TEGAN AND
SARA--Sainthood
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(import :
Vapor/Sire 521124-2)
ニール・ヤング主宰の『Vapor』レーベルからリリースされた、カナダはカルガリー出身のティーガンとサラの双児のQuin姉妹によるデュオによるアルバムで、最初の自主制作盤を除いて5枚目になる作品。
デビュー当時はアコースティック・デュオだったという彼女たち、この作品からはその片鱗すらうかがえないくらい(苦笑)かしましいポップを演ってる。バックはバンド演奏でフツウのロックとなんら変わらないうえ、ピコピコとシンセが入ってエレ・ポップ的な味付けもなされている。2人のヴォーカルもクセのあるキャンディー・ヴォイスで、デビュー当時のシンディ・ローパーみたいな元気なガールズ・ポップを求めてるひとにオススメしたいと思います。
彼女たちには『FUJI ROCK FESTIVAL
'01』への出演歴もあり、アルバム『ディス・ビジネス・オブ・アート』(2001)と『ソー・ジェラス』(2004)は日本でもリリースされていた。書き割りの穴から顔を出してるコミカルなアートワークをもち、内容も充実した本作で、再び日本でも話題となり、『FUJI
ROCK
FESTIVAL』に出演出来ることを期待したいものです。
R.I.Y.L. :
初期のCyndi Lauper
(2010.1.28)
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THE
THORNS--The Thorns
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(国内盤 : ソニー
SICP-412)
日本で根強い人気を誇るシンガー/ソングライター、マシュー・スウィートが、日本では無名に近いけどアメリカでは人気のシンガー/ソングライター、ショーン・マリンズとピート・ドロージと組んだ「シンガー/ソングライターが3人居るプロジェクト」ザ・ソーンズの1stアルバム。
アコースティック・ギターを携えた3人が草原でたたずむ図柄のアルバム・ジャケットが示すとおり、アメリカの大地に根ざしたカントリー色/フォーク色が濃いサウンドに仕上がってます。マシューのソロのようなロック・サウンドは聴かれないものの、3人のヴォーカリストの織り成すヴォーカル・ハーモニーの妙や、卓越したソングライターが3人一緒に創り磨いた楽曲の素晴らしさが堪能出来る「なごみ系」の好盤。
マシューが今年出したソロの『キミがスキ・ライフ』のサウンドの粗さが気になってたひとは、こちらを聴いてみて下さい。
R.I.Y.L. :
MATTHEW SWEET、CROSBY, STILLS & NASH
(2003.10.31)
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THE TING
TINGS--We Started Nothing
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(国内盤 : ソニー
SICP-1871)
洋楽ロック・メディアの一部で話題の2人組、ザ・ティン・ティンズのデビュー盤。
男1人と女1人のデュオ編成、どこか頽廃的空気が漂う2人のヴィジュアルからザ・キルズのようなアブナイ香りのする硬派なロックを想像したんだけど、実際に聴ける音はエレ・ポップ。勿論、インディーズ出身だけあって、メジャーが多額の投資をして送り込んでくるポップ・アーティストたちとは違い、全般的に音数が少なく、シンプル。電子音がピコピコ入るところなど、かなりチープ(苦笑)。
ケイティ・ホワイトのヴォーカルはパンクふうの楽曲では威勢よく、ポップな曲ではキュート。楽曲によって巧くヴォーカル・スタイルを使い分けてる。表情豊かなケイティのヴォーカルがこのバンド(というか、ユニット)の生命線だと思います(たぶん、多くのリスナーが同じ意見だろうケド...苦笑)。
このアルバム、聴いてるだけで元気になってくるので、朝の通勤時のお供によく聴いてます。
R.I.Y.L. :
BLONDIE, GARBAGE『Beautifulgarbage』, Avril
Lavigne
(2008.9.5)
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TOOL--Lateralus
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(国内盤 : ゾンバ
ZJCI-14003)
ロック界の怪人・メイナード・ジェイムズ・キーナンをフロントに据えたアメリカのモダン・ヘヴィー・ロック界の巨人、トゥールの3rd。メイナードのことを『歌うひとり山海塾』(笑)と形容するの見たことありますが、その表現が実に言い得て妙...と思えるほど、前衛舞踊のBGMにピッタリ!(笑) 民族音楽的リズムを多様してて、全体的にウネウネしてます。何かスピリチュアルな感覚に訴えかけてくるものが多い。じっくり対峙したい音。アートワークもヘンです(笑)。
R.I.Y.L. : A
PERFECT CIRCLE, SISTERS OF MARCY
(2001.6.30)
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THE
USED--The Used
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(国内盤 : ワーナー
WPCR-11394)
モルモン教の総本山、アメリカのユタ州出身の新人4人組。いきなりデス声っぽい絶叫が聴こえて来た時には、いったいどーなることかと思ったけど、曲が進んでいくにつれ、オフスプリングの♪あは〜んあは〜ん〜並みな『お馬鹿バンド』と判明(笑)。ヴォーカルがハイトーンだからイヤでもオフスプリングを思い出す(苦笑)。ミクスチャーな要素は無いけどゼブラヘッドっぽくもある。“The
Taste Of Ink”や“Say Days Ago”、“Buried Myself
Alive”など、曲がポップで突き抜けてる。なんといっても、暗いところがないのがイイ(頻繁に絶叫が入るけど...笑)。ちょっと青臭いところもあるけど、ブリンク182やSUM
41あたりが好きなひとも是非聴いて下さい。
R.I.Y.L. : THE
