『FUJI ROCK FESTIVAL
'10』は、私にとって40代になって初めてとなる『フジ・ロック』(苦笑)。家庭の事情により(苦笑)今回も1日のみ参加で、どの日に参加するかは、観たいアーティストの出演度合いからアッサリと初日の7月30日に決まった。ジョン・フォガティーやアトムズ・フォー・ピースも観たかったケド...。ここ近年に無く早期に梅雨明けした今年、久しぶりに雨の無い『フジ・ロック』を体験出来るぞ!...と、期待してたものの、梅雨明けが早過ぎたのが災いし、苗場スキー場に到着した7月29日午後10時の苗場スキー場の天気は、雨だった(苦笑)。流石、デイヴ・グロールが出演する『フジ・ロック』(苦笑)。この日はキャンプサイトでテント泊。真夜中に激しい雨がテントを叩いてた。
翌7月30日、『フジ・ロック』初日は朝から青空が覗く良い天気。9時の開場後早々に開場入りし『GREEN
STAGE』北側のアーティスト・グッズ売り場で順番待ちの列に並んでた時には真夏の陽射しが容赦なくこちらを照りつけてたが、『GREEN
STAGE』開演前にはもう、雲行きがアヤしくなって来た...。10時50分頃になると『GREEN
STAGE』前ではオアシスの“Live
Forever”が流れ始め、ステージ前に集まった『フジ・ロッカーズ』のテンションを上げる。次に、『フジ・ロック』のテーマ曲である忌野清志郎の“田舎へ行こう”が流れると、とうとう雨がパラパラと降り出した。もっとも、この雨、すぐに止んだが。『フジ・ロック』のアンセムが流れ終わったタイミングを見計らっていつもの2人のM.C.がステージに登場し、『GREEN
STAGE』のトップ・バッター、Superflyを紹介。
【Superfly】...GREEN
STAGE
ステージにバック・バンドの6人が登場し、それぞれの持ち場に就くと、紫色を基調とする、ヒラヒラとチョウのようなサイケな衣裳を着たSuperflyこと越智志帆が登場。「yeah〜!
FUJI
ROCK!」などと叫んで観客を煽ってから歌い始めた1曲目は“Alright!!”。ステージ真ン前に陣取ったファンたちはさっそく♪na〜nananananana〜と合唱。バック・バンドは、彼女の両脇にギタリストが2人、ステージ後方に(向かって左から)ベース、ドラム、キーボード、女性コーラスが居る、総勢6人編成。志帆はステージの端から端まで歩き廻りながら熱唱。曲が終わると、また志帆が「yeah〜!
FUJI
ROCK!」などと叫ぶと、“恋する瞳は美しい”へ。この曲では、歌に合わせて観客が手を横に振った。続くは、“How
Do I
Survive?”。「行くぞ、フジ・ロック!」と勇ましく観客を煽ったのはイイけど、歌詞をド忘れし、バツが悪かったのか、曲が終わると「ありがと」と観客に御礼を言った志帆(苦笑)。ここでアコースティック・ギターを構え、“愛をこめて花束を”披露。この曲1曲だけでギターを下ろすと、「改めましてこんにちは、Superflyです」とM.C.タイムへ。「フジロック初出場でトップバッターやらせてもらえて光栄です。『GREEN
STAGE』は景色がいいと聞いてたんだけど...ホントにグリーンですね」などと語り、現在レコーディング中で、新作(e.p.)を9月1日にリリースすることに触れて「新曲もやるので、楽しんでいって下さい」などと喋ると、「荒野に咲く花のように強くありたい...“Wildflower”」などと曲紹介し、新曲の“Wildflower”を披露。この曲が終わると、「カヴァーを歌いたいと思います。知ってるひとは一緒に歌って下さい。“Natural
Woman”」と曲紹介し、キャロル・キングの名曲を熱演。“愛をこめて〜”からはどちらかというと聴かせるタイプの曲が続いてたけど、ここで「盛り上がってるかーーー!」と観客を煽り、ロック・モードにギア・チェンジし、“マニフェスト”を演った。次に新曲を演ると、「みんな〜、盛り上がってるか〜〜〜 “タマシイレボリューション”!」と曲紹介し、NHKのサッカーワールドカップ中継テーマ曲“タマシイレボリューション”を披露。次がこの日最後の曲となる旨を告げた後、志帆が「みんなで踊りましょう」などとM.C.して始まったのは“Dancing
On The
Fire”。この曲を歌い切ると「みんな最後まで楽しんでね」とか「フジロック、サイコー!」とフジ・ロッカーズに声をかけ、最後に「いっしょにジャンプしよう」と声をかけ、曲の最後のキメの部分で観客と一緒に揃ってジャンプした。こうしてSuperflyの50分間10曲のパフォーマンスは終了。今、日本の音楽シーンで最も勢いのあるアーティストのひとりであるSuperfly。その勢いをそのまま持ち込んだパフォーマンスだった。
