ヒロくんのLIVE REPORT '15 PART 9 BONNIE PINK

 BONNIE PINK(以下、BONNIE)のデビュー20周年を記念した『20th Anniversary TOUR 2015』を、11月20日に金沢・Eight Hallで観て来た。奇しくも、ちょうど1年前にツアー『Almost 20』で観た同じ日、同じ会場でまたBONNIEを観ることになろうとは。映画館だった建物を改装した会場の狭いフロアの前方約2/3にはイスが並べられており、指定席になってる。残り1/3がスタンディングで、この後方で開演を待つ。観客の年齢層は高めで、30〜40代が多い印象。男女比は半々といったところ。Eight Hallは狭いからか『Present』のツアーの頃に使ってたBONNIEのロゴがステージ向かって左の壁に飾られてる。他の街の広い会場では、ステージのどこかに飾られてたのだろうか?
 ライヴが始まったのは、開演予定時間の7時を2〜3分ほど廻ってから。B.G.M.に乗ってステージにバック・バンド「Bad Bad Boys」の4人が登場し、それぞれの持ち場に就く。ギターの八橋義幸さんがシタール風のフレーズを弾くとそれはやがてファンには懐かしいイントロにつながってゆく。BONNIEが歌を乗せてそれは“Do You Crash?”になった。イス席の観客は皆立ち上がって、BONNIEとファンとで♪I do~I do~...の合唱になって初っ端から盛り上がる。曲が終わると「こんばんは、BONNIE PINKです」と挨拶したBONNIE、「Bad Bad Boysと一緒に楽しんでいきましょう!」と観客を煽る。曲は勿論、“Bad Bad Boy”で、タンバリンを振りながら歌うBONNIE。ツアーの衣装は結構奇抜なものが多かったBONNIEだけど、今回は、年相応の落ち着いた衣装だった。Bad Bad Boysは八橋さん(g.)、奥野真哉さん(key.)、白根賢一さん(ds.)、そして、鈴木正人さん(b.)...というファンには馴染みのメンバー。鈴木さんはいつもエレキ・ベースの他にスティックやウッド・ベースを弾くけど、今日はステージが狭すぎるからか、エレキ・ベースしか用意していないようだ(苦笑)。ふとフロアを見渡すと、
前回の金沢公演で大いに盛り上がった『ツタンかーつら』(ツタンカーメン風のかつら)を被った観客の姿が目に入ってドッキリ! これ見て、「ああ、オレも『ツタンかーつら』買っとくべきだった」と敗北感に打ちひしがれてた私は、早くもビールの酔いが廻ってたんだろう、たぶん(苦笑)。曲が終わって「BONNIEです、こんばんは〜」と金沢のファンに挨拶したBONNIE、目ざとくツタンカーメンを発見し、「前回も来たくれたかただ」と反応(苦笑)。「夏が大好きなので、夏ソングをいっぱい用意して来た」となど言って、「“日々草”」と曲紹介。この曲を聴いてると、10年前の『Golden Tears』のツアーを思い出す。次の曲“ナツガレ”では、タンバリンを置いたBONNIEのフリに合わせて手を掲げながら♪hot〜hot hot〜と、ファンが合唱。夏ソング・シリーズの最後として、BONNIEの最大のヒット曲“A Perfect Sky”が早くも登場。いつもよりテンポ・ダウンしユッタリしたヴァージョン。勿論、この曲のサビの部分ではBONNIEと観客で♪looking for a perfect sky〜の掛け合いがあった。「どうもありがとうございます」と観客に挨拶したBONNIE、金沢の観客の熱気に「熱いね、まだまだ夏だね」と驚いてみせると、「夏ソングで認知していただいているところもあるので、メゲずに“A Perfect Sky”を上廻る夏ソングを書きたいな、と思います」などと“A Perfect Sky”超え挑戦を宣言。「ここからは懐かしい曲、古い曲を演る」と言ってBONNIEがエレクトリック・ピアノに就き曲紹介。「“Eve's Apple”」。この曲を歌い終わると、ピアノから離れ、“金魚”へ。名曲“金魚”を熱く聴かせた後、「盛り上がっていきますか!?」、「yeah〜!」、「パワーは有り余ってますか!?」、「yeah〜!」、「踊りたいですか!?」、「yeah〜!」BONNIEと観客で掛け合いをしてから、「昔の曲をメドレーでパパパッ〜と歌う」とBONNIEが言い、“かなわないこと”からメドレーがスタート。“It's gonna rain!”を挟んでなだれ込んだ“Silence”ではギターの八橋さんとベースの鈴木さんと3人で息のあったスライディング(左右に行ったり来たり)を披露。この“Silence”では奥野さん、八橋さん、鈴木さん、白根さんの順に、それぞれのソロ・タイムを交えてのメンバー紹介があった。初期メドレーの〆は“犬と月”でだったけど、“犬と月”はフルでキチンと聴きたかった。再びピアノに戻り、“眠れない夜”を披露したBONNIE。この曲を聴くと、私が金沢でBONNIEを初めて観た2001年の『Just A Girl』のツアーのことを思い出す。あの時もギター(の1人)は八橋さんで、家族が観に来てた(苦笑)。