OFFSPRING、ZEBRAHEAD
(2002.12.31)
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U2--All
That You Can't Leave Behind
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(国内盤 :
ユニバーサル UICI-1002)
今さらU2なんて...と斜めに構えて聴いてたら、意外に良かった(笑)。ただ、昔のU2を「筋肉で引き締まった体」だとしたら、今のU2は「脂肪でゆるんだカラダ」みたいで悲しい(笑)。でも、少なくとも「肉がゆるんだ腹を隠そうとし」て斬新な音にこだわりみせて若ぶった前作『POP』よりはイイし、若ぶろうとしない今回のU2の態度は潔くて好感持てる。『ヨシュア・トゥリー』や『魂の叫び』の頃のU2が歳相応に熟成した音。
R.I.Y.L. : 『The
Joshua Tree』、『Rattle And Hum』
(2000.12.26)
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バニラビーンズ--バニラビーンズ
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(国内盤 :
徳間ジャパン TKCA-73412)
音楽雑誌『CROSSBEAT』連載の吉田 豪のコラム『豪ing
アンダーグラウンド』内の『吉田豪の今月の一枚』で、紹介されてたのを読んで興味を持った、RENAとLISAの2人による自称スウェディッシュ・ポップ・デュオのデビュー・アルバム。
若杉公徳が描くマンガ『デトロイト・メタル・シティ』の主人公の根岸崇一が好みそうな(笑)オシャレなスウェデッシュ・ポップ風の歌謡曲(爆笑〜!!!)を演ってる。殆どの歌が2人のユニゾンであり、たまに1人ずつ歌うパートがある程度。決して、歌は上手くない。ピンク・レディーやWINKのようなアイドル・ユニットに、歌謡曲ではなく、スウェディッシュ・ポップを歌わせたところが今ふうなんだろうけど、アルバム前半のサウンド・プロダクションは結構本格的な仕上がり。しか〜し、アルバム後半に収められてる曲は(“気まぐれなパレットタイプ”のように)スウェデッシュ・ポップっつうよりも'50年代〜'60年代のゴールデン・ポップスふうのサウンドだったり、ボーナストラックとしてCDの最後に収録されてるリミックス3曲がアルバムのトータル・コンセプトをブチ壊しにしてたり、「スウェディッシュ・ポップ・デュオ」でいくという方針と戦略が早くも壁にぶつかってるような...(苦笑)。
...ということで、アルバムを聴いてるとあまりのくだらなさに、ついつい頬が緩んでしまう私です(爆笑〜!!!)。
ちなみに、“気まぐれなパレットタイプ”、“あしたはあしたの夏がくる”、“ニコラ”あたりがお気に入り。
なお、初回生産分には、4種類のトレーディング・カードが封入されてます。私が買ったのにはRENAのカードが付いてました(苦笑)。
R.I.Y.L. :
セラニポージなど
(2009.11.10)
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VERSUS--Hurrah
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(import : Merge
MRG-186)
このバンド、別項で特集組んでるけど、ホントにこの作品イイわ(笑)。U.S.ギター・ポップ・バンドなんだけど、時折ソニック・ユース風になるものの、青春歌謡的ポップ・ソングが延々とつづく。女性ベーシスト兼サイド・ヴォーカルのFontaine嬢がイイ味だしてます。ギター・ポップ・ファンにオススメ! →詳細はこちら。
R.I.Y.L. : YO LA
TENGO、SONIC
YOUTH、ハイファイセット、サーカス
(2000.11.26)
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VERSUS--On
The Ones And Threes
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(国内盤 :
&レコーズ &077)
去年秋の+/-(plus/minus)のジャパン・ツアーにスペシャル・ゲストとして復活&来日したVERSUSが、2000年リリースの傑作『Hurrah』以来10年ぶりに放つ復活作。メンバーはRichard
Baluyut(g., vo.)、Fontaine Toups(b., vo.)の2人に、『Secret
Swingers』の頃まで参加してたEdward
Baluyut(ds.)の3人。+/-の活動で忙しいパトリック・ラモスは不参加、ジェームス・バリュヤットは1曲のみギターで参加(もう1曲はストリング・アレンジメントのみ関与)。
VERSUSの歴史を振り返ってみると、'96年の『Secret
Swingers』と'98年の『Two Cents Plus
Tax』まではポップなギター・ロックでありながらも一方ではアングラ・バンドの体臭をプンプンさせた楽曲が収録されていたけど、'00年の前作『Hurrah』ではそのアングラ臭を抑えてインディー・バンドとしての魂をポップさを保持しつつも取っ付き易く聴き易いギター・ポップへの進化をみせたため、ギタポ・ファンの間で大好評を持って受け入れられてた。10年ぶりとなるこのアルバムでも『Hurrah』の分かりやすさをそのまま推し進めたサウンドで、(アタマの2曲は気怠くアヤしい雰囲気だけど)全般的にホノボノとしたポップな曲が多く、聴き易いインディー・ギター・ポップとなった。Richard
とFontaineのヴォーカル・ハーモニーの妙は以前よりもさらに深化し、ドラマティックになってる。
ヴァイオリンの音色に乗ったFontaineのヴォーカルがイイ味出してて、徐々に盛り上があってく“Erstwhile”、軽快なノリのFontaineのヴォーカル曲“Into
Blue”と“Scientists”など、聴きどころも多い(Fontaineのヴォーカル曲ばっかりや!...苦笑)。
R.I.Y.L. : +/-,
Sonic Youth, The Dead Weather
(2010.10.29/2011.3.31)
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