【SET
LIST】...'10.7.30 苗場スキー場
1. Alright!!
2. 恋する瞳は美しい
3. How Do I Survive?
4. 愛をこめて花束
5. Wildflower (新曲)
6. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman
7. マニフェスト
8. Free Planet (新曲)
9. タマシイレボリューション
10. Dancing On The Fire
【ASH】...GREEN
STAGE
前回出演した2007年の『フジ・ロック』で、『WHITE
STAGE』の最多観客数の記録を樹立したアッシュ。今回の出番は『GREEN
STAGE』の真っ昼間の12:40から。ステージ奥には、最新作『A-Z』のジャケット・デザイン(ただし、「Vol.1」とかの記載はナシ)のバックドロップがぶら下がってる。ほぼ定刻きっかりに、アッシュの3人がステージに登場。今回はサポート・ギタリストとしてブロック・パーティーのラッセル・リサックを加えての4人編成だ。スタンバったところで、ティム・ウィーラーが開口一番日本語で「ガンバッテ!」と観客に声を掛けたみたいだったけど、よく聴き取れなかった。オープニング曲は映画『普通じゃない』に提供した“A
Life Less
Ordinary”。ティムは、ミスフィッツのメンバーのようなオドロオドロしい顔がプリントされた黒いTシャツを着て、右腕の袖からは刺青を覗かせてる。ティムの左隣に居るマーク・ハミルトンは、今年の『フジ・ロック』の黒いオフィシャルTシャツを着てベースを弾いてる。ドラム・キットでビートを叩き出すリック・マックマーレイは、脱退したシャーロット・ハザレイがかつて担当してたバック・ヴォーカルを(この曲以降も)頑張る。曲が終わると、ティムが「“Goldfinger”」と曲紹介。デビュー・アルバムのこの曲を演り終わると、ギターを交換したティム。ローディーから新しいギターを受け取った勢いそのままにすぐさまイントロを弾きはじめると、ファンから歓声が上がる。名盤『フリー・オール・エンジェルズ』からの“Shining
Light”で、ファンは飛び跳ねたりして大いに盛り上がった。新作『A-Z
Vol.1』からの“Joy Kicks Darkness”を演ったところで、「thank
you〜!」と観客に御礼を言ったティム、続けて「オハヨーサン!」と日本語で御挨拶。あのお、もう12時廻ってるんですけどぉ...(苦笑)。ここでティムが「“Orpheus”」と曲紹介するとファンからまた歓声が上がった。曲の歌い出しの部分♪that
summer I did
nothing〜を観客に歌わせたティム。アッシュ・ファンにとってこれは殆ど「お約束」だから、ファンはしっかり歌って返した。勿論、サビの部分の♪sunshine
in the
morning〜ではファンは大合唱となった。このファンの合唱に対してか、曲を演り終えると「OK!」とファンに声を掛けたティム、「“Kung
Fu”」と曲紹介。昔のような、カンフー映画からのオープニングS.E.はなく、シンプルに演奏が始まった。曲の途中で、ティムは観客と「oh〜!」、「oh〜!」や「yeah〜!」、「yeah〜!」と掛け合い。次に「“Arcadia”」とティムが曲紹介したが、リック(もしくはスタッフ)が間違って“Return
Of White
Rabbit”のイントロを流してしまい、“Arcadia”のそれに慌てて切り替える小さなトラブルもあった。次の曲は、ティムのギターとヴォーカルのみでシンプルに始まり、それを聴いたファンから歓声が起こる。“Girl
