ヒロくんのLIVE REPORT '09 PART 7 FUJI ROCK FESTIVAL'09

 今年の『FUJI ROCK FESTIVAL』(以下、『フジ・ロック』)3日間の『GREEN STAGE』のトリは、オアシス、フランツ・フェルディナンド、ウィーザー。「可能であれば3日間とも観に行きたい!」と思ったが、独身時代と違って「3日間とも」というのはムリだ。なにしろ1日だけ観に行くのも気が引けるんだから(苦笑)。で、私が今回の『フジ・ロック』を観に行ったのは初日の7月24日。オアシスの今年3月の来日公演を観に行ったら、『耳塞ぎネェチャン』のお蔭で思いっきり歌えず欲求不満が残ってた私は、『フジ・ロック』へのオアシス出演が決まった時から、あの時のリヴェンジを果たすべく、オアシスが出演する日に『フジ・ロック』を観に行くことに決めてた。オアシスの出演日が決まった時点で7月24日のチケットを先行予約。上手い具合に同じ日に馴染みのアーティストであるパティ・スミス、前から観たいと思ってたダヴズ、U.K.ロック・シーンの話題の新星、ホワイト・ライズも出演することになっていたし。その後、リリー・アレンの出演が決まり、この時点で私の当日のスケジュールはほぼ固まった。残念ながら、他に観たかったアーティスト(ヴァージンズ、ケイジ・ジ・エレファント、クラムボン)は上記のアーティストたちの公演時間と見事に重なってしまい、観ることが出来なくなってしまったが...。
 
第1回目の伝説の『フジ・ロック』でズタボロになってから、『フジ・ロック』で雨に遭うことを極端に避けてた私。2004年の『フジ・ロック』では雨が降ってる時は観たいアーティストすら観ずにテントに籠ってたくらい(苦笑)。今年の『フジ・ロック』は、私が参加したなかでは第1回目の伝説の『フジ・ロック』に次ぐくらいの荒れた天候。雨が小降りになるのをテントのなかで待ってたけど、12時になっても雨は上がらず。テントのなかで穴グマやることも一瞬考えたけど、結局、ゴアテックスの自慢の雨具(ただし、殆ど未使用...苦笑)を着用し、ホワイト・ライズが出演する『GREEN STAGE』に向かった。

【WHITE LIES】...GREEN STAGE
 『GREEN STAGE』のステージ前向かって右側のいつもの私の定位置で、ホワイト・ライズの登場を待ってると、ホワイト・ライズの3人とサポート・キーボーディストの4人がステージ上に登場。ホワイト・ライズの3人は白いシャツを着てて(ベースのチャールズ・ケイヴは白Tシャツ)、サポート・メンバーは色のついたシャツを着てる。正式メンバーとサポートの違いをシャツの色で区別してる?(苦笑) ヴォーカル兼ギターのハリー・マックヴェイが、「Hello, Fuji Rock Festival. We Are White Lies」と観客に挨拶してから始めたオープニング曲は、“A Place To Hide”。ステージ向かって右側からチャールズ、ハリー、サポート・キーボーディストの順に位置しており、ステージ奥でジャック・ブラウンがドラムを叩いてる。今流行りの言い方をすれば『草食系』かと思ってたハリー、そのルックスと振る舞いにには意外にも少し『肉食系』が入ってる(苦笑)。チャールズは、絵に描いたようなイケメン。2曲目に“Farewell To The Fairground”を演ると、「次の曲は英国で出してるシングルのB面曲だ。楽しんでくれ」ってな感じで曲紹介し、“Taxidermy”を演奏。この曲が終わると、間髪入れずに“To Lose My Life”をプレイ。次の曲はイントロのシンセとジャックが叩くフロア・タムの音色がインパクトある“E. S. T.”。この曲が終わると、ハリーとチャールズはギターを交換し、“Unfinished Business”へ。もう1曲“The Price Of Love”を演奏すると2人はまた楽器を交換し、“Fifty On Our Foreheads”を演った。「Fuji Rock Festival, thank you」と観客に御礼を言い、次に演る最後の曲を「“Death”」と紹介。「単なる曲名なんだ」と分かっていても、愛想笑いを振りまきながらこの曲が紹介されると違和感が...(苦笑)。最後にこの“Death”を披露すると、ハリーが「Thank you very much. See you soon. Thank you〜!」と観客に挨拶し、ホワイト・ライズの3人+1人はステージを去った。ハリーの言うとおり、そう遠くない将来にまたこの会場で彼らに遭えるといいね。
【SET LIST】...'09.7.24 苗場スキー場
1. A Place To Hide
2. Farewell To The Fairground
3. Taxidermy
4. To Lose My Life
5. E. S. T.
6. Unfinished Business
7. The Price Of Love
8. Fifty On Our Foreheads
9. Death

