ヒロくんのLIVE REPORT '02 PART 23 SLEATER-KINNEY
(special guest : 少年ナイフ)

 6thアルバム『ワン・ビート』をリリースしたばかりの女性3人組インディー・パンク・ロック・バンド、スリーター・キニーの3年ぶりの来日公演を心斎橋クラブ・クアトロで観て来た。地元・大阪を代表するバンド、少年ナイフがゲスト演奏する豪華なオマケ付き。
 ライヴの2週間前にgetしたチケットの整理番号が109番だったことから分かるとおり、開場後のクアトロのフロアは閑散としてる。心斎橋クアトロでの私の定位置(ステージ向かって一番右端の最前列)で開演を待つ。開演予定時間の7時を過ぎてしばらくすると突然客電が落ちて、少年ナイフの登場を示すオープニングSEの“マンゴージュース〜ジョージ・ハリスンに捧ぐ”が流れる。ステージにいつもどおり揃いの衣装を着た3人...山野姉妹と、サポート・ドラマーの西浦“チャイナ”真奈さん...が登場。メンバーがスタンバったところで、チャイナさんがスティックでカウント取って演奏始まったオープニング曲は“Wild Life”。続く曲は“Flying Jelly Attack”。ドラムからベースに転向して2年余になる敦子さん、ベース弾く姿も随分板に付き、音もクリアになった印象。“Flying Jelly Attack”が終わると、直子さんがMC入れる。「今日はスリーター・キニーと一緒に演奏出来て嬉しいです」などと話したところで、次の曲の紹介。「“Hot Chocolate”〜!」 ライヴでは珍しい“Hot Chocolate”が演奏された。少なくとも私はライヴではこの曲初めてで、思わずニヤリ。“バナナチップス”を演奏したところで、チャイナさんのハイハット・シンバルがトラブって、シンバル調整のためちょっと間が開いた。ここで直子さんが話題をフッて場をつなぐ。「明日は何の日か、みなさん知ってますか?」 すると横から敦子さんが「明日は直子さんの誕生日です!」と答えを明かした。観客から「おめでとー」と声がかかるなか、ハイハットのシンバル調整中のチャイナさんが「あさっては何の日か知ってますか?」と観客に訊く。観客が「?」ななか、「直子さんの誕生日の次の日です」と答えを明かしたチャイナさん(笑)。ここで、直子さんが曲紹介。「ネコの鳴き声の歌ではないけど、“Nya Nya”です」 この“Nya Nya”が終わると、またまた直子さんが曲紹介。「今年新しいアルバム...『Heavy Songs』というアルバムを出したんですけど、その新しいアルバムから何曲か演ろうかと思うので聴いてください。最初は方向音痴の曲...私のことですね。“A Map Master”!!!」 いつもどおりの紹介で(笑)“A Map Master”。続いて“アーアーアー”が演奏されると、チャイナさんがファンには耳馴染みのリズムを叩き始める。“Golden Years Of Rock'n'roll”のイントロだ。この曲のイントロはドラムにベースが乗る感じで始まるんだけど、チャイナさんがリズム叩き続けてても、敦子さんは水飲んだりして休憩モードでなかなかベースを乗せてくれないので、延々と同じフレーズを叩き続けるハメになったチャイナさん。「あ、ゴメーン」ってな感じの笑いを浮かべ、ベース・フレーズを乗せ始めた敦子さん。ようやく“Golden Years Of Rock'n'roll”が始まった(笑)。『ロック讃歌』的なこの曲が終わると、直子さんがMC。「今はちょうどクリスマスですけど...。あっ! まだやった! 明日が誕生日で、1週間後がクリスマス...おめでたいことが続きます」ってな感じで上手くゴマかしたところで(苦笑)、「少年ナイフからクリスマス・ソングのプレゼント」と紹介されたのが、“Space Christmas”。だけど、またチャイナさんのハイハットが...(苦笑)。チャイナさんが懸命にハイハットを調整するなか「どうやらネジが固いようです」と観客に説明する直子さんに、「いや、(ネジが)緩いんです」と、チャイナさん(笑)。なんとかハイハットが直って“Space Christmas”を無事に演奏。続いて“Twist Barbie”をプレイすると、今度は直子さんのギター(エフェクタ関係?)が断線(苦笑)。「少年ナイフの今後の予定などを喋ってみたいと思います」と敦子さんがお喋りして場をつなぐ。「そろそろニューアルバムのレコーディングに取りかかりたいと思ってます。出来れば(来年)4月くらいには出したいなぁ〜と思ってますので...」などと喋った敦子さん。ホントに新作4月に出せるの?(笑)
 直子さんのギターが直って“BUTTERCUP”を演奏した後、今度のナイフのライヴ『WONDER WORLD TOUR』のお知らせがあった。最後に「“Riding On The Rocket”〜!!!」と紹介された“ロケットにのって”で大いに盛り上がったところで、少年ナイフの演奏は終了。ゲストにしては充分すぎるくらいの時間で中身の濃い演奏。チャイナさんのドラム演奏もいつもどおり凄まじかったけど...上には上が居たんだよねぇ、これが...。
 少年ナイフの演奏が終わり、ステージ上ではセットチェンジが行なわれる。ドラムセットのチェックしに、ジャネット・ワイス本人が登場。今回初めて間近でジャネットを見たけど、アメリカ女性にありがちな立派な体格してた。決してデブではないけど(苦笑)。
