浜田亜紀子--キラリ
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(国内盤 : BM tunes
bmcd-1006)
GO!GO!7188のベーシストとして活躍する「アッコ」こと浜田亜紀子のソロ・アルバム。
GO!GO!7188では作詞家とベーシストとして活躍するアッコが、作詞、作曲(“22”を除く)、リード・ヴォーカルを担当。自分の書いた歌詞世界をユウ(中島優美)に歌わせてるGO!GO!7188と違って、自分の歌詞世界を自分のうたで表現してるためか、GO!GO!7188よりもナマナマしく、色っぽく、乙女ちっく(笑)に仕上がってます。なかにはヴォーカルをユウちゃんに変えた途端にGO!GO!7188に聴こえそうな曲もあるケド(苦笑)、アッコがこのようにソロ・アルバムをリリースした心境が分かるような気がします。やっぱり、あの“こいのうた”を作詞したひとだけのことはあるよ、彼女(笑)。
同僚のターキー(GO!GO!7188)の他、ソウルフラワーユニオンの奥野真哉、JUDEの渡辺圭一、DMBQの吉村由加、THEE
MICHELLE GUN ELEPHANTのクハラガズユキ、Stereo Fabrication of
Youthの和田 勉など、多彩なゲストが参加。
R.I.Y.L. :
GO!GO!7188
(2003.10.31)
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JOHN
WESLEY HARDING--The Confessions Of St. Ace
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(import : Mammoth
MT-65503-2)
エルヴィス・コステロふうの男性シンガーソングライター、John
Wesley Harding
のアルバム。モロにコステロみたいな歌心あふれる世界が堪能できます。ただし、ジャケットが...(苦笑)。“Same
Piece Of
Air”という曲の歌い出しはメアリー・ルー・ロードの“Lights Are
Changing”にちょっと似てる(笑)。
R.I.Y.L. : Elvis
Costello、Ron Sexsmith、Mary Lou Lord
(2001.1.30)
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P J
HARVEY--Stories From The City, Stories From The
Sea
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(国内盤 :
ユニバーサル UICI-1001)
昔のような、一歩間違えればキワモノの『豊丸路線』(←何じゃ、そりゃ?...笑)を懐かしむ声もあるけど、一般大衆にもアピール出来るほど聴き易くなったね。だけど、独自のおんな全開の世界観は健在。レディオヘッドのトム・e・ヨークとのデュエット曲“This
Mess We're
In”はレディオヘッド・ファンも要チェック。『キッドA』のどの曲よりも聴き易いよ(笑)。
R.I.Y.L. : Patti
Smith、RADIOHEAD
(2000.12.26)
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P J
HARVEY--White Chalk
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(国内盤 :
ユニバーサル UICI-1058)
ポーリー・ジーン・ハーヴェイことP・J・ハーヴェイの7th。'90年代前半には新世代情念型女性シンガーとして後続に多大な影響を与え、シーンをリードしてきたポーリーだけど、前作『Uh
Huh
Her』では今までの方法論が時代の流れによって陳腐化したためか、どこか壁にぶち当たったような感が否めず、イマイチだった。そこでポーリーが採った新しい手とは...今までのサウンドにあった『熱い情念』が、すべて『醒めた狂気』に置き換わってる!!!(汗) 今までのポーリーの代名詞的な情念ドロドロ型サウンドを極力排除。ポーリーのヴォーカルも声を張り上げることも少なく、ジャケットのごとく暗闇に浮かぶ白い幽霊のよう。ポーリーのつぶやきを潰さないように、バックのサウンドもロック然としたものから、ピアノやアコーティックな旋律を中心としたものに置き換わった。
声を張り上げて暴れてる女と、包丁を手にしてじーーーっとこちらを凝視してる女のどっちがコワイか? 勿論、答えは後者でしょ?(苦笑)
R.I.Y.L. : Tori
Amos, Kristin Hersh
(2007.12.31掲載予定分を2008.1.29に掲載)
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畠山美由紀--Fragile
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(国内盤 : EMI
BFCA-83506)
Pote Of
Notesのヴォーカリストとしても活躍してた畠山美由紀さんのソロ第2弾は、時流に乗ってカヴァー・アルバム。とはいっても、掃いて捨てるほどある他の安易なカヴァー・アルバムと違い、その内容の充実ぶりは群を抜く。もともと歌唱力に定評があるかただけど、ここまで上手いとは思わなかった。細かい表情の付け方が絶妙で、表現力あふれた歌唱に、思わずウットリ。今も現在進行形で売れ続けてるノラ・ジョーンズの“Don't
Know
Why”のカヴァーにも果敢に挑み、ノラによるヴァージョンと同等もしくはそれ以上のモノを作り上げたチャレンジ精神も『買い』。学校の音楽の授業で歌ったりする“夏の思い出”(♪夏が来〜れば思い出す〜遥かな尾瀬遠い空〜)も、ヘタしたらイヤミになりがちなところ、そういうものを全く感じさせない仕上がり。ロック・ファンの耳にはオゲージュツし過ぎに聴こえるかもしれないけど、美しいものは素直に「美しい」と認めよう(笑)。サラ・マクラクランのファンに強く推奨!