 雨はホワイト・ライズの演奏中に小降りになった。ホワイト・ライズの演奏が終わってからは、アーティスト・オフシャル・グッズ売り場に行って、ホワイト・ライズとダヴズのTシャツを購入。『GREEN STAGE』に戻ると、ちょうどセット・チェンジが済み、ダヴズの3人がステージに登場するところだった。

【DOVES】...GREEN STAGE
 ステージ奥には、新作『錆ついた王国』のロゴのバック・ドロップが垂らされてる。ステージに登場するなり「オヒサシブリ、Fuji Rock!」とベースのジミ・グッドウィンが叫ぶ。1曲目はギターのジェズ・ウィルアムズがメイン・ヴォーカルをとる“Jetstream”(結果から言うと、この日のライヴで彼がメイン・ヴォーカルをとったのはこの1曲のみ)。この日のダヴズはサポート・キーボードを含めた4人編成。ステージ向かって右にギターのジェズ、左にベースのジミ。ジェズは右利き、ジミは左利き。2人が並ぶとギターのネックが「V」の字を形作るのでインパクト大だ。フロントを務める2人の後ろにドラムのアンディ・ウィリアムズが居て、その右隣にサポート・キーボーディストが居た。
 ジミが次の曲紹介をして彼のヴォーカルで“Snowden”、そして、“Winter Hill”...と、真夏のロック・フェスにそぐわない曲が続き、観客の反応も大人し目だったけど、次のタテノリの“Pounding”で、一気に挽回。ステージ前を中心に大いに盛り上がった。これをみて気を良くしたのか、ジミが「thank you very much」とオネェのような仕種(顔の下のあたりで手のひらを斜めに合わせる)をしながら、観客に御礼を言った。新作からの“10:03”を演ると、ジミが曲紹介「“Kingdom Of Rust”」と曲紹介し、“Kingdom Of Rust”(邦題は“Kingdom Of Rust”)を披露。新作からの“The Greatest Denier”に続いて披露されたのは、イントロも軽快な“Black And White Town”で、この曲の登場にファンが沸き、盛り上がる。新作からもう1曲“The Outsiders”を演ると、「次が最後の曲」とジミがM.C.。ここで披露された最後の曲は、“There Goes The Fear”。この曲もファンが大いに盛り上がったんだけど、曲の終盤にさしかかるとジミがベースを降ろし、キーボードの前に密かに置いてあった簡略ドラムセットを叩きはじめる。ジェズもカウベルを手に持って叩き始め、アンディのドラムと3人でちょっとしたリズム・セッションとなった。ジミのグレイ系の長袖シャツにはじっとり汗が滲んでる(苦笑)。こうしてダヴズの演奏は終わったんだけど、演奏が終わると、ジミがステージを降り、ステージ前の観客と次々にタッチしていった。が、私のところまでは来なかった(苦笑)。
 前からダヴズのライヴを観てみたいと思ってたけど、彼らの音楽は夜のイメージなので、昼間の明るい時間帯だと違和感が...。『WHITE STAGE』か『RED MARQUEE』のトリあたりのほうがよかったんじゃないの?
【SET LIST】...'09.7.24 苗場スキー場
1. Jetstream
2. Snowden
3. Winter Hill
4. Pounding
5. 10:03
6. Kingdom Of Rust
7. The Greatest Denier
8. Black And White Town
9. The Outsiders
10. There Goes The Fear