 いつの間にかフロアにまずまずの数の観客が集まってる。何の前触れもなく突然スリーター・キニーの3人が「hello!」、「コニチワ!」などと観客に声を掛けながらステージに登場。出産を経験し母親になったのに相変わらずロリロリなファッションしてるコリン・タッカー、いつもどおりボーイッシュにキメたキャリー・ブラウンスタイン、そして『ちびまる子ちゃんヘアー』した猛牛のような(笑)ジャネット・ワイス...3人がそれぞれ所定の位置に就いて演奏始めた曲は、新作の『ワン・ビート』からの“O
2”。前回の来日時には髪を赤く染めてたコリン、今回は金髪だ。ジャネットほど豊満じゃないけど、油断したらあっという間にデブりそうな危うい体型(苦笑)。一番スリムな体型してたキャリーは何度も脚を振り上げたりしてアクション多い。前回観た時は裸足だったジャネット、今回は靴履いてたようだ。で、今回も、コリンは『妹』、キャリーは『姉』、そしてジャネットは『母』...という3者3様のキャラクターの違いがハッキリ出てたような...(苦笑)。キャリーがヴォーカルの主導権握った“Oh!”の演奏が終わった後に演奏されたギターのイントロ聴いて、何の曲を演るか分かったファンが思わず歓声上げた。“Get Up”だ! 日本での彼女たちの知名度上昇に大きく寄与した傑作『ホット・ロック』からの曲。「ah〜 get up!」と盛り上がった後、新作からのパンチのあるナンバー“Far Away”へ。演奏が終わると、コリンがMC。「少年ナイフと一緒にプレイ出来て光栄です」、「また日本で演奏出来て嬉しいです」などと喋ってた。新作からの“The Remainder”を演ると、彼女たちの大出世作『ディグ・ミー・アウト』からの曲“Turn It On”。新作中心に演奏されてただけに、『ディグ・ミー・アウト』の曲が登場するとファンの盛り上り方が全然違う(苦笑)。
 ジャネットが叩き始めたリズムを聴いて、何の曲演るか分かって声を上げるファンが数名。新作のタイトル曲“One Beat”だ。この曲ではジャネットは「ah〜」などとバック・コーラス入れてたんだけど、3人の中ではジャネットの声が一番キレイだと思った(笑)。ドラム・リフが印象的な“One Beat”が終わると、前作『オール・ハンズ・オン・ザ・バッド・ワン』からの“You're No Rock N' Roll Fun”。この曲では大いに盛り上がった。会場につめかけてた観客は「you're no rock n' roll fun」って呼ばれることとは無縁のひとばかりだったようだ(笑)。次の曲は、キャリーがメイン・ヴォーカルの“Combat Rock”。今回のライヴ、
3年前に観た時と比べると、キャリーのヴォーカル・パートが多い(笑)。ま、コリンの金切り声ヴォーカル・スタイルでは喉への負担が大き過ぎるから、キャリーの歌う分を増やしてるんだろうけど、もっとコリンにガツン!とキメてもらいたい(笑)。
 『ホット・ロック』からの“The End Of You”は、スリーター・キニーの魅力『静と動の対比』がしっかり出た佳曲。この日のライヴの最大の見どころだったのが“Hollywood Ending”。曲の最後からそのままジャネットのドラムソロへ。このドラムソロのあまりの凄まじさに、驚きのあまり観客の間からため息が漏れてた。ステージの右裾では、タオル首に巻いてビール缶持ったチャイナさんがジャネットのプレイをじーっと見てた(笑)。ジャネットのプレイを研究中(笑)。このドラムソロから突然「words and guitar!」と“Words And Guitar”へなだれ込む。この意外な展開に驚きつつも人気曲の登場にファンは喜びで、「words and guitar!」と合唱。「last song〜」と非情な通告があったところで演奏された“Step Aside”が終わると、スリーター・キニーの3人はステージを去った。
 ファンの間からアンコール要求の手拍子が起こる。すぐにステージに戻って来てくれたキャリー、ジャネット、コリン。コリンから「リクエストがあった曲です」ってな紹介があって演奏された“Youth Decay”。ハードな“Youth Decay”で盛り上がるとそのままポップな“One More Hour”へ。ここまで2nd『CALL THE DOCTOR』からの曲が演奏されてなかったけど、ここでようやく“Call The Doctor”が演奏された。2ndの曲も聴きたかった私は狂喜し、コリンと一緒に「call the doctor! call the doctor!」と絶唱(笑)。“Call The Doctor”からそのままジャネットのドラム演奏にギターの2人が音乗っけるインプロっぽい展開へなだれ込む。ジャネットのドラム、やっぱり凄いッス。ステージ右裾では相変わらずチャイナさんが喰い入るようにジャネットのプレイ見てた(笑)。このインプロから突然、ファンなら誰もが知るギター・フレーズがかき鳴らされた。“Dig Me Out”だ! これにはファンは大喜び。最後の“Dig Me Out”で大いに盛り上がり、ライヴは終了。コリンとキャリーは手を差し伸べて多くのファンと握手し、ファンの差し出すプレゼントをいくつか受け取ってから(笑)ステージを去った。
 ダイヴする者こそ出なかったけど観客の反応は熱く、
前回観た『CLUB SNOOZER』のゲスト演奏でのライヴと比較ならないほどに大いに盛り上がった。にしても、ジャネットのドラム・プレイはホント、凄まじい...。ホント、凄いモノを見せてもらいました...。

