ヒロくんのLIVE REPORT '09 PART 6 BONNIE PINK

 BONNIE PNK(以下、BONNIE)の10枚目のオリジナル・アルバム『ONE』に伴う全国ツアー『BONNIE PINK TOUR 2009“ONE”』を7月12日に金沢・Eight Hallで観て来た。
 前売りチケットが売れ残り、当日券が出てた割にはフロアはギッシリ観客で埋まってる。私はステージ前のステージ向かって右側で開演を待つ。開演予定時間の6時にバンド・メンバーが登場。いつものキーボード・プレイヤーの奥野真哉さんとベーシストがキーボードを弾き、演奏始めたエレクトロニカルなイントロは、“Rock You Til the Dawn”。このイントロに乗って、ステージにBONNIE登場。ヘア・スタイルは、赤い紐をからめた三つ編み(苦笑)。首には赤い紐をループ・タイふうに絡ませ、黒革のベストに白いスカート。足元も赤いブーツでキメてた。“Rock You〜”の間奏部ではBONNIEはキーボードをちょこっと弾いた。このキーボードはこの曲だけで「御役御免」で、曲が終わるとすぐにスタッフに撤去されてた。次の曲は牧歌的なイントロが印象的な“フューシャ フューシャ フューシャ”。この曲が終わるとBONNIEはギター(セミアコ?)を構え、インパクトのある曲“妄想LOVER”へ。勿論、主要パートはギターの八橋義幸さんが弾いてるが...(苦笑)。
 曲が終わり、ギターを交換するBONNIEにファンから「BONNIE〜!」と声援がとぶ。ここで、M.C.タイム。「金沢は2年振りになるのかな? また戻って来れて嬉しいです」などと金沢のファンに挨拶した後、新作『ONE』のタイトルに込められた意味(みんなひとつに)について語り、「私とバンド・メンバーと裏方さんと観客のみんながひとつになって...(ギュウギュウに観客が詰まったフロアをみて)ってもうひとつになってるみたいだけど(苦笑)、盛り上がっていきましょう!」と、BONNIE。「新しいアルバムからの曲をたくさん演っていきます。次はこの曲!」とBONNIEが言って始まったのは、赤髪時代を思わせる曲調の“Princess Incognito”。曲が終わり、BONNIEがギターを降ろす。ここで『ONE』のアタマを飾る“Won't Let You Go”。曲が終わると、BONNIEは紐の付いたカウベルをショルダーバッグのように左肩にかけた。ここで始まった曲は今までの曲と違ってダークな雰囲気の“Mint”。この曲ではカウベルを叩いてたBONNIE。カウベルもこの1曲のみで「御役御免」となった(苦笑)。BONNIEがエレクトリック・ピアノに就き、演奏したのは“One Last Time”。昔のBONNIEにはピアノのイメージが強かったけど、結果的に、この日のライヴでピアノを弾いたのはこの曲だけ。曲が終わると、BONNIEはピアノを離れ、スタッフがステージにイスを持ち込む。イスに座ったBONNIE、新作『ONE』について語った。いろんな場所に行っていろんなプロデューサーと仕事をして時間をかけて作った自信作のよう。「前からマーティン・テレフェの音造りに興味があり、それで彼と一緒に仕事をすることになったんだけど、音数をどんどん積み重ねるプロデュサーが多いなか、要らない音が極力削るのが彼の方針で、空間を活かした音造りが特徴。そういえば私も昔はこんなシンプルな音造りしてたなぁ...と気付かされました」などとマーティン・テレフェとの仕事について語った後、「彼と作った空間を活かした曲。C.M.で聴いたことがあるかも。“Try Me Out”」と曲紹介して始まった“Try Me Out”では、曲中にメンバー紹介があった。ステージ向かって左から(またもや...笑)八橋義幸さん(g.、cho.)、奥野さん(key.)、NanaN.ちゃん(perc. cho.)、鈴木正人さん(b.、key.)、白根賢一さん(ds.)の順に紹介。とうとう、アイゴンとアンソニーが居なくなった(苦笑)。ドラムの白根さんは私の位置からは完全に死角に入っていて、ライヴ開始から終了まで、一度もその姿を見ることはなかった(苦笑)。メンバー紹介を盛り込んだ“Try Me Out”が終わると、イスは一旦撤去された。