 この日私がライヴ観たなかでは、ダヴズの出番の時間帯が一番雨が降っていなかったかもしれない。ダヴズの後はビールを買いに行っただけで元の場所に戻ったため、ほとんど丸々セット・チェンジが行われてるのを待ってる状態だった。

【LILY ALLEN】...GREEN STAGE
 リリー・アレンのステージのサウンド・チェックは凄く念入りだった。準備が終わり、一旦ローディーたちがステージから引き上げてったけど、引き上げてったのと丸々同じメンツがステージにバック・メンバーとして登場(苦笑)。ローディー兼バック・メンバー...実に効率的だ(笑)。ギター、ベース、ドラム、キーボードの4人編成のバンドが“Everyone's At It”のイントロを演奏し始めると、ステージ向かって右側の裾から登場したリリーの姿をみて、「ジャネット・ジャクソンか?」と思ってしまった(苦笑)。長髪をバッサリ切ったのか、髪型がショートになってる。上半身は腕の部分が網タイツ状となっていて、提灯ブルマを思わせるようなミニスカート。目の周りはライトブルーに塗りたくってた(R. E. M.のマイケル・スタイプの「黒」に対抗?)。さらには、ハンチング帽みたいにアタマ に乗せてた物体は、(人の顔写真をそのままお面化したような)お面。いったい誰の顔のお面か確認する前に、お面を放り投げてしまうリリー(苦笑)。この曲では、ギターのエフェクター(みたいな形のシステム?)をアタマの上に掲げて、いじくりまわして変な音を出したりもしてた。“I Could Say”と歌うと、次の曲を紹介するリリー。「次の曲は“22”。若い女のコの歌です。ここ(ステージ)にも若い女のコ居ますか?」ってな感じの内容だったらしく、ステージ前につめかけた女のコのファンたちからハシャイで手を挙げるなどの反応をみせた。“22”が終わると、またも曲紹介。「“O My God”」。「リリーにそんな曲、無いぞ!?」と訝しく思ってると、ここで演奏されたのは、カイザー・チーフスの“O My God”だ。2年前の『フジ・ロック』ではブロンディの“Heart Of Glass”のカヴァーを聴かせてくれてたリリー、彼女のライヴでは意外なカヴァー曲が飛び出すので、油断ならない(苦笑)。もっと長く“O My God”を歌って欲しかったんだけど、1コーラス歌っただけで曲は突如“Everything's Just Wonderful”に変わる。それまで“O My God”がカヴァー曲と分からず大人しくなってたファンが急に盛り上がり始めた。次の曲も1stから、イントロのS.E.がお茶目な“LDN”で、ファンは大いに盛り上がった。新作からの“Back To The Start”を演ると、スタッフがステージに登場し、キーボードの前に置いてあったサブのキーボードをステージ中央に運び出した。どうやらアコースティック・セッションが始まるようだ。その準備のさなか、タバコを吸い始めるリリー。それを観たファンから歓声が上がる(苦笑)。今まで、ステージ上でタバコを吸ってるアーティストを何人か観たが(
ザ・シャーラタンズのティムオーシャン・カラー・シーンのデーモン、くるりの岸田など)、彼女ほど堂々とステージでタバコを吸ってるアーティストは観たことはない(苦笑)。キーボーディストがサブのキーボードに移り、他のバック・メンバーもアコースティックな楽器に持ち替えてキーボードの周りに座る。アコースティック・セッション1曲目は、新作のラストに収録されてる“He Wasn't There”。次の曲は「アコースティック・セッションなら当然演るでしょ!?」と私が思う(苦笑)“ Littlest Things”。この曲もタバコを吸いながら歌ってたリリー、曲の途中にステージ中央観客側手前に腰掛けた。腰掛ける時の一瞬の横座りには何ともいえないなまめかしさがあった(苦笑)。『フジテレビ』のカメラもステージに腰掛けるリリーのパンチラを狙ってた?(苦笑)
 アコースティック・セッション兼リリーの喫煙タイムが終わると、リリーから「〜 very very happy?」といったM.C.があり、「“Smile”」と曲紹介。“Smile”の後に“The Fear”を演ると、次に披露された曲は盆踊りのようなリズムの曲(笑)。ブリトニー・スピアーズのカヴァー“Womanizer”が披露された。観客は大いに盛り上がり、ドラマーはスティックを飛ばしてみせた。ここでまたリリーから「“Fuck You”」と曲紹介。演奏始まった“Fuck You”ではリリーは勿論のこと、観客も中指立てた両腕を掲げて♪fuck you〜...と歌う。私も中指立てて♪fuck you〜...と歌いたかったけど、目の前に居るセキュリティーのいかつい黒人のオッチャンが激怒してこちらに突進してきたら怖いので、そんなこととても出来なかった(苦笑)。この“Fuck You”の曲中、バック・バンドのメンバー紹介を、ギター→キーボード→ドラム→ベース...の順にやったリリー、曲が終わると、「last song」と、次の曲が最後であることを宣言し、「カントリー・ソングを歌うわ」ってな感じな紹介で始めた曲は、“Not Fair”。この曲では観客に手拍子させたリリー、曲が終わると、「(深夜4時から『THE PALACE OF WONDER』で)今夜D.J.やるよ〜」ってな感じのセリフを残してステージを去った。
【SET LIST】...'09.7.24 苗場スキー場
1. Everyone's At It
2. I Could Say
3. 22
4. O My God (カイザー・チーフスのカヴァー)〜Everything's Just Wonderful
5. LDN
6. Back To The Start
7. He Wasn't There
8. Littlest Things
9. Smile
10. The Fear
11. Womanizer (ブリトニー・スピアーズのカヴァー)
12. Fuck You
13. Not Fair