From Mars”だ。♪girl from
mars〜の部分を観客に歌わせたところで、マークもリックもラッセルも演奏に加わった。曲が半分以上進んで終盤の聴かせどころの♪I
still love
you〜のところでティムが唐突に歌を止める。ほんの少しの静寂の後、ファンが歓声を送り始め、このファンの反応に満足したのか、♪I
still love you〜the girl from
Mars〜と、ようやく続きを歌ったティム(苦笑)。ティムの聴かせる歌で盛り上がった“Girl
From Mars”が終わると、「“Return Of White
Rabbit”」とティムが曲紹介。今度は間違えることなく、きちんと“Return
Of White
Rabbit”のイントロが流れた(苦笑)。「今日最後の曲だ」などと英語でティムが言ったところで披露された今日最後の曲は、“Burn
Baby
Burn”。この曲でも中間部のいつもの部分で観客に歌わせた。この曲が終わると、ティム、ラッセル、マーク、リックが一列に並んで肩を組み、観客に御辞儀。こうしてアッシュの3人(+1人)はステージを去った。日本のファンのことを歌った“Kamakura”や“Ichiban”がプレイされることを期待してたけど、彼らにはもっと優先順位の高い名曲がたくさんあるから、これらの曲を演らないのもしょうがないね。ティムが目立つのは勿論のこと、アクションが激しいマーク、バック・コーラスで魅せたリックに比べ、ラッセルが目立たないのは正式メンバーでない以上は仕方がない話だけど、それなりにギター・ソロを弾かせてもらえるなど、見せ場は作ってもらえてた。この編成のアッシュはあとどれくら続くのだろうか?
【SET
LIST】...'10.7.30 苗場スキー場
1. A Life Less Ordinary
2. Goldfinger
3. Shining Light
4. Joy Kicks Darkness
5. Orpheus
6. Kung Fu
7. Arcadia
8. Girl From Mars
9. Return Of White Rabbit
10. Burn Baby Burn
アッシュの演奏を観た後、一旦キャンプサイトのテントに戻った私。次に私が観たのは、16:40から『RED MARQUEE』で始まったブロークン・ベルスのパフォーマンス。
【BROKEN
BELLS】...RED MARQUEE
『RED
MARQUEE』は夜間はオールナイト・イヴェントが行われる場所で、屋根と柱はあるけど、壁が無い「半屋内」のような建物。ステージ前方に集まった観客は、異様なほど外国人の割合が多い。私はステージ前3列目くらいで観戦。ザ・シンズのフロントマンであるジェイムズ・マーサーと、BECKのアルバム『モダン・ギルト』などのプロデュースを手掛けオルタナ・シーンで名を馳せるデンジャー・マウスことブライアン・バートンの2人によるユニットであるブロークン・ベルズ。メンバーが2人しか居ないのに、ステージに現れたのは総勢7名の大所帯(苦笑)。それぞれ持ち場に就き、演奏を始める。ステージ前列ほぼ中央に、ヴォーカル&ギターのジェイムズ、その右横のキーボードにはデンジャー・マウス...ブロークン・ベルズの核となる2人が居て、そのまた右にはギタリストが2人、ジェイムズの左横にはベース(&キーボード)。そのベーシストの後ろにはキーボード、その右隣にはドラム...という位置関係。途中、デンジャー・マウスがキーボードを離れ、ドラムに移動。ドラムを叩き始める。追い出された形となったドラマーは、ドラムの右隣にあるシンセ・ドラムが置いてある台に移動。このドラマー氏、この後も殆どの曲でデンジャー・マウスがドラムを叩くものだから、デンジャー・マウスが他の楽器に移動した時くらいしかドラムを叩かせてもらえないのだった。カワイソ〜〜〜。デンジャー・マウスがドラムを叩き始めると、この日1曲目の“October”へ。歌い終わると「Thank
