VAULT...過去のオススメ盤

RECOMMEND TOP A B C D-E F G H I-K L M N-O P Q-R S T-V W-Z O.S.T./V.A

SAINT ETIENNE--Sound Of Water

(国内盤 : 東芝EMI TOCP-65417)
 前作『グッド・ユーモア』のようなトーレ・ヨハンソン路線を期待してたので、EBTG路線のような感触に一聴して「ダメだ、こりゃ...」と『いかりや状態』になってしまったが、聴き込んでるうちに、これはこれでいいんじゃない?ってなふうに感想が変わって来た。前作にあふれてたみずみずしさは無いけどネ。

R.I.Y.L. : lately EVERYTHING BUT THE GIRL

(2000.7.20)

SAVES THE DAY--Stay What You Are

(国内盤 : ビクター VICP-61429)
 アメリカのニュージャージー出身の5人組のパワーポップ・バンドの3rd。平均年齢21歳!...ってことが物語る青臭いパワーポップが全編で炸裂〜!!! ウィーザーの新作が期待してたほど傑作じゃなかった(でも、駄作じゃないよ...笑)と思っていた私は、これを聴いて今のウィーザーに足りないモノが何か解りました。疾走感と青臭さ。特にこのアルバムでふりまかれる青臭さは、もう若くない私にとって気恥ずかしさを感じさせるほど(笑)。この作品を聴いてると、私は頬を赤らめる(笑)。ポッ!

R.I.Y.L. : SUMMERCAMP, WEEZER

(2001.12.18)

SAVES THE DAY--In Reverie

(import : Dreamworks dw-0001-2)
 セイヴズ・ザ・デイの4枚目のアルバム。オープニングの“Anywhere With You”のイントロのザラついた粗めのギター・サウンドを耳にした時、大きな変化を予感させたけど、相変わらず「セイヴズ・ザ・デイ節」ともいえる胸キュンな青春ポップ・サウンドを披露してます。前作ではあまりにも青臭さを振りまいていたため聴いてて気恥ずかしさを感じてしまったけど、今回はギター・サウンドが粗めなのが奏功し?(笑)恥ずかしくなるまでの青臭さは、無い(笑)。
 ところで、日本盤はどーした?

R.I.Y.L. : SUMMERCAMP, WEEZER

(2004.3.31/2007.11.21)

SAVES THE DAY--Under The Boards

(国内盤 : エキサイト XQCZ-1010)
 セイヴス・ザ・デイの6thアルバム。エモがブームとなる前からエモなサウンドを出していた彼ら、本作でも10代のような青臭さを漂わせたギター・ポップを披露してる。
 今年は、彼らと同じくエモの代表格と看做されてるジミー・イート・ワールドの新作が出たり、彼らのフォロワーとも言えそうなボーイズ・ライク・ガールズがデビューしたり...と、同類項的なサウンドを耳にする機会が多かったけど、これらの作品はメジャーからのリリースのためか音が整理され過ぎているためか刺激が足りず、イマイチ胸にグッと来るようなモノはなかった。セイヴス・ザ・デイの場合、今回もインディーズの『Vagrant』からのリリースで、サウンドもオーヴァー・プロデュースされることもなく、ギターもノイジーで、音のひとつひとつが生々しくリアルなためか、このアルバムを聴いてるとイロイロと耳と心に引っ掛かってくるモノがある。クリス・コンリーのなかなか歳を取らない、青臭いヴォーカルがある限り、今後もこのような作品を作り続けていってくれることでしょう。

R.I.Y.L. : HOT ROD CIRCUIT, WEEZER, SUNNY DAY REAL ESTATE, SUPERCHUNK

(2007.11.30/12.1/2008.11.9)

SHEA SEGER--The May Street Project

(国内盤 : BMG BVCP-21185)
 『ヤイコ』こと矢井田瞳の『SUMMER FESTIVAL SOUND of CLOVER』の大阪会場に呼ばれ、『SUMMER SONIC 2001』にも出演する20歳の女性シンガー、シェイ・シーガーのデビュー作。テキサス出身というのもうなずけるほど、声は典型的アメルカの田舎のネェチャン...といった感じ。シェリル・クロウやルシンダ・ウィリアムズっぽい声質で、アコギ片手にドロ臭い曲歌うのに適した声してるんだけど、バッキング・トラックはループや打ち込み主体で、『この声にはこの音』的な予定調和や『お約束』から逸脱してて面白い。8曲目の“Always”にロン・セクスミスがゲスト参加してるけど、彼の存在感が希薄過ぎて気が付かなかったくらい(ホントの話...苦笑)、彼女は自身の『うた』と音を主張してます。