 「BONNIE、結婚おめでとう!」とファンから声がかかると、場内の観客からBONNIEに拍手が送られる。「ありがとう! そうなの、結婚しちゃったの」とBONNIE、「『Yahoo! トピックス』みたいなところに出ちゃって、恥ずかしい」と言いつつ、「BONNIEは結婚、どうなのかな?...」とファンに心配してもらってたなか、「何とか(嫁に)行けまして(苦笑)、でも変わらず生活は淡々と送ってまして...」と生活じたいに大きな変化は無いことを強調し、「(結婚したからといって)ハッピー、ハッピーな曲ばかり書いちゃうと、『BONNIE、終わったな...』と言われちゃうし、3rdアルバムのような暗いBONNIEが好きってファンも結構居る」と創作活動に大きな影響は無いことを強調。「アルバムは来年こそ出す!」と宣言し、3年半ぶりの新曲“Spin Big”を紹介。「『BONNIE PINKらしい曲を』と言われることが多いけど、どこに『BONNIE PINKらしさ』があるのか今さら分からないというか、『“ A Perfect Sky”がBONNIE PINKだし』という人も居れば『“Last Kiss”みたいのがイイ!』とか、はたまた『もっとロックなのがイイ』とか、『BONNIE PINKらしさ』っていうのはきっと聴く側のみなさんのそれぞれのなかにバラバラに存在してると思うので。だから、『自分らしい曲』ってのを気にし過ぎると(曲を)書けなくなっちゃうので、(曲を書いている)その時の気分に素直に選んだのが“Spin Big”だった」と創作の背景を吐露し、「事態は絶対好転する」という意味を込めた“Spin Big”を披露。この日のBONNIEは殆どギターを弾かなかったけど、この曲だけはアコースティック・ギターを弾きながら、熱唱。アルバム『Golden Tears』から“You Got Me Good”、“Monster”を続けて披露(あまりにも聴くのが久しぶりで、存在を忘れてた...苦笑)。曲が終わると、BONNIEがステージから姿を消し、演奏陣のみでジャム・セッションをやってる。BONNIEの衣装替えのための時間稼ぎかと思ってたら、場内に♪c-c-c-cookie〜とBONNIEの声(おそらく、サンプリング)が流れる。これから演る曲が“Cookie Flavor”だってことは分かったけど、ステージにはBONNIEはまだ戻って来ない。いつBONNIEがステージに戻って来るかとステージ上を注視してたら、その裏をかくように、フロア後方からバスケットを持ったBONNIEが現れ、クッキーを観客に配りながらステージに向かって歩いていく。ステージに登って歌い始めたBONNIE、曲の中盤からは観客に♪c-c-c-cookie〜...といろんなリズム・パターンやメロディーで合唱させたBONNIE、Bad Bad Boysと絡み始める。白根さんにはクッキー・モンスターのマネをさせ、バンマスの鈴木さんには森 進一のモノマネをさせた(いきなりフられ、鈴木さんには気の毒だった...苦笑)。八橋さんには井上陽水、奥野さんにはふなっしーのマネをそれぞれ強要(苦笑)したBONNIE、さきほど観客に配ったクッキーにはBONNIEのサインがしてあったことを明かし、バスケットに余ってたクッキーをフロアの希望者に向けて投げ入れてた。「『まだまだ行きたい!』と言うかた!」とのBONNIEの問いに多くの観客が「yeah〜!」と応える。「『もっと歌いたい!』と言うかた!」、「yeah〜!」、「演歌みたいにこう、腹から『うぁ〜〜〜!』と言いたいひと!」、「yeah〜!」とやりとりが続いた後、“冷たい雨”へ。この曲のエンディングから続けざまに白根さんがファンに馴染みのフレーズを叩き出す。“Heaven's Kitchen”だ! ファンが皆腕を振り上げ、♪heaven's kitchen!〜と大合唱し、盛り上がる。曲が終わると「thank you〜!」と御礼を言ったBONNIE、「みなさん、楽しんでますか?」と訊く。観客が「yeah〜!」と応えると、両手を上げ下げするだけの簡単な振り付けを観客に施したBONNIE、最後の曲“人生ゲーム”へ。単純な振り付けながら、1曲通してひたすら手を上げ下げするのは、疲れた(苦笑)。曲が終わると、「どうもありがとう! また会いましょう、BONNIE PINKでした〜!」と挨拶して、BONNIEは一旦ステージを去った。
 ファンのアンコール要求の手拍子を受けて、ステージに戻って来てくれたBONNIE、まずは、ツアーグッズの紹介。ウィンドブレーカーと手ぬぐいの宣伝に力が入るBONNIE、「金沢は熱いですね。サイコー!」と金沢のファンを誉める。観客から「BONNIE、生きてりる?」と問われ、「生きてるよ」と答えたBONNIE、ツタンカーメン男に気付き、「ツタンカーメン、生きてるか? ずっとそれ被ってたの?」と訊くと、ツタンカーメン男は途中脱いでたと答えた模様(苦笑)。もともと
前回の金沢公演で奥野さんが「ツタンかーつら」を被って大いにウケたのが全ての発端なことから、「今日、持ってこればよかったのに」とBONNIEに言われた奥野さん、「持って来るの、忘れたんです」(苦笑)。「懐かしい曲、“Joy”を聴いて下さい」とBONNIEから曲紹介があり、アンコール1曲目として“Joy”を熱唱。曲が終わると、長らくリリースの無いニュー・アルバムについて、「待ってて下さい。来年出します、絶対!」と2016年中のリリース宣言をしたBONNIE、「また金沢には必ず戻って来ますので、また会いに来て下さい」と話すと、金沢の観客から熱い拍手が送られる。最後の曲として「もう1回“人生ゲーム”行きますか?」という冗談を言うBONNIE。手の上げ下げが疲れたからもう“人生ゲーム”はイヤだったけど、「もう1回演って〜!」とねだる客が居る。BONNIEは「明日、名古屋(公演)に来て下さい」と躱し、最後の曲として“Private Laughter”を披露。曲が終わると「ありがとうございました〜!」と御礼を言ってから、Bad Bad Boysをひとりずつ紹介してからステージを去った。
 殆どギターを持たず、歌と動作による盛り上げに徹した印象が強いライヴ。BONNIEの20年を総括するにふさわしい内容だけど、無視されたアルバムがあったのが悲しい...。