【SET LIST】...'02.12.17 心斎橋CLUB QUATTRO
《少年ナイフ》
. (openning SE...“マンゴージュース〜ジョージ・ハリスンに捧ぐ”)
1. Wild Life
2. Flying Jelly Attack
3. Hot Chocolate
4. バナナチップス
5. Nya Nya
6. A Map Master
7. アーアーアー
8. Golden Years Of Rock'n'roll
9. Space Christmas
10. Twist Barbie
11. BUTTERCUP (I'M A SUPER GIRL)
12. オレンジの太陽
13. ロケットにのって

《SLEATER-KINNEY》
1. O
2
2. Oh!
3. Get Up
4. Far Away
5. The Remainder
6. Turn It On
7. Light-Rail Coyote
8. One Beat
9. You're No Rock N' Roll Fun
10. Combat Rock
11. The End Of You
12. Little Babies
13. Sympathy
14. Hollywood Ending
15. Words And Guitar
16. Step Aside

(encore)
1. Youth Decay
2. One More Hour
3. Call The Doctor
4. Dig Me Out

SLEATER-KINNEY live @ Nagoya Bottomline '99.6.26

SHONEN KNIFE live @ Naeba Ski Resort (FUJI ROCK FES.) '02.7.27

SHONEN KNIFE live @ Shinsaibashi Club Quattro '02.7.12

SHONEN KNIFE live @ Nagoya Fujigaoka Music Farm '01.12.24

SHONEN KNIFE live @ Shinsaibashi Club Quattro '01.7.12

SHONEN KNIFE live @ Shibuya Club Quattro '98.9.12

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