you! アリガト!」と観客に御礼を言うジェイムズ。次の“Your Head Is On
Fire”はベースの出番が無い曲で、ベースのひとは手持ち無沙汰なのかシャカシャカを振ってた(苦笑)。曲が終わり、拍手を送る観客たちに「Thank
you very much」と御礼を言うジェイムス。次の“The Ghost
Inside”ではキーボードのひとがラッパを吹いたりしてた。この曲の後、暫しチューニング・タイムとなる。ここまでひたすらドラムを叩いてたデンジャー・マウスは続く“Trap
Door”ではギター、その次の“Citizen”ではキーボードを演奏。“Citizen”では2人居るギターのうちの1人が女のひとみたいな美しいバック・コーラスを聴かせてくれたものだから、「もしかして、このギターのひとは女性?」と思ってしまった。が、髭剃りの跡が青々とした顔してるので、間違いなく男性だろう(苦笑)。曲と曲の合間の静寂に、『RED
MARQUEE』の天井を激しく打つ雨音が...。ふと、『RED
MARQUEE』の内側から外を見遣ると、屋根から滝のように雨水が流れてるのがみえる(汗)。外は、もの凄い土砂降りだぁ〜〜〜!!! デンジャー・マウスがドラムに戻ると、アルバム『ブロークン・ベルズ』のオープニングを飾る“The
High
Road”へ。この曲のイントロが演奏されると外国人を中心に(苦笑)もの凄い盛り上がりとなった。そのままアルバムどおりの流れで、“Vaporize”を演ると、ブロークン・ベルズの核の2人以外は一旦ステージを去る。ジェイムズはアコースティック・ギターを構え、デンジャー・マウスがキーボードに就き、2人で(おそらくカヴァー)曲を演奏始める。曲の半分くらいまではこの2人での演奏だったけど、曲が進むとバンド・メンバーがステージに次々と戻って来て、キーボードのひとがラッパを吹くなど、それぞれが音を足してた。ジェイムズがギターをエレキに持ち替え、デンジャー・マウスがまたドラムに戻り“Mongrel
Heart”を演ると、そのままつづけて“The Mall &
Misery”へ。この曲ではデンジャー・マウスはギターを弾いた。ドラムのひともドラムを叩けてうれしそう(苦笑)。この“The
Mall &
Misery”から引き続き別の曲になだれこみ(もしかしたら、単なるアウトロ?)、デンジャー・マウスはライヴ開始時同様キーボードに戻る。曲の演奏が終わり、ジェイムズとデンジャー・マウスの核の2人がステージを去っても残りのメンバーだけでしばらく演奏を続けてから、ブロークン・ベルズの演奏は終了。アルバムを聴く限りではどのようなライヴになるか全く想像が付かなかったけど、まさかこんなに大所帯で完全再現してくれるとは思わなかった(苦笑)。途中ジェイムズが「有名なマウント・フジに来れて嬉しい」などと喋ってたけど、ここから富士山は遠いよ...(苦笑)。
【SET
LIST】...'10.7.30 苗場スキー場
. Intro
1. October
2. Your Head Is On Fire
3. The Ghost Inside
4. Trap Door
5. Citizen
6. The High Road
7. Vaporize
8. Insane Lullaby (Dark Night Of The Soulのカヴァー)
9. Mongrel Heart
10. The Mall & Misery
11. ?