 リリーの出演中からまた雨がポツポツと降り出して来た。リリーの後はトイレに行って(リリーの間我慢してた...苦笑)、『OASIS』エリアで越後もち豚串を3本喰ってから『GREEN STAGE』に戻る。今度はステージ前向かって左側のエリア。

【PATTI SMITH】...GREEN STAGE
 黒い帽子を被ったパティはステージに登場するなり、満面の微笑を浮かべながら「Hello, eveyone〜!」と観客に挨拶。オープニング曲は“Dancing Bafefoot”。1曲目からタン(ツバ?)を吐くなど、全開モードのパティ(苦笑)。昔はこの曲を歌いながら靴を脱ぐパフォーマンスを演ってたけど、この日のライヴでは最後まで靴を脱ぐことはなかった。バンドは今の『パティ・スミス・グループ』といえるいつものメンバー、ギターのレニー・ケイ、ベース/キーボードのトニー・シャナハン、ドラマーがジェイ・ディー・ドゥーティだとすれば、かなりオデコが広くなったなぁ〜(苦笑...後のメンバー紹介で本人と確認)。もう1人、気付きにくい位置(ジェイ・ディーのドラム台右前方)にギタリストがひとり座ってた。彼は初めてみるメンバーだ。“Redondo Beach”と“Ghost Dance”を演ると、アコースティック・ギターを構えたパティ。「(先日亡くなったばかりの)マイケル・ジャクソンに捧げます」とM.C.し、レニーと向き合いながらギターの演奏を始めた。パティの今は亡き大切なひとたちに捧げた鎮魂のアルバム『ゴーン・アゲイン』収録の“Beneath The Southern Cross”(邦題は“南十字星の下で”)だ。曲が終わるとパティはギターを下ろす。「Hello〜!」と再度観客に声掛けしたパティ。ステージから見渡せる山々を指さして「so beautiful」と言った後、「look!」と観客にこの素晴らしい景色を見るよう促すパティ。パティが苗場スキー場近辺の自然に心動かされるのは嬉しいけど、朝から雨に打たれ続けの観客たちには自然を愛でる余裕はちょっと無いかも...(苦笑)。
 トニーがベースを下ろしてキーボードに就く。「トニーがキーボードを弾くってことは、“Because The Night”か!」と思ったけど、実際にトニーが弾き始めたピアノの旋律は、『ラジオ・エチオピア』収録の“Pissing In A River”。この曲は
1997年の初来日時に聴いてるけど、当時はキーボードレスのバンド編成だったため、アルバムどおりのアレンジで聴くのは今回が初めて。曲が終わり、トニーが次の曲のイントロを弾き始めるタイミングを見計らってるというのに、パティはそんなことお構い無し(苦笑)。パティが水を飲み終わったタイミングで演奏を始めようとしたところ、まだまだ飲み足りないようで新しいペットボトルを取りに行くパティ。新しいペットボトルを取って来てやっと演奏出来ると思ってたら、今度は口に含んだ水をピューっと豪快に吹き出し、観客の歓声を誘ってたパティ。トニーくんがスタンバってるのに気付いてやってよ、パティ(苦笑)。ようやくトニーが演奏出来たイントロは、今度こそ“Because The Night”。パティの持ち歌のなかでは1、2を争うキラー・チューンであり、ファンが♪because the night〜!