ヒロくんのLIVE REPORT '03 PART 15 SUMMER SONIC '03

 2003年は、8月2日・3日の両日に東京・大阪で同時開催された『SUMMER SONIC』(以下、サマソニ)。このうち8月2日の大阪会場へ足を運んできた。「冷夏」といわれた今年の夏だけど、この日の大阪は夏らしい陽射しが照りつけてて暑かった。会場もよりのコスモスクエア駅で下車したら、いきなりtakuyaさんと遭遇(爆笑〜!!!)。今回の『サマソニ』はほぼ1日じゅうtakuyaさんといっしょに観てました(笑)。この日の前売りチケットはSOLD OUTになっており、そのためコスモスクエア駅の周囲には「チケット3万円で譲ってください!」などと書いた紙を持ったキッズがたくさん居た。1年目の『サマソニ』大阪会場では、入場待ちの列が長くて開演時間までに入場出来なかったが、今年はさすがにスムーズに会場に入れた。WTCオープンエアスタジアムではちょうど『白装束軍団』(笑)ザ・ポリフォニック・スプリーが演奏中。去年『rockin' on』の山崎編集長に叩かれた効果か、大阪会場の『悪名高き』砂ぼこり対策として、地面には人工芝が敷き詰められていた(笑)。この人工芝のうえに腰をおろして休んでると、やがてHYがステージに登場、演奏を始めた。が、私は人工芝のうえに座ったまま休憩。だって、リヴィング・エンドが登場する時間に合わせて来たんだけど、こんなに早く会場中に入れるとは思わなかったんだもん(爆笑〜!!!)。

【THE LIVING END】
 で、12時半過ぎに、私の最初のお目当てバンド、リヴィング・エンドがステージに登場。ステージ奥には彼らの使う楽器...ギター、ウッドベース、ドラム...の写真が飾られている。ヴォーカル&ギターのクリス・チェイニーが交通事故で重傷を負って以来、ニュースが途絶えてたけど、こうしてクリスの元気な姿を確認できるのは嬉しいものである。
2年前の千葉マリンでの『サマソニ』以来にクリスの姿をみたことになるが、心なしか顔が歪んだ気がするのは、「クリスが交通事故にあった」という知識がそのように見せてるだけなのか??? オープニング・ナンバーは“Roll On”。続いては“Revolution Regained”で、2年前の『サマソニ』でも披露したファンに馴染みのナンバーを演奏。ファンも盛り上がってる。クリスはTシャツ姿のラフな格好。ウッドベース奏者のスコット・オーウェンはサングラスをかけ、Yシャツにネクタイ姿。いつものように市松模様のウッドベースを弾いてる。“Revolution Regained”の演奏が終わると、クリスが「アリガト!」と日本語で観客に御礼を言う。ここで(おそらく)新曲が披露された。♪one way to other〜というサビの部分の歌詞が印象に残る曲だ。この曲が終わったるとクリスが水分補給して(笑)、“Prisoner Of Society”へ。この曲では、観客と掛け合いして歌わせようとする場面もあったが、2年のブランクのせいか?イマイチ盛り上がらなかった(苦笑)。この後、もう1曲(おそらく)新曲を披露すると、初めての『サマソニ』の時に新曲として披露されたことが思い出深い“Pictures In The Mirror”、そして“All Torn Down”をプレイ。さらに新曲と“Carry Me Home”を演ると、彼らはロカビリー・バンドらしいインストゥルメンタル曲を演奏し始める。スコットは市松模様のウッドベースの上に乗ってみせ、観客が沸く。盛り上がりが最高潮に達した頃合いを見計らうかのように、ここで“Second Solution”! この曲も人気曲なのでファンが沸く。ここで彼らの演奏は終わったんだけど、近日発売予定の新作へ期待を持たせる内容のライヴで、この日の演奏を観る限り、クリスには事故の後遺症は残ってないようだった。
【SET LIST】...'03.8.2 WTCオープンエアスタジアム
1.
Roll On
2. Revolution Regained
3. ?
4.
Prisoner Of Society
5. ?
6.
Pictures In The Mirror
7. All Torn Down
8. ?
9. Carry Me Home
10. ?
11.
Second Solution

