ヒロくんのLIVE REPORT '09 PART 4 OASIS

 オアシスの7枚目のアルバム『ディグ・アウト・ユア・ソウル』のリリースに伴うJAPAN TOUR '09を、3月28日に千葉の幕張メッセで観て来た。
 私のチケットのブロック指定はB-2(苦笑)。だだっ広いフロアは4分割され、ステージ前側半分のステージ向かって左側がA-1ブロック、右側がA-2ブロック。ステージから遠い側半分の左側がB-1ブロック、右側がB-2ブロック。実際にB-2ブロックに着くと、ステージが遠い、遠い。ステージ上の人物など豆粒程度にしかみえない。持ってる荷物を会場特設クロークに預けてしまうとライヴ後の荷物引き取りに手間取り帰りの電車に乗れなくなるリスクがある都合で、重い荷物をもったままライヴに臨んだのもよくなかった。時間が進むにつれ、カバンのヒモが肩に食い込み辛かった。そんな複雑な想いを抱きながらB-2ブロックの柵の前2列目くらいでライヴ開演を待ってると、開演予定時間の6時になり、オープニング・アクトのQUATTROがステージに登場。
先日のフィーダーのライヴでもオープニング・アクトを務めた日本の5人組。ヴォーカルのひとが「元気ですか?」と観客に挨拶し、演奏開始。観客の99.9%以上はオアシスを観に来ており、彼らの演奏を気にしてるひとは少ない。その割には曲を演る度に拍手が起こるなど観客の反応は好意的なものの、会場が大きいぶん、フィーダーの時よりも彼らに無関心なひとの(割合ではなく)実数ははるかに大きいワケで、日本のバンドでありながら、他所の国のような「完全アウェイ」の悲壮感が漂う(苦笑)。5曲演った後に前日にオアシスが出演した『Mステ』の話題をフった程度で、M.C.も控えめ。フィーダーの時よりも少なく、全6曲ほど(20分あまり)演奏。
 セット・チェンジが済み、実際にオアシスのライヴが始まったのは、6:50頃。客電が落ち、場内にいつもの“Fuckin' In The Bushes”が流れる。「ウワァ〜!!!」といった観客の歓声のなか、オアシスのメンバーがひとりずつステージに登場。肉眼では誰が誰だか判別はつきにくいが、ステージの脇にセットされた巨大モニターの映像で誰が出て来たかくらいは分かる。一番しんがりにステージに現れたリアムは、いつの間にか坊主頭(五分刈り)になってる。最初観た時、「清原か?」と思ったが、モミアゲも長いのでルパン三世みたい。メンバーがスタンバったところで演奏始まったオープニング・ナンバーは“Rock 'N' Roll Star”。初っ端から傑作のデビュー・アルバムのアタマを飾るこの曲が披露されたものだから、たまらない。ノエル兄貴がイントロのギター・フレーズをかき鳴らしただけで観客から大歓声が起こった。リアムがタンバリンを振りながら熱唱し、これに合わせて多くのファンが一緒に歌い出す。ステージ中央のマイク・スタンドでいつものように手を後ろに組んだ「応援団スタイル」で熱唱するリアムの右側にゲムとアンディ・ベル、左側にノエル兄貴が居て、(私の居場所からは死角になって見えなかったが、モニターに映った映像によると)ノエル兄貴の真後ろにいつもの髭モジャのキーボード・プレイヤー、ジェイが居るようだ。そして、ザック・スターキーに代わる新しいドラマー、元アイシクル・ワークスのクリス・シャーロックがリアムの背後でリズムを刻む。リアムもノエル兄貴もジャケット姿で、Tシャツ姿がアタリマエだった昔と比べ、随分と落ち着いた印象だ。曲が終わると、マイク・スタンドんところでタンバリンを口にくわえたまま仁王立ちするリアム(苦笑)。次に披露されたのは、最近の曲ながらすっかりオアシス・ファンの心をつかんでる“Lyla”。 この曲も、演奏が始まると同時に観客から大歓声が沸き上がり、多くのファンが一緒に歌った。曲が終わり、リアムが「thank you」とファンに向かって御礼を言うと、すかさずクリスがバスドラ連打を始める。オアシスにはこんなイントロの曲はこれしかない。“The Shock Of The Lightning”だ。映画『K-20』の主題歌としても使われてた、新作からの第1弾シングルはファンに充分浸透しており、これまた大いに沸いた。次はまたもや1stからの“Cigerattes & Alcohol”で、これまた多くのファンが曲に合わせて歌った。