と大合唱して盛り上がって当然!...と私は思ってた。少なくとも私は♪because the night〜!と合唱し、腕を振り上げたが(苦笑)、意外に合唱する観客が少ない。恐らく、この日のトリのオアシス目当てでステージ前の場所取りしてた観客がかなりの割合で居たんだろう。この憶測が正しいのなら、パティの音楽をリスペクトする人間として実に残念な話だが。“Because〜”が終わってもトニーはキーボードに就いたまま。パティの反戦メッセージ(というか、観客に対しての檄)の後、現時点での最新オリジナル・スタジオ作『トランピン』から“Peaceable Kingdom”。いちお、『予習』してて良かったぁ〜(苦笑)。曲が終わると、ようやくトニーはキーボードから解放され、ベースを構える。パティの「old song」との紹介で始まった曲は、“People Have The Power”。この曲も♪people have the power〜!と大合唱になって然るべき曲なのに、('97年の初来日時のこの曲での盛り上がりぶりを知ってるだけに)こちらの理想ほど盛り上がらないので淋しかった。ま、周りが醒めた反応でも、私は♪people have the power〜!と合唱したケド...(苦笑)。次に演奏された曲を聴いて、最初はパティのポエトリー・リーディングかと思ってた。が、よく聴いてみたら『ホーセス』収録の“Land”で、曲はそのまま同じアルバム収録の“Gloria”につながってく。♪G〜L〜O〜R〜I〜A〜...と歌ってるうちに元から高いテンションがさらに高まったのか、被ってた帽子を投げ去ったパティ。メンバー紹介があったのは“Gloria”の曲中だったろうか、オデコが広くなったドラマーが間違いなくジェイ・ディー本人とここで確認(苦笑)。最後にまたパティによる檄があり、口に含んだペットボトルの水を派手にブシューっと吹いた後、“Rock N Roll Nigger”へ。曲の終盤に差し掛かるとパティもエレクトリック・ギターを構える。目立たないギタリストは食器のフォークを使ってギターを弾いてる。パティはギターの弦を1本1本順番にブチブチと切り始め、曲の最後にもう一度観客に対して熱いメッセージをブチ上げると、最後に残った弦1本をブチリ!
 というふうに、パティが『パンクの女王』としていまだにカリスマ性を保ち続ける理由を見せつけるような素晴らしいパフォーマンスを披露してくれた。今のパティが1時間の持ち時間でライヴ演るとしたらベスト選曲に近いと思われるセットリストにも納得。メッセージが熱くなるあまり長過ぎるのにはちょっと辟易したけど(苦笑)。
【SET LIST】...'09.7.24 苗場スキー場
1. Dancing Bafefoot
2. Redondo Beach
3. Ghost Dance
4. Beneath The Southern Cross
5. Pissing In A River
6. Because The Night
7. Peaceable Kingdom
8. People Have The Power
9. Land〜Gloria
10. Rock N Roll Nigger

