ヒロくんのLIVE REPORT '14 PART 7 BONNIE PINK

 BONNIE PINKのデビュー19年を祝う(?)全国ツアー『Almost 20』を、11月20日に金沢・Eight Hallで観て来た。BONNIEは最近特に新曲やアルバムのリリースがあるワケじゃないけど、毎年この時期にツアーで全国を廻るのが恒例となってるため、当然の如く会場に駆けつけた私。通常オールスタンディングでライヴが催されることが多い会場のフロアの半分にはイスがセットされ指定席になっており、残りの半分がスタンディング。BONNIEとともに歳を重ねて来たファンにはオールスタンディングは辛いだろうという配慮なのかもしれないけど、実際すっかり頭が禿げ上がった男性ファンの姿を見つけてしまうと、納得(苦笑)。私はスタンディングエリアの最前列で開演を待っていた。
 開演予定時間の7時を過ぎてしばらくすると、場内の灯りが落ち、♪flash〜flash〜is this love?〜...と、“Is This Love?”を歌うBONNIEの声のS.E.が繰り返し流れる。暗がりのなか、バンド・メンバーがステージ上に登場し、それぞれの持ち場に就く。S.E.からBONNIEの生歌に切り替わると、ステージのライトが灯る。オープニング曲は、当然“Is This Love?”で、指定席の観客もさっそく立ち上がる。BONNIEは白いブラウスにリンゴの絵がプリントされてる赤いパンツ姿。ヘアスタイルもリンゴをイメージして丸くまとめてる(最初観た時、黒柳徹子を思い出した...苦笑)。バックバンドは、ギター&バック・コーラスの八橋義幸、ベース(&バンマス)の鈴木正人、キーボードの奥野真哉...のいつもの3人に、新しいドラマーを加えた4人。観客が曲に合わせて手拍子して応えた“Is This Love?”を歌い終わると、アコースティック・ギターを構えたBONNIE、次の曲を歌い始める。スタジオ・ヴァージョンにあるヴァイオリンが欠けてたため最初は何の曲か分からなかったけど、『Just a Girl』収録の“再生”だ。そういや、
13年前にBONNIEのここ金沢での初ライヴを観た時にこの曲を聴いたなぁ〜。曲が終わるとギターを下ろしたBONNIE、「こんばんは〜、BONNIE PINKです」とファンに挨拶し、今回のライヴでは、長らく演ってなかった曲や、人前で初めて演奏するような曲を演ることを観客に宣言すると、さっそくレア曲を紹介。「“Busy-Busy-Bee”!」 シングル“カイト”のカップリング曲のこの曲ではスタンドにセットされたカウベルをスティックで叩きながら歌ったBONNIE、サビの♪busy-busy-bee〜に合わせて、観客たちに手振りをさせる。曲が終わると手振りにちゃんと付き合ってくれた観客たちに御礼を言ったBONNIE、ステージからカウベルのスタンドはすぐさま撤去されると、“Rise and Shine”を披露。曲が終わると、“Suki-KILLER”へ。この曲ではドラマーとキーボード以外の3人が歌いながら(演奏しながら)右へ左へステップ踏む「スライディング」を披露。曲が終わると奥野さんが、『amazon』の通販で買ったという『ツタンかーつら』(ツタンカーメンの被りモノと金色のマント)を着用し、ドラマーが「金沢金箔」と書いた巻き物を拡げて観客に見せつける。奥野さんたちがこんなことをするなんてBONNIEもアッケにとられてた様子(苦笑)。ここでメンバー紹介があり、ドラマーは伊藤大地と紹介してた。「スライディング」については3人の息が合うように結構練習してキレイに見えるようにしたというのに、奥野さんの『ツタンかーつら』のインパクトに霞んでしまったのがBONNIEはつくづく残念な様子(苦笑)。ライヴ後の打ち上げでは、ライヴの反省をそっちのけで次のライヴ会場ではどんな趣向を凝らすかみんなで話し合ってるようで、同じネタは他の会場ではやらないため、『ツタンかーつら』を観れたのも金沢だけとBONNIEは力説してた。
 ステージ中央にはエレクトリック・ピアノがセットされ、立ち上がってる指定席の観客を座らせてから「懐かしい曲をいくつか演ります」などと話したBONNIE、ピアノに就いて、「“Evil And Flowers”のバンド・ヴァージョンを演奏します」などと曲紹介。この曲を演り終わると、八橋さんと鈴木さんはステージから去り、キーボードとドラムとBONNIEのピアノだけで“Building a Castle”を披露した(これも『Just a Girl』の曲だ)。曲が終わるとピアノは撤去され、八橋さんも鈴木さんもステージに戻り、“Only For Him”。この曲聴くと、シングル“犬と月”にもカップリングされた
渋谷公会堂のライヴを思い出す。最初は静かに始まるこの曲、進むにつれどんどんノリが良くなっていくので、座ってた指定席の客も立ち上がって曲に合わせて体を揺らす。この曲では鈴木さんはイスにまたがり、スティック弾いてた。デタラメに弾いてるような指さばきなのにしっかり音を出してるから、指に見とれてしまった(苦笑)。