R.I.Y.L. : SHERYL CROW, LUCINDA WILLIAMS

(2001.8.5)

SEMISONIC--All About Chemistry

(国内盤 : ユニバーサル UICC-1012)
 アメリカのバンドなんだけど、どちらかといえばアメリカで流行りの疾走感重視の今ふうのパワーポップ系や、娯楽感を前面に出したミクスチャー系と一線を画し、ポップ感覚を前面に出した3人組の3rdアルバム。前作からは日本でも“Closing Time”が話題になったけど、今回もそれに勝るとも劣らない楽曲がめじろ押し。'80年代に人気あったレヴェル42やアウトフィールドといったあたりの英国のバンドからの影響を感じます(笑)。あの手のバンドが好きだったひとは是非、聴いてみて下さい(笑)。個人的にはアルバムのなかでも重めの“Bed”が好きなんだけど(笑)、このバンドの本質は“Chemistry”や“Get A Grip”といった楽曲にみられるポップさ。ジャケットも面白い!(笑)

R.I.Y.L. : FASTBALL, LEVEL 42

(2001.6.30)

少年ナイフ--fun! fun! fun!

(国内盤 : P-VINE PCD-25056)
 少年ナイフ(以下、ナイフ)の2年ぶり13枚目のアルバム。
 前作『GENKI SHOCK!』リリ−ス後、サポート・ドラマーだった えっちゃんを正式メンバーに加え3人組に戻ったのも束の間、ドラマー兼ベーシストだった敦子さんが結婚のため渡米し、また(実質)2人組になってしまったナイフ。オリジナル・メンバーは直子さんだけになり、実質直子さんのソロ・プロジェクトになってしまった今のナイフに対しては、ファン歴が長ければ長いほどネガティヴな見方が自然と出て来てしまうものだろう。(
私みたいに→) ここで駄作をリリースしようものなら、「こんなのナイフじゃない!」と叩かれてしまう可能性も考えられたところ、そーゆー批判を封じ込めるかのような力作を作り上げた。基本的には、昔からの少年ナイフ・サウンドなんだけど、今や唯一のオリジナル・メンバーとなった直子さんのギターとうたを前面に出して、よりシンプルにロックしてる印象。オープニングの“重力無重力”から元気ハツラツ「ナイフ印」なポップ・ロックが全開。ヘヴィーな“Flu”、ジョーイ・ラモーン追悼曲とは思えない明るく前向きな“Ramones Forever”、直子さんの娘がゲスト・ヴォーカルで登場する“Happy Birthday”、ナイフのアルバムではほとんど「お約束」の域の食べ物についての曲“ポップコーン”と“Cookies”、地球温暖化について歌った“みなみのしま”など聴きどころが多い。
 これまでの少年ナイフのアルバムのドラムは(一部の例外とライヴ盤『Live In Osaka』を除いて)全て敦子さんが叩いていたため、敦子さんのドラミングが耳に馴染んだナイフ・ファンの耳にはこのアルバムでの えっちゃんの(ハイハットを多用し、軽快な)ドラミングに違和感を感じるかもしれません。え? こんなことが気になるのは、ドラマーくずれの私ぐらいなもの???(苦笑)

R.I.Y.L. : 『Brand New Knife』あたり

(2007.7.31掲載予定分を2007.10.29に掲載)

SIGH--一瞬の連なり

(国内盤 : Lastrum LACD-0131)
 元・NAHTのギタリストだったという八木昌太郎を中心とした4人組のフルレングス・アルバム。
 元・NAHTのメンバーがやってるバンドってことから、NAHTみたいなドラマティックな展開をみせるエモを期待してしまったけど、彼らの音楽は、日本語の語感を大切にした叙情的なロック。八木昌太郎さんのヴォーカルはNAHTのSeikiと比べると線の細さは否めないけど(どーしても比較してしまうの。ゴメンね)、SIGHは羅針盤のように文学的な響きと叙情性を大切にする音楽を演ってるワケで(羅針盤よりもず〜〜〜っと正統派なギター・ロックだけど...苦笑)、そもそもNAHTとは上がってる土俵が違うとしか言い様がない。NAHTみたいな音を期待して買ったもののぜ〜んぜん違う音だったけど、彼らの文学的な薫りのする繊細な音世界にすっかりハマってしまいました。掘り出し物ですよ、コレは!