【SET LIST】...'15.11.20 金沢・Eight Hall
1. Do You Crash?
2. Bad Bad Boy
3. 日々草
4. ナツガレ
5. A Perfect Sky
6. Eve's Apple
7. 金魚
8. Medley (かなわないこと〜It's gonna rain!〜Silence〜犬と月)
9. 眠れない夜
10. Spin Big
11. You Got Me Good
12. Monster
13. Cookie Flavor
14. 冷たい雨
15. Heaven's Kitchen
16. 人生ゲーム

(encore)
1. Joy
2. Private Laughter

BONNIE PINK live @ Kanazawa Eight Hall '14.11.20

BONNIE PINK live @ 21st Museum Of Contemporary Art, Kanazawa '13.10.17

BONNIE PINK live @ Kanazawa Eight Hall '12.9.29

BONNIE PINK live @ 21st Museum Of Contemporary Art, Kanazawa '11.10.19

BONNIE PINK live @ Nagoya Bottomline '10.11.20

BONNIE PINK live @ Kanazawa Eight Hall '09.07.12

BONNIE PINK live @ Kanazawa City Bunka Hall '07.9.14

BONNIE PINK live @ Niigata Lots '06.9.18

BONNIE PINK live @ Ishikawaken Bunkyou Kaikan '05.10.28

BONNIE PINK live @ Namba Hatch '03.3.29

BONNIE PINK live @ Osaka Sangyo University '02.11.3

Bonnie Link (BONNIE PINK fan club) 1st meeting '01.12.26

BONNIE PINK live @ Kanazawa AZ Hall '01.12.5

Bonnie Pink live @ Shibuya Koukaidou '00.8.26

Bonnie Pink live @ Niigata Phase '00.7.27

Bonnie Pink live @ Shibuya Koukaidou '98.7.26

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