曲が終わった後、またもや「thank you」とファンに御礼を言うリアム。前作からの“The Meaning Of Soul”を披露すると、場内にシタールのイントロが流れる。新作の『ディグ・アウト・ユア・ソウル』のタイトルの元となる歌詞が登場するゲム・作詞/作曲の“To Be Where There's Life”。ステ−ジ奥にはモニター画面が4枚設置されており、そのモニターには曲のイメージに合ったサイケな画像が流れてた。曲が終わると、リアムが一旦ステージから引っ込む。ノエル兄貴のコーナーだ(苦笑)。ノエル兄貴がイロイロ準備をしてる間、ヒマを持て余したのか、クリスはドラム・スティックをクルクル廻してた(この時以外にも、クリスがスティック廻しをする場面が多数見受けられた。どうやらスティック廻しをするのが好きらしい)。ノエル兄貴のコーナーの1曲目は、新作からの“Waiting For The Rapture”で、ノドの調子が悪いのか、ノエル兄貴、あまり声が出ていない印象。続いて披露されたのは、“The Masterplan”! 私がこの曲をライヴで聴くのは初めて。新曲が続いてダレ始めてたけど、このサプライズに一気に元のテンションに戻ったよ(笑)。
 ノエル兄貴のコーナーが終わり、ステージに戻って来たリアム。「thank you」と観客に御礼を言う。ここで披露されたのは、“Songbird”。リアム・作詞/作曲のこの名曲の演奏が終わると、「アリガト」とリアムが日本語で御礼を言ったので、凄くビックリした。その後、「日本に初めて来たのは15年前だったな」みたいなことをリアムが言う。ここで披露されたのは、やはり15年前にリリースされたデビュー・アルバム収録の曲だった。しかも、私が大好きな“Slide Away”! 興奮のあまり、リアムの歌に合わせてこちらも歌う。周囲の観客も大きな声で歌ってる。しかし、隣に居る女のコが「アンタたちの下手な歌なんか聴いていられない」と言わんばかりに露骨に耳を塞いだものだから、一気にこちらの興奮も醒めた。歌うのも止めたよ(苦笑)。“Slide Away”を演った後、「thank you very much」とリアムが御礼を言う。次の曲は“Morning Glory”。この曲も一緒に歌おうとしたら、やっぱ隣の女のコが耳を塞ぐものだから、「彼女の迷惑になるから」と大声で歌うのを自粛し、小声で歌った(苦笑)。せっかくの“Morning Glory”なのに...。自分たちの歌を迷惑がって耳を塞いでるひとが居るという事実を知らない私の背後の男たちは、ず〜〜〜っと大声で歌い続けてた。正直、彼らが羨ましかった(苦笑)。“Morning Glory”のほうはエンディングでS.E.のヘリコプターのプロペラ音が突如フェイドアウトしする形で終わった。次は“Ain't Got Nothin'”。曲を演ると「thank you very much」と観客に御礼を言ってから一旦ステージを去ったリアム。ここで、再びノエル兄貴のコーナー。アコースティック・ギター(以下、アコギ)を構えたノエルが演奏し始めた曲は“Whatever”。この曲をライヴで聴くのは私は初めてだ。ノエル兄貴のアコギとゲムのハーモニカだけのシンプルな演奏。曲が終わると「thank you」と観客の御礼を言ったノエル兄貴、続けて「日本では誰もが知ってる曲なんだろ?」などと言う。TVのCMで幾度となく使われてる“Whatever”のことを言ってるのかと思ってたが、次に演奏された“The Importance Of Being Idle”のイントロが『水戸黄門』のテーマソング(“あゝ人生に涙あり”)に似てることについてのジョークだったらしい(苦笑)。通称“水戸黄門”(笑)をバンド演奏でプレイすると、またもや「thank you very much」と観客に御礼を言うノエル兄貴。
 ステージに戻って来たリアムが「“I'm Outta Time”」と曲紹介。リアム作の“ I'm Outta Time”だ。エンディングのジョン・レノンのインタヴューのS.E.は無し。曲が終わった後、ステージ前方の観客がザワついてる。リアムがタンバリンを観客に投げ入れたようだが、私の位置からはハッキリとは分からない。次の曲のイントロが演奏され始めた途端、会場内の観客がどっと沸く。“Wonderwall”だ。場内の多くのファンが大合唱に加わる。が、私は隣の女のコを意識し、大声では歌えなかった(苦笑)。曲が終わると、クリスが耳馴染みのドラム・リフを叩きはじめる。“Supersonic”だ。最後にこの曲を演って、場内またまた大合唱となったところで、一旦5人はステージを去った。