R.I.Y.L. : 日本語の響きを大切にするロック

(2008.4.30)

SISTER SEVEN--Wrestling Over Tiny Matters

(import : Arista 07822-14633-2)
 '97年の『This The Trip』に続く、3年ぶりのアルバム。タテノリ・パンクばかりが横行するなか、ヨコノリのロックを提示した前作『This The Trip』は今の耳にはとっても新鮮に聴こえたワケだが、今回のアルバムではトレード・マークのヨコノリはどことなく控えめで、より大衆受けするコンテンポラリーなものに変化。紅一点・Patriceのヴォーカルは相変わらずド迫力。21世紀の最初の10年はこういう音楽が主流...と私はにらんでるのだが...。

R.I.Y.L. : 4 NON BLONDES

(2000.6.10)

SKILLET--Awake

(国内盤 : ワーナー WPCR-13753)
 レコード・ショップ店頭でPOP付きでド派手にディスプレイされてるのをみて興味を持ったクリスチャン・ヘヴィー・ロック・バンドの最新作(ちなみに、『Billboard』のアルバム・チャートで初登場2位を記録)。
 (『ワーナー』のホームページの情報によると)このアルバムが通算8枚目とのことで、キャリアがあるバンドのようだけど、脚光を浴び始めたのはここ数作の話で、雌伏の時が長かったようだ。最近のアメリカではただヘヴィーなだけなバンドもウケてるので、うるさいだけのバンドを想像しながら聴いたんだけど、意外にポップで聴き易くてビックリ。ただし、アタマの“Hero”のイントロを聴いて、リンキン・パークの“Papercut”を思い浮べたのは私だけでは無いはずだ(笑)...と思えるくらい、リンキン・パークっぽいところがあるサウンド。4人編成のバンドで、キーボーディストとドラマーが女性。ドラマーのジェンがバック・ヴォーカル(“Awake And Alive”などの曲では、ジョンとのツイン・ヴォーカルといえるくらい)をとるため、アイ・アム・ゴーストの傑作『ラヴァーズ・レエクイエム』ふうに聴こえるところもある。ヴォーカル/ベースのジョン・クーパーが独特なハスキーな声がインパクト大で、耳に残る。リンキンっぽいサウンドが好きなひとにオススメ。
 ちなみに、本作からレコーディングに参加してるというドラマーのジェン・レジャー嬢は、1989年生まれで現在ハタチ! まだまだ若い彼女がライヴでどのようなプレイをみせるのか、ひじょーに興味があるんだけどさ(笑)。

R.I.Y.L. : LINKIN PARK, LIMP BIZKIT, I AM GHOST『Lovers' Requiem』

(2010.2.28/3.1)

MINDY SMITH--Stupid Love

(import : Vangaurd 79853-2)
 ニューヨーク出身の女性シンガー/ソングライターの4thアルバム。
 『Billboard』の『Top Heatseekers』チャートで1位になったのと、ジャケットにつられ、彼女について一切何の予備知識も無い状態で買ったんだけど、このアルバムで聴かれるのは、カントリー・ミュージックの色濃いフォーク・ミュージック。一聴して、カントリー・ミュージックに傾倒して日本盤が出なくなってしまった今のジュエルを思い出してしまった(苦笑)。
 素朴でなごめるサウンド。癒しを音楽に求めるかたにピッタリ!なアルバムだと思います。

R.I.Y.L. : Jewel, Lucinda Williams

(2009.9.30)

SOUND TEAM--Movie Monster

(import : Capitol 7243 8 60594 2 0)
 アメリカ・テキサス州オースティンをベースとする6人組のバンド、SOUND TEAMのメジャー・デビュー盤。まさに、「バンド」というより「チーム」と呼ぶにふさわしい大所帯(苦笑)。
 いかにも「USインディーズ」といった感じの湿り気を感じさせないドライなロックを披露。6人のメンバーのうち3人にヴォーカルのクレジットがあり、サビの部分では男3人が合唱してる模様。ともすれば男臭くなってしまいそうなところ、キーボード・プレイヤーが2人(ムーグ奏者とオルガン奏者)居て、ホンワカとした独特の音世界を創り出すことで男臭さを中和してます(苦笑)。一番好きな曲は、“Burn To Please”。ラストの“Handful Of Billions”もイイ。
 「SOUND TEAM」というバンド名と『Movie Monster』というアルバム名につられて買ったんだけど、これはなかなかの掘り出しものでした。