 パティの出演中も雨が降ったり止んだりしてた。ホワイト・ライズの出番に向けてテントを出た正午から6時間以上も立ちっ放しは流石に辛いので、一旦テントに戻る。私がテントに戻ってた間、雨の降りがもの凄かった。夜9時になり、テントを出てこの日のトリのオアシス観に『GREEN STAGE』へ。流石にステージ前には人混みで行けないので、肉眼でステージ上の様子が観られるフィールド中盤あたりに陣取った。ステージ両端のスクリーンには、大雨による川の増水のため『WHITE STAGE』への橋が危ない状況になっているため、深夜3時から応急工事を行う都合により、『ORANGE COURT』で行われる『オールナイトフジ』が時間短縮となる旨が繰り返し表示されていた。

【OASIS】...GREEN STAGE
 定刻の9時30分を廻り、しばらくするといつものオープニングS.E.“Fuckin' In The Bushes”が流れる。 ファンの歓声を受けてステージに登場したオアシスの面々。リアムはステージに登場するなり、ペットボトルをステージ真ン前の観客たちにボンボン投げ入れてる。「Fuji〜!」と観客に向けてひとこと放つリアム。タンバリンを口にくわえ、早くもマイクスタンドのところで仁王立ち。
3月の来日公演では『ルパン三世』ばりの短髪になって驚かされたが、あれから4ヶ月も経つと当然髪の毛も伸びてる。8年ぶりの『フジ・ロック』での1曲目は“Rock 'N' Roll Star” 。ステージ向かって右側から、ノエル兄貴、リアム、アンディ・ベル、ゲム...の順に並んでいて、ノエルの後方にいつものサポート・キーボーディストのジェイ、リアムの後方にサポート・ドラマーのクリス・シャーロックが居る。“Lyla”、“The Shock Of The Lightning”を演ると、リアムが「thank you very much!」と1曲目から盛り上がり続ける大観衆に御礼を言う。4曲目の“Cigerattes & Alcohol”までは3月28日の幕張メッセでのライヴと全く一緒。「もしかして、全曲同じなんじゃあ...?」と不安になってきた5曲めでようやく違う曲が出て来た。“Roll With It”だ。この曲についてノエル兄貴が今どう思ってるのか知らないが、バック・ヴォーカル(コーラス)の入れ方が不徹底だったため、もしかして、兄貴、この曲嫌い?(苦笑) 
 “Roll With It”が終わるとリアムは一旦ステージを離れ、ノエル兄貴のコーナーへ。まずは“Waiting For The Rapture”を披露。曲が終わると「Hello〜!」と観客に声掛けしたノエル兄貴、「雨降ってるな」などと喋った後、クリスやジェイと何かやりとりがあった(英語力が無いため、聴き取り出来なかったが...)。「“The Masterplan ”」と曲紹介し、“The Masterplan ”をプレイ。曲が終わると、リアムがステージに戻って来て、“Songbird”を披露。リアムが次の曲を紹介。「“Slide Away”」 1stや2ndの曲への観客の反応は凄まじく、ここでもファンから大歓声が上がった。曲が終わると、リアムが日本語で「アリガト」と言ってたような気がした(口が上手く廻ってなかったようだったが...苦笑)。次の曲は“Morning Glory”。イントロ聴いただけでファンから大歓声が上がり、サビの部分では♪need a little time to wake up〜と大合唱となる。今回は周りに耳を塞ぐ観客が居なかったので、私も思う存分に歌うことが出来た(笑)。“〜Rapture”以降も
今年の来日公演に準じた流れになってたので、そろそろサプライズが欲しいと思ってた時、ついに出ました、サプライズが。“My Big Mouth”(笑)。ノエル兄貴が気に入っていないということで、ライヴでは封印されて久しく、ベスト盤『ストップ・ザ・クロックス』からも排除された3rd『ビィ・ヒア・ナウ』の曲がまさか演奏されるとは思っていなかった。最近のオアシスのライヴやベスト盤『ストップ・ザ・クロックス』しか知らない観客が多いのか、“My Big Mouth”が演奏されても反応は鈍い。私だって、最初の1分くらいはこの曲が何か思い出せなかったくらいだから(苦笑)。驚きの“My Big Mouth”が終わると、リアムは一旦ステージを去った。アコースティック・ギターを構えたノエル兄貴が「thank you very much!」と観客に御礼を言う。さらに「今まで日本で演奏したことがない曲を演る」などと言ってから演奏し始めた曲は、“Half The World Away”。『CROSSBEAT』9月号の『フジ・ロック』の特集で妹沢奈美さんが有名曲+レア曲のコンポを期待していたが、兄貴たちも今回は少しは考えてくれたようだ(笑)。リアムがステージに戻って来て、彼のペンによる“I'm Outta Time”を演ると、「“Wonderwall”」とリアムが曲紹介した。ファンからもの凄い歓声が上がり、曲が始まると会場全体が大合唱となった。そんな“Wonderwall”の余韻が醒めやらぬうちにクリスが刻み始めた馴染みのドラム・リフは“Supersonic”! ノエル兄貴がギターをかぶせ、リアムが歌いはじめるとまたしても観客が大合唱で応える。曲が終わると、手に持ってたタンバリンを観客に投げ入れたように見えたが、実際のところはどうだっただろうか? 次の“Live Forever”でも観客大合唱で大いに盛り上がると、リアムは一旦ステージを去った。