 リヴィング・エンドの演奏が終わった後、暑いので一旦ステージを出て、隣のWTCのビルへと避難。冷房の効いたビルの中でしばらく涼んだ後、会場に戻ったら、ステージ上ではエレファント・カシマシの宮本浩次が『毒』を吐きまくってた。あまりの毒舌ぶりと濃ゆい芸風にただただ唖然...(苦笑)。

【BLONDIE】
 この日一番のお目当てが、ブロンディ。彼女たちの出演が無かったら、今年の『サマソニ』には行ってなかった...と断言できる。私が洋楽を聴き始めた1982年、人気絶頂にあって、武道館公演が決まってたのに、突如解散したブロンディ。当時の洋楽メディアは、ブロンディの突然の解散に大騒ぎしてたものだ。その後、後追いでブロンディの音楽に触れ、すっかり彼女たちの虜になってた私にとって、ブロンディのライヴが観れるというのは、ひとつの夢が叶うことに等しい。勿論、今の年老いたブロンディじゃなく、20ン年前の全盛期の彼女たちが観れればサイコー!なんだけど(苦笑)。隣のtakuyaさんは首に21年前に中止になったブロンディの大阪・フェスティバルホールのチケット(のカラーコピー...笑)をぶら下げている(笑)。このような年季の入ったファンばかりかと思ったら、意外に若い観客がステージ前のブロックにつめかけている。どうやら、次のグッド・シャーロットの出番を待つ「場所取り」してるパンク・キッズがかなり紛れ込んでる模様(苦笑)。
 ステージに現れたデボラ・ハリー率いるブロンディ。デボラ・ハリーは金髪の髪に一輪の花(造花?)を挿して登場。写真では誤魔化せても、ナマのデボラ・ハリーみるとやっぱり歳(今年で58!!!)は隠せず(苦笑)、シワが目立ってました。ステージでの動きもトロトロしてたし。オープニングからいきなり未発表曲(?)だったけど、次は『ブロンディ黄金期』の名曲で、私も大好きな“Dreaming”だったから、一気に興奮のるつぼへ。だけど、ドラムのフレーズがアルバム・ヴァージョンと違ってたので、サングラスして『NEW YORK CITY』とプリントされたTシャツ着てる太めの中年ドラマーを「コイツ、ホントにクレム・バークか?」と疑いの目で見てしまった。次も黄金期の名曲“Hanging On The Telephone”で、ファンは盛り上がる。次の曲は、ブロンディの代表曲の1つ“Call Me”。ただし、この曲がヒットした23年前と違い、デボラ・ハリーはすっかりハイ・トーンが出なくなってるので、キィを下げ、さらにはアレンジも大幅に変更しての演奏。今のデボラ・ハリーの歌う“Call Me”にはツラいモノがありますね(苦笑)。ま、このことは最結成後のライヴ・アルバム『ヴィヴィッド』聴いて予め分ってたことなんで、そんなにショック受けませんでしたが。で、老いて衰えを隠せないデボラ・ハリーの代わりに、ドラムのクレム・バークがドラム叩きまくるんですよ(笑)。まるで「デボラを観ずに、オレのドラムを観ろ!」と言わんばかりに(苦笑)。“Dreaming”の時に、「コイツはホントにクレム・バークか?」と疑ってたけど、この手数の多いドラミングは間違い無くクレム・バーク。サングラス外してくれたんで、顔もしっかり確認したし(笑)。クレムのドラミング観て、昔『ドラム&リズム・マガジン』で誰かが「ブロンディはホントはポップ・バンドなんだけど、クレム・バークのドラムがあるからロック・バンドになる」みたいな発言をしてたのを思い出した(笑)。で、この“Call Me”ン時には、デボラ・ハリーが♪call me〜!って歌う度に、しっかり腕を振り上げて♪call me〜!って返してあげました。「オレが言ってやらなきゃ、誰が言う?」(笑)