 ここで、今回のツアーの目玉企画が登場。BONNIE曰く、「売れなかったため長らく封印して来た」デビュー・アルバム『Blue Jam』の曲を、観客にルーレットで選んでもらって演奏するという企画。ステージ上に『Blue Jam』の収録曲が書かれたルーレットが搬入され、回転するルーレットの的に向けてオモチャのボウガンを撃って演奏曲を決める観客が2人選ばれることに。今回のツアー、これまで鈴木さんがボウガンを撃つ観客を選んだことが無かったとの理由で、1人は鈴木さんが男性を選び、もう1人の観客は八橋さんが当然のように(苦笑)女性を選んだ。2人とも福井県から来られた方で、この2人が撃った結果は、“オレンジ”と“Too Young To Stop Loving”...。“背中”がフェイヴァリットな私的には、最もつまらない組み合わせになった(苦笑)。『Blue Jam』の中でもクリスマス・ソングであるとの理由で唯一封印から逃れてたデビュー・シングル“オレンジ”を、名前は「ピンク」だし、アルバムは「ブルー」だし、髪の毛は「赤」だし、シングルは「オレンジ」...君ってカメレオンみたいだね...と言われたエピソードを交えつつ歌い終えたBONNIE、続く“Too Young〜”では、照れからか、この曲を歌うには「too old」かもしれませんが、気分だけでも「too young」な気持ちで...と自らを奮い立たせるかのように話してから歌う。バンド・メンバーたちも『Blue Jam』からの曲はどの曲が当たるか分からず事前のリハーサルが不十分なためか、譜面を観ながら演奏してたのが印象的(苦笑)。
 BONNIEとギターの八橋さんを残して、他のメンバーは一旦ステージを去り、指定席の観客は座席に就く。ここで、BONNIEと八橋さんのトーク・タイム。『ツタンかーつら』と金沢金箔のほかに、「甘エビ」とか、「石川さん」(苦笑)というアイディアもあった...と、BONNIEが紹介するとすかさず「僕の『あんころもち』というアイディアは即却下されました」と八橋さん。ステージ向かって左側のフロアの壁に飾られた「19」の文字をかたどったオブジェを紹介すると、「来年は20周年なので、アルバム作ってまた金沢に戻ってきます」と宣言し、12月16日の東京でのツアー・ファイナルの宣伝したBONNIE、八橋さんのギター1本をバックに“Grow”を熱唱。残りのメンバーがステージの戻って来たところで、“Home Sweet Home”を披露したBONNIE、曲が終わるとギターを構え、「私が♪fish〜と言ったら、手で魚(のかたち)を作って下さい」などと観客にお願いする。曲は勿論、“Fish”。BONNIEが♪fish〜と歌う度に観客が両手で魚の頭の形を作ってジャンプする。曲が終わると、ちゃんと魚の形を作ってくれた観客たちに御礼を言ったBONNIE、「自分でやらせておいてこういうことを言うのもなんだけど、『魚』というより、『ロケット』みたい」(苦笑)。次の曲もアルバム『Let go』からの“Call My Name”。この曲の終盤では、各メンバーのソロも交えてのメンバー紹介があった。“Call My Name”のアウトロのドラムの締めからなだれ込む形でそのまま伊藤さんが叩き出したドラムのフレーズは、“Heaven's Kitchen”! この曲で腕を振り上げながらファンが大合唱して盛り上がると、次の曲が最後の曲になると宣言したBONNIE。エ"エ"〜〜〜ッ!...と異口同音に不満を口にする観客たち。なかには、ライヴの始めからもう一回演奏し直しして欲しいと懇願する声も...(苦笑)。来年、またアルバム持って金沢に戻って来るから...とファンをなんとかなだめてから、「みんな、スマイルを私に(下さい)」とBONNIE。“Private Laughter”のイントロの笑い声のS.E.が場内に流れ、最後の1曲として、この“Private Laughter”を熱唱すると、BONNIEはもう一度ひとりひとりバンド・メンバーを紹介し、ステージを去った。
 観客がアンコール要求の手拍子をしていると、BONNIEとバンド・メンバーの3人が(特にツアー・グッズに着替えるということも無く)ステージに戻って来た。観客たちに「生きてるかぁ〜〜〜!」と声をかけ、観客たちの「オオ〜ッ!」という声が満足いくほど大きくなり、声が揃うまで繰り返し声を出させたBONNIE(苦笑)。アンコール最初の曲は、ファンも納得の“Tonight, The Night”。場内、大いに盛り上がり、いよいよ曲が終わろうという段になって奥野さんがまた『ツタンかーつら』を被ってる。歌い終わって振り向いたら奥野さんが『ツタンかーつら』を被ってるのを観て「いつの間に...」と呆れるBONNIE、奥野さんから『ツタンかーつら』を受け取って被ろうとするも、頭の「リンゴ」が邪魔して被れないため、もっと被り易そうなひとに...ってことで、伊藤さんに被らせた。さらに、鈴木さんにも被らせると、「僕と伊藤君と同じ事務所なんだけど、社長に(こんな酷い目に遭っていると)言わなきゃいけない」などと鈴木さん。まだ『ツタンかーつら』を被っていないのは八橋さんだけとなったけど、「(富山出身のため)母親が観に来てるのに、そんなモノを僕に被らせるんですか!」と拒み続けてた。しかし、観客の後押しを受けて、案外アッサリと『ツタンかーつら』を被った八橋さん(苦笑)。この流れに、「あまりフザケてるとコミック・バンドになっちゃう。これから真面目な曲を歌おうと思ってるのに...」と、軌道修正を図るBONNIE。最後に、その真面目な曲“Last Kiss”を演って、この日のライヴは終わった。
 彼女の最大のヒット曲“A Perfect Sky”がセットから落ちて、ある種の潔さを感じた。来年のデビュー20周年の記念ツアーはどういう趣向があるのか、今から楽しみ。『ツタンかーつら』を超えるネタは果たして出るのか?(爆笑〜!!!)