R.I.Y.L. : JETS TO BRAZIL, PINBACK, Sau'beach

(2006.10.31掲載予定分を2007.10.4に掲載)

相対性理論--シンクロニシティーン

(国内盤 : みらいレコード XNMR-12345)
 今、巷で話題の日本のインディー・ギター・ポップ4人組の3rdアルバム。
 このバンドのサウンドを聴いたのはこのアルバムが初めてだったけど、1回聴いてどうしてこれほどまでにシーンで話題になってるのかがよ〜〜〜く解った(爆笑〜!!!)。このバンドを読み解くキーワードはズバリ、「萌え」!(笑)
 女性ヴォーカリスト・やくしまるえつこのどこか舌足らずで幼い歌声はモロに秋葉原あたりでウケそう(苦笑)。その やくしまるの歌声にはフワフワとした浮遊感があり、聴いてるとハマってしまう。バックのサウンドも、やくしまるのヴォーカルに合わせ、シンプル(ドラムスは意外に手数が多いですが...苦笑)。また、“ミス・パワレルワールド”の♪パラレル〜パラレル〜パラレル〜パラレル〜パラレル〜パラレル〜ワールド...の連呼や、“チャイナアドバイス”での♪チャイナ〜チャイナ〜チャイナ〜チャイナ〜...の連呼、“マイハートハードピンチ”での♪あいうえおっと〜かきくけこれは〜...の言葉遊びなど、歌詞の面白さも独特。ウチの子供たち(4歳と2歳)に聴かせてもウケるかも(苦笑)。

R.I.Y.L. : 比較対象が無くって困ってますが、THE CARDIGANSとかセラニポージとか?(苦笑)

(2010.5.31)

SPEARFISH--Area 605

(import : Lion Music LMC-127)
 スウェーデンのハード・ロック・トリオの(おそらく)4枚目になるアルバム。
 RUSHの名曲“Limelight”をカヴァーしてる(3曲目に収録)ので買ったんだけど、ベーシスト兼リード・ヴォーカリストのThomas Thulinの声質が異色で耳に残ってハマってしまった(苦笑)。例えて言うなら、磯野カツオ(故・高橋和枝さん時代)みたいな悪ガキ声。演奏してる楽曲は伝統的ハード・ロック/バッド・ボーイズ・ロックン・ロールで、ヴォーカルに特徴あるせいか、モロに『ガールズ・ガールズ・ガールズ』〜『ドクター・フィールグッド』の頃のモトリー・クルーっぽく聴こえます(苦笑)。Thomasのヴォーカルは、ヴィンス・ニールをちょっとハイ・トーンにしたような感じだし...。
 バンド編成はまるっきりRUSHと同じ編成(b. 兼vo.、g.、ds.)だけど、RUSHっぽいところはあまりありません。ま、1曲目の“Fate”には、RUSHの“Animate”みたいなフレーズがあるにはありますが...(苦笑)。

R.I.Y.L. : MOTLEY CRUE

(2006.2.28)

THE SPINTO BAND--Nicely And Nicely Done

(国内盤 : EMI TOCP-66576)
 『FUJI ROCK FESTIVAL '06』に早くも出演し、『Red Marquee』でライヴを披露した米・デラウェア州出身のヒネクレ・ポップの6人組のアルバム。
 本国でよりも、英国で話題になってるからも分かるとおり、カズーを吹いて♪ブブブブ〜ブ〜とおバカなイントロで始まる始まる“Brown Box”や、♪アウ〜アウ〜アウ〜アウ〜...のこれまたおバカなイントロが印象的な“Trust Vs. Mistrust”をはじめ、XTCにも通じるどこか人を喰ったようなヒネクレたポップ・ソングを披露。アメリカのヒネクレ・ポップの先達(笑)のペイヴメントよりポップで聴き易い。ヴォーカリストが2人居て、甘っるい好青年ふうのヴォイスの曲(“Did I Tell You”、“Oh Mandy”などポップで明るい曲が多い)と、低く渋いヴォーカルの曲(“Brown Box”,“Trust Vs. Mistrust”、“Late ”などダークかつひねくれた曲が多い)の対比も面白い。

R.I.Y.L. : PAVEMANT, Orvis

(2006.8.31掲載予定分を2007.12.10に掲載)