R.I.Y.L. : Sarah
McLachlan, Norah Jones
(2003.1.31)
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JULIANA
HATFIELD--Beautiful Creature
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(国内盤 :
ロック・レコード ROCY-1093)
ソロ名義の本作と、バンド名義の『トータル・システム・フェイルアー』の2枚同時リリースのジュリアナ。前作『ベッド』ではラウドな部分が目立っていたが、今回、ひとりの人間としての『陰』と『鬱』の部分を全部バンド名義作品のほうに封じ込めたため、こちらのソロ名義のほうはアコースティック色が濃くて牧歌的な翳りなしの高純度ポップ・アルバムに仕上がった。ポップ・アルバムとしては、ソロ・デビュー作の『ヘイ・ベイブ』以来の完成度...いや、『ヘイ・ベイブ』を上回る。
日本盤にはポリスの“見つめていたい”のカヴァーのオマケ付き。イチ押し!!! →詳細はこちら
R.I.Y.L. : Mary
Lou Lord
(2000.6.10)
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JULIANA
HATFIELD--Made In China
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(import : Ye Olde
Records YOR-002)
ジュリアナ・ハットフィールド嬢の8枚目のアルバム(ジュリアナズ・ポニー名義も含む)。
2000年リリースのジュリアナズ・ポニー名義の『トータル・システム・フェイルアー』以後の作品に共通するようなダークでノイジーな音像に、相変わらず反則的なくらいキュートでカワユいジュリアナのロリ声ヴォーカルが乗る...という作風。そのなかでデビュー当時の彼女を思わせる明るくハツラツとした“On
Video”、アコースティック・ギター弾き語りの“Hole In The
Sky”などがどんよりとした曇天のなかの一瞬の晴れ間のようで(笑)耳を引きます。他に、全ての楽器をジュリアナひとりで演奏した宅録っぽい“Oh”などが面白い。
同期の仲間の多くが消息知れずになっている今、せっかくメジャー路線へと後押ししてくれた『Mammoth』と決別し、レーベル移籍を重ね、ブレイク・ベイビーズ再結成やサム・ガールズの結成など紆余曲折や迷走などもあり(苦笑)、お蔭で日本盤がリリースされなくなったりしながらも(苦笑)、10年以上も地道に活動を続けてる彼女を素直に応援したいものです。ただ、曲名に“Send
Money”ってタイトル付けて、♪if you want to pray for
me〜tell God to send me some
money〜...って歌うのだけはヤメてくれ〜!!!