【SET LIST】...'14.11.20 金沢・Eight Hall
1. Is This Love?
2. 再生
3. Busy-Busy-Bee
4. Rise and Shine
5. Suki-KILLER
6. Evil And Flowers
7. Building a Castle
8. Only For Him
9. オレンジ
10. Too Young To Stop Loving
11. Grow
12. Home Sweet Home
13. Fish
14. Call My Name
15. Heaven's Kitchen
16. Private Laughter

(encore)
1. Tonight, The Night
2. Last Kiss

BONNIE PINK live @ 21st Museum Of Contemporary Art, Kanazawa '13.10.17

BONNIE PINK live @ Kanazawa Eight Hall '12.9.29

BONNIE PINK live @ 21st Museum Of Contemporary Art, Kanazawa '11.10.19

BONNIE PINK live @ Nagoya Bottomline '10.11.20

BONNIE PINK live @ Kanazawa Eight Hall '09.07.12

BONNIE PINK live @ Kanazawa City Bunka Hall '07.9.14

BONNIE PINK live @ Niigata Lots '06.9.18

BONNIE PINK live @ Ishikawaken Bunkyou Kaikan '05.10.28

BONNIE PINK live @ Namba Hatch '03.3.29

BONNIE PINK live @ Osaka Sangyo University '02.11.3

Bonnie Link (BONNIE PINK fan club) 1st meeting '01.12.26

BONNIE PINK live @ Kanazawa AZ Hall '01.12.5

Bonnie Pink live @ Shibuya Koukaidou '00.8.26

Bonnie Pink live @ Niigata Phase '00.7.27

Bonnie Pink live @ Shibuya Koukaidou '98.7.26

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