雨は一時のようなバケツをひっくり返したような激しさはなくなったものの、ずっと降り続いてる...。ブロークン・ベルズの後はTHE XXのライヴを観る予定だったけど、同じ『RED MARQUEE』でのライヴなので、この雨のなか移動をせずに済むのはありがたかった。THE XXの次は『GREEN STAGE』でゼム・クルックド・ヴァルチャーズのライヴを観る予定になってた私、「それまでに雨、止んでくれよぉ〜...」ってな感じで居た。セット・チェンジの間、『OASIS』エリアに行って腹ごしらえしてくるつもりだったけど、この雨のためTHE XXが終わるまで穴籠りしてようか...と一旦諦めた。が、雨の降りが弱まったのを見計らい『OASIS』エリアに行って越後もち豚串喰って来た(笑)。『RED MARQUEE』には雨宿り目的のひとも多いみたいで雑然としてる。THE XXのギグが終わるのと同時にゼム・クルックド・ヴァルチャーズが始まるタイム・テーブルになってたため、私はライヴ終了後すぐに『GREEN STAGE』へ移動出来るように、『RED MARQUEE』のフロア中ほどで開演を待つ。開演予定時間の18:20より少し早く、THE XXの3人がステージに現れた。
【THE
XX】...RED MARQUEE
デビュー作『XX』をとても気に入った私は、今年5月14日の1日限りの来日公演を是非とも観たかった。が、同日行われるエイジアのライヴのチケットを先に取ってたため、残念ながら諦めた。それほど観たかった彼らのライヴを観る機会がこんなにも早く訪れるとは、ラッキー! ステージ奥には、黒地に白字の「X」(アルバム『XX』のアートワーク)が描かれたバックドロップが吊るされ、ステージ中央に設置されたジェイミー・スミスがビーツを打ち鳴らす黒い台にも白字で「XX」が描かれてる。ヴォーカル兼ギターのロミー・マドリー・クロフトとジェイミーはすぐにスタンバって音を出し始めたが、ヴォーカル兼ベースのオリヴァー・シムは『XX印』の黒い台を挟んでジェイミーと向き合う形になり、シンバルなどを叩いてる。このようにしてライヴ導入のようなイントロを演奏してから、オリヴァーもベースを構える。ロミーが奏で始めたギターの旋律は、アルバム『XX』のアタマを飾る“Intro”。これを聴いてファンが「オオ〜ッ!」ってな感じでどよめく。“Intro”を演り終えると、オリヴァーが「コンニチワ」と日本語で挨拶し、“Crystalized”へ。ジェイミーの『XX印』の黒い台の右にロミー、左にオリヴァーが位置し、みんな黒を基調とした服を着てる。ロミーとオリヴァーのツイン・ヴォーカルによる掛け合いも、CDで聴けるとおりの妖しさがあり、ヴィジュアル的にもサウンド的にも、暗黒だ(苦笑)。彼らを語る際によく言われてることだけど、とてもハタチそこそこのメンバーが出せるような雰囲気のサウンドではない! “Islands”、そして“Heart
Skipped A
Beat”と、男女ツイン・ヴォーカルの妙が堪能出来る曲が粛々と披露されていく。“Heart
Skipped A
Beat”の後、オリヴァーがベースを降ろし、マイクスタンドを斜めに傾けながら歌い始めたのは、大ヒット映画『告白』でも使用されてた曲“Fantasy”。CDで聴けるヴァージョンでは殆ど歌詞が聴こえないモヤモヤとした歌だけど、ライヴではしっかりとヴォーカルが聴こえた。この曲ではロミーも歌ってる!...ということが分かったのは、ライヴならではの新たな発見(苦笑)。オリヴァーがベースを構え、ロミーのヴォーカルで始まる“Shelter”へ。この曲が終わると、拍手を送る観客たちに、オリヴァーが日本語で「アリガト」と御礼を言った。ジェイミーがイントロの音を鳴らしただけでファンから歓声が上がった“VCR”を演ると、「次に演るのはカヴァー曲」などとオリヴァーから紹介があり、Kylaのカヴァー曲だという“Do
You
Mind”を演奏。曲を演り終え、オリヴァーがまた日本語で「アリガト」と御礼を言ってから、ジェイミーが鳴らし始めたリズムは“Basic
Space”。曲が終わると観客にまた御礼を言ったオリヴァー。このように、観客に御礼を言うのはオリヴァーの仕事で、(ジェイミーはともかく)もう1人のフロントマン(フロントウーマン?)のロミーが御礼を言うことは無かった。その後も私の好きな“Night
Time”、緊迫感漂う“Infinity”...と曲を披露。“Infinity”を終えてもそのまま演奏を続け、ライヴのオープニングと対を成すように、オリヴァーが『XX印』の黒い台を挟んでジェイミーと対峙してシンバルなどを叩きまくる。こうしてライヴの最後を締めると、オリヴァーは日本語で「アリガト」と観客に改めて御礼を言い、ここで初めてロミーも観客に御礼を言った。予定時間より10分ほど早く演奏を切り上げたTHE