 ずっと『ブロンディ・クラシックス』ばかり演ってくれたほうが盛り上がったんだろうけど、彼女たちにも現役アーティストとしてのプライドがあるのか、近日発表予定の新曲も演奏。ま、実のところ、今のデボラ・ハリーの声に合わせて作られた新曲のほうが、聴き易いんだけどね。昔の曲だと声が出ないところがあったから(苦笑)。声は衰えても妖艶なデボラ・ハリー、MC入れる時、観客に向けて何度も投げキッス(苦笑)。再結成第1弾『ノー・イグジット』からのヒット曲“Maria”は、新世代のファンにウケてた。次の曲は“The Tide Is High”(邦題は“夢見るNo. 1”)。このレゲエ調の曲に合わせてファンが体を揺らして楽しんだ後、デボラ・ハリーがファンに向って「あなたたちはgood boysね」みたいなMCを入れる。『ひらけ!ポンキッキ』の“おふろのかぞえうた”みたいなバッキング・トラック(笑)の新曲の“Good Boys”へ。さらにもう1曲新曲(?)を演ったところで演奏されたラウドなギターのイントロは、“One Way Or Another”。ブロンディのギターといえば、デボラ・ハリーの元・恋人、クリス・ステインだけど、takuyaさんが言うには「クリス・ステイン、居ないね」(笑)。代わりに若いギタリストが2人居ました(笑)。20ン年前の写真しか手がかり無い私には、他のメンバーの見分けがつきません(苦笑)。キーボードのジェイムズ・デストリは居たけど、別にもう1人若いキーボード奏者が居て、「ジェイムズ・デストリは若いヤツに殆ど委せてた」(takuyaさん・談)よう(笑)。今のブロンディのオリジナル・メンバーは、デボラ・ハリー、クレム・バーク、ジェイムズ・デストリの3人だけかぁ...。
 “One Way Or Another”の後、クレム・バークが叩き始めたフレーズは、“Rapture”のイントロ。初めてラップが全米チャートでNo. 1になったことで『元祖ラップ』と言われるこの曲の後は、“Call Me”と『ブロンディの代表曲』の座を争う“Heart Of Glass”。この“Heart Of Glass”で大いに盛り上がったところで、ブロンディの演奏は終わり。デボラ・ハリーはステージから去る際、自分の髪に挿してた花(造花?)をペロペロなめて、唾液をたっぷり付けてから観客に投げ入れてった(苦笑)。
 こうして、私の長年の『夢』は見事に叶ったんだけど...何だか複雑な気分だ(苦笑)。 
【SET LIST】...'03.8.2 WTCオープンエアスタジアム
1. ?
2. Dreaming
3. Hanging On The Telephone
4. Call Me
5. ?
6. Maria
7. The Tide Is High
8. Good Boys (新曲)
9. ?
10. One Way Or Another
11. Rapture
12. Heart Of Glass