R.I.Y.L. : BELLY, THE BREEDERS
(2005.12.12)
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JULIANA
HATFIELD--How To Walk Away
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(import : Ye Olde
YOR-006)
『オルタナの純真』(苦笑)とか『USインディー界のヒロイン』と呼ばれるジュリアナ・ハットフィールド嬢の9枚目のアルバム(ジュリアナズ・ポニー名義も含む。ライヴ盤『The
White Broken Line』は除く)。
アイヴィーのアンディ・チェイスがプロデューサーを務め、(その人脈からか)ファウンデインズ・オブ・ウェインのジョディ・ポーターがギターで数曲参加し、3曲でトレイシー・ボーナムがヴァイオリンを披露、ナダ・サーフのマシュー・カウズがバック・ヴォーカルで1曲参加し、ジュリアナの兄(?)のジェイソン・ハットフィールドが2曲で共作&共演(ピアノで参加)...と、1990年代のギター・ポップやオルタナが好きだったひとが涙を流して喜びそうなメンツが揃ってる(笑)。さらには、'80年代のニュー・ウェイヴ世代である元サイケデリック・ファーズのリチャード・バトラーもバック・ヴォーカルで1曲参加(“This
Lonely Love”)。
ジュリアナズ・ポニー名義の『トータル・システム・フェイルアー』(2000年)から前作『Made
In
China』(2005年)までは、ダークでノイジーなサウンドの作品が続いたけど、アルバムのアタマを飾る“The
Fact Remains”をはじめ、“Shine On”、“Now I'm
Gone”など、ソロ・デビュー時の『ヘイ・ベイブ』(1992年)や『ビカム・ホワット・ユー・アー』(1993年)を思い起こさせるようなポップでみずみずしい感触を持つ曲が多い。これはプロデューサーのアンディ・チェイスが持ち込んだポップ感覚か? それとも原点回帰? さすがに1992年当時のキュートさは無いけど、ジュリアナのヴォーカルは今もカワユいロリ声。
...というふうに、ここまでこのアルバムのもつポップな部分をさんざんアピールし、煽っておいてなんですが、私がこのアルバムのなかで一番気に入ってるのは哀愁漂う“So
Alone”です(苦笑)。一聴しただけで気に入った(笑)。この手の彼女の曲としては“Live
It
Up”(アルバム『ベッド』、ベスト盤『ゴールド・スターズ』収録)に匹敵する名曲ではないでしょうか?
R.I.Y.L. :
BELLY, IVY, FOUNTAINS OF WAYNE
(2008.10.16)
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ハートバザール--さいはて
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(国内盤 : EMI
TOCT-24590)
天然ポエム少女・石井皐月率いる日本の♂×2、♀×2の4人組のデビュー・アルバム。皐月サンの歌声はまるで少年のようで、真っすぐ直球勝負。主語を「ボク」にして歌われる詩といい、聴いた感触はまさにジッタリン・ジン春川玲子やリンドバーグ渡瀬マキ(笑)。だけど、今ふうのロックロックしたバックの音像からは浮遊して聴こえるんだよねぇ〜、皐月サンのヴォーカルは(笑)。皐月サンの書く詩は、青臭さを残しつつも、狂気も内包。オトコが歌ったら変質者そのものの“コレクター”、難しい熟語の羅列で聴いてるだけじゃあ何の意味やらサッパリ不明の“共鳴”などなど、詩の内容がチョーおもしろい(笑)。彼女の書く詩の内容知ったうえでアルバムのほうを聴き直すと聴こえかたが違ってきます(笑)。今、一番オモロいアーティスト(笑)。是非、天然ポエム少女が紡ぎ出す世界を訪れてやってください! →ハートバザールの詩の内容については、こちらへ。
R.I.Y.L. :
ジッタリン・ジン, リンドバーグ
(2001.12.18/12.20)
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H.I.M--Dark
Light
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(国内盤 : ワーナー
WPCR-12119)
地元・スウェーデンでは4枚のオリジナル・アルバムをリリース済みで、ヨーロッパではすでに人気バンドとなっているゴジック・メタル・バンド(自称『ラヴメタル』...苦笑)、H.I.M.