XX。お蔭でゼム・クルックド・ヴァルチャーズへの移動もスムーズになったけど、もう1曲くらい聴きたかった〜。だけど、独特の暗黒かつ退廃的で、繊細でもある独特の音世界にナマで触れられて良かった。
【SET
LIST】...'10.7.30 苗場スキー場
. Intro
1. Intro
2. Crystalized
3. Islands
4. Heart Skipped A Beat
5. Fantasy
6. Shelter
7. VCR
8. Do You Mind (Kylaのカヴァー曲らしい)
9. Basic Space
10. Night Time
11. Infinity
【THEM
CROOKED VULTURES】...GREEN STAGE
THE
XXの演奏中も断続中に雨が降っていたけど、彼らのパフォーマンスが終わったところで雨が小降りになってる。これ幸いと、『GREEN
STAGE』へ移動。周囲の『フジ・ロッカーズ』は殆どみんな雨具を着用してるが、雨が本降りだった時に『RED
MARQUEE』内に居たため、私はまだ一度も雨具を使っていなかった。『GREEN
STAGE』ステージ向かって左側前方の舗装部分で開演を待つ。19:20開演の予定通り、メンバー3人とスキンヘッドのサポート・ギタリスト(兼キーボード、バック・ヴォーカル)、アラン・ジョハネスが登場。伝説のベ−シストのジョンジーは、指をひらひらさせながらローディーに「僕の楽器はどこだい?」と催促(苦笑)。メンバーがみんなスタンパったところで演奏始まったオープニング・ナンバーはアルバム1曲目の“No
One Loves Me & Neither I
Do”。この曲でジョンジーが弾いたのは、ラップ・スティール・ベース・ギター。これまで観たこともない形のベースだったので、「ジョンジー、ヘンなベース使うな」と思った(笑)。ステージ中央にリード・ヴォーカル&ギターのジョシュ・オム、その右側にジョンジー、左側にサポート・メンバーのアランが居て、ステージ中央奥のドラムにデイヴ・グロールが狂ったように叩きまくってる。デイヴ・グロールといえば、伝説の嵐の第1回『フジ・ロック』('97年)をはじめ、2000年、2005年に『フジ・ロック』にフー・ファイターズのメンバーとして出演。そのいずれも雨にたたられた「『フジ・ロック』最強の雨男」(苦笑)。1曲目が終わり、ジョンジーはフツウのベースに持ち変える。ジョシュが「Fuji
Rock〜」などと観客に声かけしてから始まった2曲目“Dead End
Friends”の演奏中に雨がまた落ちて来て、雨具無しでここまでなんとか凌いで来てた私も、とうとう雨具を着用するハメに...。流石、「最強の雨男」のことだけは、ある(苦笑)。もっとも、雨が酷くなったのはこの曲の時だけで、その後は小雨程度の降りだった。ジョシュが「“Scumbag
Blues”」と曲紹介して始まったこの曲では、♪you won't make it
out〜とジョンジーがこの日初めてバック・コーラスを付けた。この曲は中盤からデイヴのドラムとジョンジーのベースの激しいバトルともいえるからみがあり、この2人のバトルが終わると、今度はジョシュのギターがメインのインプロヴィゼーションが延々と続き、1つの曲が終わるまで10分はあったハズ。とにかく、圧巻だった。最も、ファンの多くはこのスーパーグループのこのような熱演を期待してたハズで、大きな拍手と歓声が送られた。これに「アリガト!」と日本語で御礼を言ったジョッシュ。デイヴ・グロールの簡単なドラム・ソロで始まった“Elephants”は、このメンツならではのダイナミズムを堪能出来る強力なロック・ナンバー。この曲が終わると、ジョシュからメンバーをひとりひとり紹介。ジョンジーが紹介された時、観客からは一段と大きい拍手が送られた。ここでジョシュが曲紹介。「“Gunman”」 この曲の途中でジョシュが観客に両手を掲げてクラップするように要求。みんながジョシュの要求に応えクラップすると、「beautiful
together」などと誉めた(苦笑)。“Gunman”を演り終えると、ジョシュが「Ladies
and
gentleman〜」などとかしこまって、アランのソロ・タイムになる旨を紹介。ゼム・クルックド・ヴァルチャーズの3人は一旦ステージを去り、アランのソロ・タイムとなる。サポート・メンバーなのにこのような場を設けてもらえる彼は実に幸せ者だ。アランのソロ・タイムが終わると、メンバー3人がステージに戻る。“Bandoliers”の演奏後、観客に「Have
you good
time?」などと訊いてから、ジョシュが「これから演るのはラヴソングだ。デイヴ・グロールのラヴ・ソングだ」などと曲紹介。“Caligulove”だ。この曲ではジョンジーは(ZEP時代と同じく)キーボードを演奏。ラヴ・ソングを演ると、ジョシュが「“Mind
Eraser, No