【GOOD CHARLOTTE】
 2ndアルバム『ヤング・アンド・ホープレス』の大ヒットにより、一躍人気者になったジョエルとベンジーの双子の兄弟率いるポップ・パンク・バンド、グッド・シャーロット。日本でのデビュー盤に当る『ヤング・アンド・ホープレス』の日本盤リリースが今年のアタマだというのに、今回の『サマソニ』ではこの位置での演奏。いかに彼らの人気が爆発的に盛り上がったか分かるだろう。「リヴィング・エンドとグッド・シャーロッドとSUM 41が目当てで来ました!」的パンク・キッズがどんどんステージ前へと押し寄せていく。takuyaさんと私はそこまで思い入れ無いし、後ろの方へ避難(笑)。ステージ奥にはグッド・シャーロットのロゴが描かれたバック・ドロップ(後幕)が垂らされている。
 アルバム『ヤング・アンド・ホープレス』のアタマと同じように、オルゴールのS.E.が流れ、ステージにグッド・シャーロットのメンバーが登場。“A New Beginning”からいきなりパンク・キッズが飛び跳ねているのが見える(笑)。“A New Beginning”からひと呼吸置いたのち“The Anthem”。曲が終わると、「オーサカ!」などとMC入れる双子。この後も双子は「コンニチワ! ゲンキ?」などと日本語喋ってました(笑)。ライヴのほうは、ヒット作『ヤング・アンド・ホープレス』の曲を中心に、たまに1stからの曲を織りまぜる形で進んでいき、耳馴染みな曲のオン・パレードに大喜びで盛り上がりまくるパンク・キッズたちへ、双子たちからひとこと。「マジ、サイコー!!!」(笑)。で、双子たちは、しつこいくらいに「オオサカ!」って口走ってた。「Osaka is favorite city」とか(苦笑)。最後にヒット曲の“Lifestyles Of The Rich & Famous”(邦題は“リッチ・アンド・フェイマス”)で爆発的に盛り上がったところで、グッド・シャーロットのステージはお終い。
 グッド・シャーロットの演奏が終わると、Tシャツが汗でグッショリなパンク・キッズが大量に移動。彼らの行き先はおそらく、SUM 41のライヴがある『SONIC STAGE』(笑)。
【SET LIST】...'03.8.2 WTCオープンエアスタジアム
. A New Beginning
1. The Anthem
2. The Story Of My Old Man
3. East Coast Anthem
4. Wondering
5. Little Things
6. My Bloody Valentine
7. Girls & Boys
8. Hold On
9. Movin' On
10. Riot Girl
11. Waldorfworldwide
12. Lifestyles Of The Rich & Famous