 場内のファンがアンコール要求の手拍子を続けてると、ステージに戻って来たノエル兄貴、ゲム、そしてジェイ。ノエル兄貴はアコギ、ゲムはエレキをそれぞれ構え、アコースティックなアレンジで“Don't Look Back In Anger”をプレイ。個人的にはこの曲のジョン・レノン“Imagen”ばりのピアノのイントロが無いのが残念だったが...。この曲ン時、ジェイはステージ上でちゃんとキーボードを弾いてたんだろうか?(苦笑) この曲でもファンが大合唱。私もこの曲だけは隣の女のコがいくら耳を塞ごうがお構いなしに大声で歌った。ステージ奥のスクリーンに、ファンたちが大合唱する様子が映し出されたのは実に感動的だった。リアム以外のメンバーもステージ上に揃い、“Falling Down”を演奏。この曲が終わると、トットットッとステージ中央に駆け寄って来たリアム、「“Champagne Supernova”」と曲紹介。これを聞いて会場内を埋めるファンから大きな歓声が沸き上がる。“Champagne Supernova”でも観客の合唱を誘い(私は自重...苦笑)、盛り上がったところで、ビートルズのカヴァーでありながらオアシスのナンバーとしてすっかりファンに浸透してる“I Am The Warlus”。曲のアウトロでは、リアムがやることもなく手持ちぶさたな感じでたたずむ。手にしていたマイクがいつの間にか無くなっているのをみて、周りの観客が「マイクまで(観客に)投げ入れちゃったの?」と騒いでた(苦笑)。最初にリアム、その後次々とメンバ−がステージを去っていき、この日のライヴは終わった。
 リアムとノエル兄貴の歌に合わせ思いっきり歌うカタルシスが、耳を塞ぐ隣の女のコへの配慮から得られず、私にとっては随分と消化不良のライヴとなってしまった。今年の『フジ・ロック』にオアシスが出演するけど、果たして私に再戦の機会はあるのだろうか?

【SET LIST】...'09.3.28 幕張メッセ
. intro (Fuckin' In The Bushes)
1. Rock 'N' Roll Star
2. Lyla
3. The Shock Of The Lightning
4. Cigerattes & Alcohol
5. The Meaning Of Soul
6. To Be Where There's Life
7. Waiting For The Rapture
8. The Masterplan
9. Songbird
10. Slide Away
11. Morning Glory
12. Ain't Got Nothin'
13. Whatever
14. The Importance Of Being Idle
15. I'm Outta Time
16. Wonderwall
17. Supersonic

(encore)
1. Don't Look Back In Anger
2. Falling Down
3. Champagne Supernova
4. I Am The Warlus

OASIS live @ Yoyogi Kyougijou Daiichi Taiikukan '05.11.20

OASIS live @ WTC Open Air Stadium (SUMMER SONIC '05) '05.8.13

OASIS live @ Yoyogi Kyougijou Daiichi Taiikukan '02.9.29

OASIS live @ Naeba Ski Resort (FUJI ROCK FES.) '01.7.27

OASIS live @ Yokohama Arena '00.3.5

OASIS live @ Budokan '98.2.20

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