 ダンス・ミュージック好きのBONNIEらしさが出た“PLAY & PAUSE”を演ると、タンバリンを持ったBONNIE。ここで披露された曲は、夏っぽいサウンドの“秘密”で、タンバリンを振りながらこの歌ったBONNIE。曲が終わると、タンバリンはやっぱりこの1曲だけで「御役御免」。ここでBONNIEはアコースティック・ギター(以下、アコギ)を持ってイスに座り、「曲の完成型はみんな聴いて知ってるけど、曲が初めて出来た時にはこんな感じです。聴いて『面白い!』と思ったり、興味深いと感じてくれれば嬉しいです」などと前置きし、BONNIEひとりのアコギ弾き語りで“Anything For You”を披露した。静かなアコギ弾き語りが終わると、一旦ステージから退いてたバンド・メンバーたち(NanaN.ちゃんはパーカッションとこに座ってBONNIEの弾き語りを聴いてたケド...苦笑)がステージに戻って来た。BONNIEが突如、観客に「私も他人の曲を歌っていい?」と訊いてきた。観客がイイともダメとも答える間も与えず(苦笑)「私の大好きなマイケル、突然逝っちゃったの。だけど彼はたくさん素晴らしい曲を残してくれた」などと言い、先日急逝したばかりのマイケル・ジャクソンの“Black Or White”を歌い始めたBONNIE。“Black Or White”をワン・コーラス歌ったところで曲のテンポが速くなり、“Billie Jean”に。マイケルの曲をメドレー方式で歌ってくようだ。演奏してる八橋さんも鈴木さんもどこか楽しそう。“Billie Jean”からは“Rock With You”になだれ込み、元の“Black Or White”に戻る。エンディングでBONNIEは♪ウッ!〜バッド!〜...などと繰り返してたから、“Bad”も演ったことになるだろうか(苦笑)。ファンの誰もが予期しない(?)突然のマイケル・ジャクソン・メドレーの余韻が醒めやらぬうちに、何の前触れもなくBONNIEの最大のヒット曲“A Perfect Sky”が登場。今やBONNIEの代表曲といえる“A Perfect Sky”だけに、もっとヤマ場でこの曲を出してくると思ってた。この曲が出た時の観客の反応も凄いと思ってたんだけど、ファンの反応は意外にも大人しい。この曲が大ヒットしたのは3年前だし、今となっては昔話なんだろうか? “A Perfect Sky”の次は、これまた何の前触れも無く、マーティン・テレフェと作ったスッキリとしたサウンドのシングル曲“Joy”。この曲が終わると、ファンから「BONNIE〜!」と声がかかる。これに「ハイ〜♪」と応えてから、「あ、返事しちゃった」とうろたえるBONNIE(笑)。観客の居るフロアを見渡し、改めて気付いたのか「よく見たらみんなギチギチじゃん。私だけ(ステージ上で)こんなに空間を独占して悪いね」などとBONNIEが言うものだから、不満を覚えた(?)観客から「(場所を私と)交代してみる?」と声がかかったが、BONNIEの耳には届かなかったようだ(苦笑)。演奏したばかりの“Joy”について、「この曲とカップリングの曲(“Happy Ending”)、両A面で、どっちの曲をメインにしようか迷った」、「『こういうこと、あるある』と共鳴を得られるような歌詞を書いてみた」などと“Joy”の制作裏話をし、「『この曲で初めてBONNIEの曲を聴きました』という手紙をファンからたくさんもらいました。この曲が好きでこの会場にきてくれたってひとは、過去のアルバムに遡って聴いてくれたっていいし、これからもいろんな種類の曲を書くので聴いてみてください」などとM.C.すると、新作の(ボーナス・トラックを除く)最後の曲“Get on the Bus”に触れ、「今日、バスに乗って来たひと」と観客に挙手させるBONNIE。高速バス使って金沢に来てた私は当然、挙手(笑)。「人生急いでばかりじゃなくて、バスのようにゆっくり行くのも悪くはないよ」という意味を込めたという“Get on the Bus”をギターを弾きながら歌ったBONNIE。