【STEREOPHONICS】
 グッド・シャーロット目当てのパンク・キッズが大量に移動して、空いたスペースが出来たので、takuyaさんと私はステージの前のほうに移動。ステレオフォニックスの出番を待つ。陽が傾いてきて、だいぶ過ごし易い。ステージ上には大きい絨毯が敷かれている。ドラムセットはツー・バスで、ドラムヘッドには『Stereophonics』のロゴと同じ字体でそれぞれに『Stuart』、『Cable』と書かれてる。前に私がステレオフォニックスのライヴを観たのは
2001年の『フジ・ロック』で、この時はスチュアート・ケイブルのドラムはワンバスで、ドラムヘッドには『よい一日に』(「have a nice day」ね)って書いてあって、微笑ましく感じたものだが、いつの間にかスチュワートはツーバスの使い手になったようだ。
 やがて、ステージ上に、ステレオフォニックスの御一行が登場。ケリー・ジョーンズ、リチャード・ジョーンズ、スチュアート・ケイブル...のステレオフォニックスの3人の他に、ギター、キーボード、女性バック・コーラスが2人居る大所帯。新作『ユー・ガッタ・ゴー・ゼア・トゥ・カム・バック』では、ブラック・クロウズっぽいサウンドにピックリしたものだけど、ライヴでのバンド編成もますます「ブラック・クロウズ」(苦笑)。
 角刈りに近い短髪がトレード・マークだったのに、髪をちょっと伸ばしてファンをビックリさせたケリーは、黄色のサングラスに皮ジャン姿。オープニング曲は新作からの“High As The Ceiling”。白人と黒人の女性バック・コーラスは簡単な打楽器(タンバリンなど)を鳴らしながら、コーラス入れる。で、ケリーの声がますます泥臭くクリス・ロビンソン化してるものだから、目をつむるとブラック・クロウズのライヴに来てるような錯覚を受けた。 2曲目に“Madam Helga”を演ると、ケリーは早速サングラス外して、皮ジャンを脱ぎ、赤いTシャツ姿に。サングラス姿のリチャード・ジョーンズは、刺青ムキ出しでベースを演奏し、スチュアート・ケイブルは、丸太のような太い腕で激しくドラムを叩いてた。
 “Nothing Precious At All”の後、ケリーが「“The Bartender And The Thief”」と曲紹介。この2ndアルバム収録の曲は、3人での演奏に慣れてるせいか、今回の大所帯バンドでの演奏で聴くと随分と違った感じに耳に響く。音がブ厚過ぎっつうか...(苦笑)。ライヴのほうは、発売されたばかりの新作中心のセットで、たまに過去3枚からの曲を織りまぜる感じで進んでいった。3rdからの“Mr. Writer”の後、ケリーが「1996年にリリースした1stシングルだ」という曲紹介があってプレイされたのは“Local Boy In The Photograph”で、昔からのファンの私は大喜びしてたけど、結局、1stアルバムからの曲はこれのみで、“A Thousand Trees”や“Traffic”、“Not Up To You”や“More Life In A Tramps Vest”のような「絶対セットから外れることはないだろう」と思ってた曲が演奏されなかったところに、歳月の流れと、ケリーたちの成長の両方を感じた。
 スチュアートや女性コ−ラス隊などがステージから退き、ケリーも椅子に座ってアコースティック・セットで演奏されたのが“Climbing The Wall”。この曲が終わると、打ち込みのドラム・トラックをバックに新作からの“I'm Alright (You Gotta Go There To Come Back)”。一旦ステージから退いてたスチュアートがステージに戻って来たところで、ケリーが「サンフランシスコのタクシー・ドライヴァーについての曲だ」と曲紹介。“Have A Nice Day”だ。この曲が終わると、「次の曲で最後だ。次はストロークスの演奏だ。みんな楽しんでいってくれ」みたいな感じのMC入れる。そういや、周囲はすっかりストロークス目当ての観客(女のコが多いのが特徴...笑)が多くなってるワ(苦笑)。新作のアタマを飾る“ Help Me (She's Out Of Her Mind)”。この曲の演奏が終わると、ローディーから先ほど脱ぎ捨てた上着を受け取って笑顔を見せたケリーは、ステージを去って行った。
 スチュアートの腕のように、すっかり筋力アップして、まったく別バンドになったステレオフォニックスに異論もあるかもしれないけど、ケリーのヴォーカル...あの声、ナマで聴くと実にイイ! 個人的には、この日観たなかではベスト・アクト! 昔の曲をもっと演ってくれればもっとよかったけど、ケリーはライヴの終わりに「来年1月に、また来る」と言ってたので、その時に期待しよう!
【SET LIST】...'03.8.2 WTCオープンエアスタジアム
1. High As The Ceiling
2. Madam Helga
3. Nothing Precious At All
4. The Bartender And The Thief
5. Since I Told You It's Over
6. Maybe Tomorrow
7. Mr. Writer
8. Local Boy In The Photograph
9. Climbing The Wall
10. I'm Alright (You Gotta Go There To Come Back)
11. Have A Nice Day
12. Help Me (She's Out Of Her Mind)

