fan club) 1st meeting '01.12.26

BONNIE PINK live @ Kanazawa AZ Hall '01.12.5

Bonnie Pink live @ Shibuya Koukaidou '00.8.26

Bonnie Pink live @ Niigata Phase '00.7.27

Bonnie Pink live @ Shibuya Koukaidou '98.7.26

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