(His Infernal
Majesty)の日米デビュー・アルバム。日本盤も出ていないのに今夏の『SUMMER
SONIC
05』に出演したり、アメリカでは『Billboard』のアルバム・チャートで初登場18位を記録するなど、ワールドワイドで人気が盛り上がりつつある彼らの音楽について、ゴシック・メタルというつながりから「エヴァネッセンスが売れた今、次にウケるのはこのサウンドだ!」といった文脈で語られることが多いけど、実際のところ私がこのアルバムを聴いて思い出したのは、エヴァネッセンスでもマリリン・マンソンでもなく、にしきのあきらとか西城秀樹とか、1970年代の日本歌謡曲(爆笑〜!!!)。勿論、サウンドじたいは2005年の今にモディファイドされてっけど、西城秀樹が唄っても違和感のない曲が多々あるので笑ってしまった。あと、メタルと呼ばれるワリにシンセの音が前に出てるのところが'80年代産業ロックっぽいので、時代がひと廻りし'80年っぽいものがウケると言われる(ホントか?...苦笑)今に受け入れられてるんだろう。
“Under The Rose”が私のフェイヴァリット。
R.I.Y.L. : THE
MISSION, 西城秀樹(爆笑〜!!!)
(2005.11.28)
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H. I.
M.--Screamworks : Love In Theory And Practice, Chapters
1-13
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(国内盤 : ワーナー
WPCR-13801)
『ラヴ・メタル』を標榜するフィンランドのメタル・バンドの7枚目のアルバム。
ワールドワイド・デビュー作の前々作『ダーク・ライト』にて、フィンランド出身のバンドとして史上初めてアメリカでゴールド・ディスクを獲得するという快挙を成し遂げるなど世界各地で大成功を収めたが、前作『ヴィーナス・ドゥーム』はそのタイトルどおりドゥーム・メタルやストーナー・ロックっぽい要素があり、ポップさやメロディーに欠ける作風だったため、前々作ほどの成功は得られなかった。この作品では、6曲目の“Love,
The Hardest
Way”のイントロが『ダーク・ライト』1曲目の“Vampire
Heart”のそれを思わせるなど、成功した前々作のサウンドを意識した内容になっており、ポップでメロディアスで、一般大衆にも分かりやすいような音楽を演ってる。西城秀樹など'70年代の日本の歌謡曲っぽい独特な臭みも戻った(苦笑)。タイトルどおり13章(13曲)から成るコンセプト・アルバムとなっているけど、音を聴く限りにおいてはトータル性はあまり感じられず、独立した楽曲が13曲入ってる作りになってる。
個人的には、ピコピコ電子音のイントロが面白い“In The Arms
Of
Rain”、サビのメロディーがキャッチーでエンディングのヴィレ・ヴァロのシャウトが印象的な“Like
St. Valentine”などが気に入ってます。
R.I.Y.L. : THE
MISSION, 西城秀樹とかの'70年代の歌謡曲
(2010.6.22)
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平絵里香--顔色スピーカー
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(国内盤 :
ミューチャー・コミュニケーションズ PYCE-2002)
石井竜也のやってるラジオ番組『ASAHI SUPER DRY MUSIC
ALIVE』(TOKYO-FM系)で注目アーティストとして紹介されてるのを聞いてその存在を知った「歌う人」平
絵里香(ヒラ エリカ)の1stフル・アルバム。
(石井竜也もラジオ番組中でそのような形容をしてたけど)乱暴に言ってしまうと、アコースティック・ギターを持った『椎名林檎以降型女性シンガー』(苦笑)。10代の頃からフォーク・ソングに入れ込み、路上で弾き語りを行っていた...というバック・グラウンドがある彼女、このアルバムの収録曲の殆どはバンド演奏をバックにしてて、残念ながらアコギ1本での演奏というのは無いけど、路上ライヴの積み重ねが感じられるリアルな「うた」が聴けます。まだ20代中盤くらいだろうけど、ミョーに貫禄のある歌声してて、結構好き嫌いが分かれるかも。一番印象に残る曲は、やっぱ代表曲とされる“鳥ロケット”ですねぇ...。♪頭が悪いの〜...という歌詞が印象に残る“眠れない部屋”、“幸福な体温”もイイです。
R.I.Y.L. :
椎名林檎以降の女性シンガー
(2006.4.30)
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