Chaser”」と曲紹介。この曲ではデイヴ、ジョンジーがバック・コーラスで大活躍。特に、ジョンジーがデイヴに負けじと頑張って歌ってるのが微笑ましかった。次の曲はアルバムのラストに収録されてる“Spinning
In
Daffodils”。フツウにベースを弾いてたジョンジーが曲の最後でベースを置き、キーボードに就いて、ソロを聴かせる。ジョンジーが演奏を終えると、ジョシュが「John
Paul
Jones!」とジョンジーを改めて観客に紹介し、観客もロックのレジェンドとその熱演に惜しみない拍手を送る。ここでジョシュが「最後の曲だ」と言って“New
Fang”を披露。曲が終わるとジョシュは観客に「アリガト!」と日本語で御礼を言った。ジョンジー、デイヴ、ジョジュ、アランの順に横一列に並んで肩を組み、惜しみない拍手と歓声を送る観客に御辞儀した。このメンツならではの花火が出そうなくらい熱い演奏をみせたライヴ。ロックの生ける伝説であるジョンジーに、ジョシュとデイヴが気を遣ってるのがよく分かった(笑)。
【SET
LIST】...'10.7.30 苗場スキー場
1. No One Loves Me & Neither I Do
2. Dead End Friends
3. Scumbag Blues
4. Elephants
5. Gunman
6. Bandoliers
7. Caligulove
8. Mind Eraser, No Chaser
9. Spinning In Daffodils
10. New Fang
【MUSE】...GREEN
STAGE
「最強の雨男」デイヴ・グロールの出番が終わると小降りだった雨も止み、この日のトリであるミューズの出番である21:30前には雨具は不要の状態になってたため、雨具を脱いだ私。結局、この日私が雨具を着てたのはデイヴ・グロールの出番の時だけだ(笑)。開演予定時間を10分押して、ようやくステージにミューズの3人とサポート・メンバー1人が登場。オープニング・ナンバーは“Exogenesis
: Symphony Part 1
(Overture)”! ベースのクリス・ウォルステンフォルムはジャケット姿でいたってフツウの格好だけど、マシュー・ベラミーはレンズ部分が水色の電飾で光るサングラスをかけ、真っ赤なスーツに身を包んでる。もっとヘンなのは、ドラマーのドミニク・ハワード。頭部が球形のロボットの格好でティンパニを叩いてる。体もロボットのように銀色だ(苦笑)。“Exogenesis”組曲の荘厳な序曲を演り終わると、ドミニクは球形のロボット頭部を脱いでドラムキットに就き、歓声上げる観客に「アリガトウ、フジロック」と日本語で御礼を言う。ロボット頭部を脱いでもドミニクは潜水夫または「もじもじくん」(苦笑)のように銀色の全身スーツに身を包んだまま(頭もだ)で、その格好のまま次の曲のドラムを叩き始める。“Uprising”だ。ステージ両脇およびステージ奥のスクリーンには、サビの部分の歌詞が写しだされ、場内の合唱を誘う。曲が終わると歓声と拍手を送る観客たちに「アリガトウ、フジロック」と日本語で御礼を言ったマシュー、ここで青く光るサングラスを外した。“Supermassive
Black Hole”を演ると、ドミニクが短くM.C.を入れ、“Map Of The
Problematique”へ。この曲が終わると、ドミニクとクリスを中心にジャムる。最後にはマシューも演奏に参加してた模様。クリスは、いつの間にかジャケット脱いで、Tシャツ姿になってた。次に披露されたオルゴールのようにノスタルジーをくすぐるイントロはファンには耳に馴染みの曲で、このイントロが鳴った時点で場内大歓声。“New
Born”だ。緑色のレーザー光線がステージ上からステージ向かいの山に向かって何本も放たれ、『GREEN
STAGE』を文字どおりグリーンに染める。曲が終わっても興奮醒めやらないといった観客たちにドミニクが「アリガト!」と声をかける。マシューがギターをかき毟りながら放ったギター・ノイズは、アルバム『アブソリューション』の“Interlude”。当然、そのままの流れで“Hysteria”へ。観客が大いに盛り上がった“Hysteria”が終わると、ドミニクがまた「アリガト!」と観客に御礼を言う。ドミニクたちがインストの“Niche”を演ってる間に白いピアノに就いてたマシューがここで弾き始めたのは“United
States Of
Eurasia”。スクリーンには曲の内容に合わせて世界地図を写した映像が流れる。この曲のクィーンっぽいヴォーカル・ハーモニーの再現に、クリス頑張る。この曲が終わるとマシューは姿を消し、ドミニクはドラムパッドの台に移動し、クリスとジャム・セッション。ドミニクが叩く度に台の前面が赤や青に光る。私の背後に居た女のコたちが「ねぇ、どうして王子様(マシューのこと)はこんなに何度も(ステージから)引っ込んじゃうの?」「王子様は『光る』準備で忙しいんだよ」といった会話を交わした直後に、マシューがピカピカ光る電飾ギターを構えてステージに戻って来たのには、笑えた。マシューのピカピカギターとドミニクの赤青に光る台で彩り鮮やかに演奏された“Undisclosed