 で、ステレオフォニックスを観終わった後、腹ごしらえと休憩しに『INDOOR STAGE』と『SONIC STAGE』のあるINTEX OSAKAへ移動。ここの休憩エリアで休んだ後、レディオヘッドの演奏観に、元の会場に戻る。

【RADIOHEAD】
 終演後、すぐに会場を脱出してコスモスクエア駅へ行けるように、会場の出口あたりでレディオヘッドの登場を待っていたtakuyaさんと私。なにしろ、時間が遅くなると帰れなくなるんだから。ステージは遥か彼方で、ステージ両脇に用意されたスクリーンに頼らなければ、ステージ上の動きが一切分からないような位置だ。やがて、ステージにドム・ヨークらレディオヘッド御一行が登場。トム・ヨークは開口一番「コ〜〜〜ンバ〜〜〜ンワ〜〜〜」と、おもいっきし気が抜けるような日本語で挨拶(苦笑)。トムのミョーな日本語の挨拶で始まったレディオヘッドのライヴの1曲目は新作『ヘイル・トゥ・ザ・シーフ』からの“There There”。CD聴いてただけでは気が付かなかったけど、ライヴで聴くと実に土着的リズムをもつ曲で、ドラマーのフィル・セルウェイだけでなく、ギターやキーボードが本職のジョニー・グリーンウッドまでがパーカッション叩いてた。次も新作からの“2 + 2 = 5”。白いシャツ姿でギターを構えたトムが静かに歌い出した曲は“Lucky”。この曲が大好きなので、個人的にはうれしかったッス(笑)。この曲を終えると、声援送るファンに「ドーモ」と日本語で御礼を言うトム・ヨーク、次の曲を紹介する。喋った内容は聴き取れなかったが、ファンが歓声上げてた。ここで演奏されたのは、映画『ロミオ+ジュリエット』のサウンドトラックからの“Talk Show Host”。ギターを下ろし、マイクをスタンドから外して手に持ったトムが次に歌ったのは“Scatterbrain”。続く“The National Anthem”では、ここ最近のレディオヘッドのライヴでお馴染みになっているトムの奇妙な踊りが登場(笑)。ステージ上を縦横無尽に動き踊りまくるトム。マイクをスタンドに戻したトム、“I Might Be Wrong”では手にタンバリンもって熱唱。歌い終わるとまた「ドーモ、アリガト〜〜〜」と間延びした日本語で御礼言ってました(苦笑)。
 新作からの“The Gloaming”の後、ステージにピアノが持ち込まれ、トムがピアノに就く。“Sail To The Moon”だ。ステージ両脇のスクリーンには、曲に合わせて三日月が映し出されてる。夜空を見上げると、実物の三日月がそこにあった(苦笑)。曲が終わるとピアノは片付けられ、しばらくすると、鉄琴のような音色が場内に響き渡る。“No Surprises”のイントロだ。これにファンは大歓声。“No Surprises”の後、“Go To Sleep”と“Where I End And You Begin”...新作からの2曲がプレイされた。ギターを構えたトムが静かに歌い出したのは“Fake Plastic Trees”。この曲も大好きなので、聴けてうれしかった。っつうか、ここで初めて『ザ・ベンズ』からの曲が登場ですよ。『OKコンピューター』以降の曲しか演らないんじゃないか?...って思ってたくらいだもん。次の曲は“Paranoid Android”で、観客から大歓声が上がる。私はこの曲聴きながら踊ってました(笑)。そして、遂に出た! 『トムの踊りのテーマ』(爆笑〜!!!)“Idioteque”。この曲歌いながらまたトムはステージ上でくるくる踊ってました。“Idioteque”の次は、ライヴの終わりを告げる曲“Everything In Its Right Place”。この曲のエンディングで自動演奏させたままレディオヘッドのメンバーがひとりずつステージを去ってく...ってのが、
前回の来日公演であったけど、今回も自動演奏させたままメンバーがひとりずつステージを去っていった。で、takuyaさんも私も会場から去っていった(笑)。
 コスモスクエア駅に向って歩いていると、会場から歓声が聴こえる。アンコールがあるようだ。会場内のスクリーンが見渡せる場所に陣取って(場外からもスクリーンが見えるんだよ!...苦笑)ると、聴こえてきたのが“My Iron Lung”。この曲も好きなんだけど、場内で観たかった。“Sit Down. Stand Up”を演った後、「私モヨ、ソロソロ」などとトムが日本語喋ってるのが聴こえてきた。「thank you, very much」って観客に御礼を言い、さらに「コンバンワ〜〜〜」とまた日本語喋ってました(苦笑)。ここで“Street Spirit (Fade Out)”が演奏され、「この曲でライヴは終わりだ」と確信した私は、コスモスクエア駅へ急いだ。帰りの電車が気になるからだ。ホントはステ−ジ前のブロックでじっくりレディオヘッド観たかったけど、地方者の悲しさで電車の時間があるからじっくり観られない。もし、私がこの日、ステ−ジ前のブロックでじっくりレディオヘッド観てたらどうなってたか? 終演後、観客がコスモスクエア駅に殺到し、駅構内入場封鎖されちゃったらしい(苦笑)。当然、列車の時間に間に合わず、夜の大阪の街で「ホ−ムレス状態」だな(苦笑)。
【SET LIST】...'03.8.2 WTCオープンエアスタジアム
1. There There
2. 2 + 2 = 5
3. Lucky
4. Talk Show Host
5. Scatterbrain
6. The National Anthem
7. I Might Be Wrong
8. The Gloaming
9. Sail To The Moon
10. No Surprises
11. Go To Sleep
12. Where I End And You Begin
13. Fake Plastic Trees
14. Paranoid Android
15. Idioteque
16. Everything In Its Right Place

(encore)
1. My Iron Lung
2. Sit Down. Stand Up
3. Street Spirit (Fade Out)

Summer Sonic 2001 @ Chiba Marine Stadium & Makuhari Messe

Summer Sonic 2000 @ Osaka WTC Open Air Stadium

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