 シングル曲の“鐘を鳴らして”を演った後、BONNIEが「次の曲が最後になってしまいました〜」と言う。当然観客からは「エエ〜〜〜ッ!」とブーイングの声。「時間が経つのは早いんだよ。だって、もう7月だよ」などと言うBONNIEに場内が笑いに包まれる。「昔ってもっと時間が経つのがゆっくりしてなかった? オバサンになっていくワケだ...」とボヤいてみせたBONNIEが、ギターを構えて披露した最後の曲は“Happy Ending”。曲の途中には「(アルバムタイトルどおり)みんなでひとつになりたいな〜」などと言い、観客を男性陣と女性陣に分けて♪ねぇ〜信じて〜ごらん〜happy ending〜...の合唱をさせたBONNIE。男性陣は簡単な主旋律、女性陣はコーラス・パート担当で、何度も練習を重ね、BONNIEにダメ出しを喰らい何度もやり直し、ようやく「ひとつになれた」。会場全体がBONNIEの希望どおりひとつになったところで、一旦BONNIEたちはステージを去った。
 ファンのアンコール要求の手拍子に応え、BONNIEはそのまんまの格好で、バンド・メンバーはツアーTシャツに着替えてステージに再登場。BONNIEの描いたキャラクター『ボニーピッグ』のトラベルセット、アルバムタイトルに引っ掛けて(「空もひとつしかないよね」ってことで)星空をイメージしたTシャツなどグッズを宣伝した後、
『金沢21世紀美術館』の『スイミング・プール』で写真を撮って来た話や、『石川テレビ』のマスコット・キャラクターの『石川さん』のグッズ・ネタなど地元ファンにウケる話をしたBONNIE、「新しい曲ばかりじゃなくて、懐かしい曲も演ってみよう」ってことで、“かなわないこと”を披露。この曲の途中には改めてバンド・メンバーを紹介。次の“Heaven's Kitchen”は、いつものドラムから始まるヴァージョンではなく、キーボードで静かに曲が始まったので意表を突かれた。♪heaven's kitchen〜のリフレインで観客が腕を振り上げ、盛り上がるのはいつものBONNIEのライヴどおり。BONNIEが観客に♪タン、タン、タタタン〜と手拍子させ、そのリズムに乗せて曲が始まった“Tonight, the Night”では、曲中、BONNIEが「私のやったとおりにマネして(手拍子して)みせて」と指示があり、BONNIEの手拍子に合わせ、観客といろんなリズムの手拍子の掛け合いをした。「これやってると自分が偉くなったような気がする。この気分をバンド・メンバーにも味わわせたい」などと言い出したBONNIE、NanaN.ちゃんを指名し、NanaN.ちゃんと観客にリズムの掛け合いをやらせた。こうして十分に観客と触れ合い、この日のライヴは終わった。
 新作からの曲はクレイグ・デイヴィッドとのデュエット“Fed Up”以外全曲演奏。いくら新作のツアーと言っても、前のアルバムまでの曲があまりに少な過ぎて、不満だった。

【SET LIST】...'09.7.12 金沢・Eight Hall
1. Rock You Til the Dawn
2. フューシャ フューシャ フューシャ
3. 妄想LOVER
4. Princess Incognito
5. Won't Let You Go
6. Mint
7. One Last Time
8. Try Me Out
9. PLAY & PAUSE
10. 秘密
11. Anything For You
12. Michael Jackson Medley (“Black Or White”〜“Billie Jean”〜“Rock With You”〜“Black Or White”〜“Bad”)
13. A Perfect Sky
14. Joy
15. Get on the Bus
16. 鐘を鳴らして
17. Happy Ending

(encore)
1. かなわないこと
2. Heaven's Kitchen
3. Tonight, the Night

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