 「雨、止んだな。あ、やっぱり降ってらぁ〜」ってな感じでアコースティック・ギターを構えたノエル兄貴が喋った後に演奏始めた曲は、“Don't Look Back In Anger”。サビの部分はノエル兄貴は歌わず、観客に歌わせる。観客も大合唱で見事に応えた。ノエル兄貴がアコースティック・ギターを弾いてる分、代わりにゲムがエレキ・ギターを弾いてるんだけど、ギター・ソロが微妙に違うのに違和感があった。ノエルが♪don't look back in anger〜don't look back in anger〜I heard you say〜...と歌って曲を締めると、場内から大歓声と大拍手が沸き上がった。いつもライヴでこの曲を聴く度に思わされることだけど、“Don't Look Back In Anger”...名曲過ぎる!
 ステージにリアムも戻って来て、始まった曲は“Champagne Supernova”。曲が終わると月形タンバリンをアタマに載せるリアム。タンバリンの小さなシンバルの部分が、仏像の光背みたいに見え、まるで大仏のようだ(苦笑)。最後の曲として“I Am The Warlus”を披露すると、リアムはタンバリンを観客のほうに投げ入れてからステージを去った。リアムが着てたグレーのシャツがかなり濡れているようだったけど、これは汗のせい? はたまた雨がかかったせい?
【SET LIST】...'09.7.24 苗場スキー場
. intro (Fuckin' In The Bushes)
1. Rock 'N' Roll Star
2. Lyla
3. The Shock Of The Lightning
4. Cigerattes & Alcohol
5. Roll With It
6. Waiting For The Rapture
7. The Masterplan
8. Songbird
9. Slide Away
10. Morning Glory
11. My Big Mouth
12. Half The World Away
13. I'm Outta Time
14. Wonderwall
15. Supersonic
16. Live Forever
17. Don't Look Back In Anger
18. Champagne Supernova
19. I Am The Warlus

 オアシスの出演中も雨が降ったり止んだりしてたが、私がテントに籠ってた時間(『GREEN STAGE』でポール・ウェラーが演奏してた時間帯)に比べ、降り方は弱まってた。大雨による川の増水はシャレにならないようで、終演後の『GREEN STAGE』では、『WHITE STAGE』横の橋の応急工事を行う都合により『ORANGE COURT』で行われる『オールナイトフジ』は時間短縮ではなく中止となったことがアナウンスされてた。
 シャトルバス乗り場&キャンプサイトに戻るひとの長い列から抜け出し、自分のテントに戻った時には既に0時になる直前。天候は大荒れだったものの、意外なほど満足感が得られた'30代最後の『フジ・ロック』だった。

FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '08.7.25

FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '07.7.28

FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '06.7.28

FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '05.7.30

FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '04.7.30〜8.1

FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '03.7.27

FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '02.7.27

FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '01.7.27〜28

FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '00.7.30

FUJI ROCK FESTIVAL @ Naeba Ski Resort '99.7.30〜8.1

FUJI ROCK FESTIVAL @ Tokyo Bayside Square '98.8.1

FUJI ROCK FESTIVAL @ Tenjinzan Ski Resort '97.7.26

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