Desires”でも、レーザー光線がステージ前をグリーンに染める。曲が終わるとドミニクはフツウのドラムに戻る。光るギターは1曲のみで御役御免で、次の“Resistance”ではWネックを構えたマシュー。曲が終わると、ドミニクが「アトガトウ、フジ」と観客に御礼を言う。次に“Time
Is Running
Out”を演ると、キャッチーな“Starlight”へ。観客の多くが両手を掲げて♪タンタタタンタタタ〜の手拍子。曲のモティーフに合わせ、三たびグリーンのレーザー光線が周囲をグリーンに染め上げる。マシューがファンに♪our
hopes and expectations〜black holes and
revelations〜の部分を歌わせる。しっかり歌ってくれたファンたちにマシューが「アリガトウゴザイマス」と日本語で観客に御礼を言ってから演奏始まったのは“Stockholm
Syndrome”。この曲を演ると一旦ミューズの3人(+1人)はステージを去った。
ファンのアンコールのクラップに応え、ステージに戻って来たミューズ。ドミニクはようやく全身スーツの頭巾を取って登場(苦笑)。1曲目の“Plug
In
Baby”では白い大型風船がいくつも舞い、観客のド肝を抜く。曲が終わるとクリスがハーモニカを吹き始め、西部の荒野の雰囲気となった(?)ところで、“Knights
Of
Cydonia”へ。サビの部分にさしかかるとスクリーンには歌詞が映し出される。曲のエンディングには何本も白い煙の柱が上がり、ステージ上は真っ白で何もみえない状態に。文字どおり煙幕が張られたステージからマシューの「また会おう!」と言う声と、ドミニクの「アリガトウゴザイマス」の日本語挨拶のみが響いた。こうして、スタジオ・ヴァージョンには無いインプロヴィゼーションふうのイントロやアウトロをふんだんに盛り込んだライヴならではのプラス・アルファのほかに、フェスティヴァルならではの趣向も取り入れたミューズの貫禄のライヴが終了したのは23時10分過ぎ。心から満足してテントに戻ると、23:40になってた。
【SET
LIST】...'10.7.30 苗場スキー場
1. Exogenesis : Symphony Part 1 (Overture)
2. Uprising
3. Supermassive Black Hole
4. Map Of The Problematique
〜Jam〜
5. New Born
6. Interlude
7. Hysteria
〜Niche〜
8. United States Of Eurasis
〜Jam〜
9. Undisclosed Desires
10. Resistance
11. Time Is Running Out
12. Starlight
13. Stockholm Syndrome
(encore)
1. Plug In Baby
2. Knights Of Cydonia
FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '08.7.25
FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '07.7.28
FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '06.7.28
FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '05.7.30
FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '04.7.30〜8.1
FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '03.7.27
FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '02.7.27
FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '01.7.27〜28
FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '00.7.30
FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '99.7.30〜8.1
FUJI ROCK FESTIVAL @ Tokyo Bayside Square '98.8.1