BRUCE SPRINGSTEEN--The Rising

(国内盤 : ソニー SICP-203)
 「私はロックン・ロールの過去を見た。その名はブルース・スプリングスティーン」などと、10年前に揶揄され、過去のひと扱いされていた『ボス』。1984年の代表作『ボーン・イン・ザ・USA』以後、どんどん時代からの乖離が目立ち始め、1995年の『ゴースト・オブ・トム・ジョード』は(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの面々の共感は得たけど)セールス的に惨敗。以後、目立った活動はなく、グレイテスト・ヒッツやライヴ盤をリリースするくらいですっかり「過去の遺産にすがってます」モードに入ってた。ところが、世間を震撼させた『2001.9.11』のお蔭で、愛国心をかき立てられたアメリカが再び「アメリカを代表する『彼』」を必要としてるのに応えたのかどうだか知らないけど、こちらの期待以上の出来にビックリ!!! すっかり現役感覚が戻っており、過去の遺物ような感じは皆無。昔と大して変わったことやってるワケじゃないのに、古く聴こえないってことは、時代がまた彼を必要としてるってことだろうか? これは『ボーン・イン・ザ・USA』以来の会心作と、私は断言します! 個人的なベスト・トラックは“Further On (Up The Road)”、そしてサイモン&ガーファンクルの“Sound Of Silence”のような(笑)“Paradise”がオススメ。

R.I.Y.L. : BRUCE SPRINGSTEEN(笑)

(2002.8.29/9.5)

STARLET--When Sun Falls On My Feet

(国内盤 : フィルター PRPH-2046)
 今年の2月にリリースされた名盤を今さらながらに発掘!!! スウェーデンの4人組ギタポ・バンド、スターレットの3rdアルバム。2000年リリースの前作『僕のそばで』(『Stay On My Side』)もなかなかの力作だったけど、このアルバムでは著しい成長をみせております。このアルバムで聴けるサウンドを誤解を恐れずに言えば、ベル・アンド・セバスチャンやザ・スミスを思わせるほど切なく、青々しい。タイトル・ナンバーや“Christine”のようにトランペットやストリングスが入るとモロにベルセバに聴こえます(笑)。ハッキリ言うと、ヴォーカルがヘタなので(苦笑)、音楽の完成度についてはベルセバやスミスの足元に及ばないけど、『青さの現役度』からすると、これくらい音に隙があったほうが青さが一層リアルに響く(苦笑)。個人的には“Malmo”と“Sunshine”がベスト・トラック。ベルセバやスミスが好きなひとで「ヘタなヴォーカルは我慢ならない!」というのでなければ、即買い! 私的2002年のベスト・アルバム最右翼候補!!!

R.I.Y.L. : BELLE AND SEBASTIAN, THE SMITHS

(2002.9.24)

STARLING--Sustainer

(import : Time Bomb/BMG 70930-43535-2 RE-1)
 ギタポの掘り出し物発見!!! カナダの4人組・STARLING のこのアルバム、レコード店頭で『ティーンエイジ・ファンクラブ/スーパーチャンク風』と書かれていたので買ったんだけど、大当たり!!! ティーンエイジ・ファンクラブぽいのはレコード店の言うとおりだったけど、スーパーチャンクというよりはファウンテインズ・オブ・ウェインのほうが近い音。チープなシンセが入るのでレンタルズぽくもある。ギタポ・ファンのみなさんは買って損することの無い1枚。

R.I.Y.L. : TEENAGE FANCLUB、FOUNTAINS OF WAYNE

(2000.5.21)

STEREOPHONICS--You Gotta Go There To Come Back

(国内盤 : V2 V2CP-152)
 ステレオフォニックスの2年振りの4枚目。サウンドよりも、ヴォーカルのケリー・ジョーンズがロン毛(今までに比べれば...苦笑)にしたヴィジュアル面での変化が目を引いたが(笑)、サウンドのほうも、デビュー当時のウェールズの田舎の兄ちゃんが鳴らす純朴なロックから、ブラック・クロウズを思わせる泥臭く黒っぽいダイナミックなものへ完全脱皮。前作『ジャスト・イナフ・エデュケイション・トゥ・パフォーム』では、ケリーの歌声の進化にサウンドのほうが追いついてなかった印象もあったけど、この作品でようやくケリーの歌声にサウンドが追い付いた(笑)。このアルバムで聴けるケリーの歌声はシブくてイイっス(笑)。個人的には、デビュー盤『ワード・ゲッツ・アラウンド』以来の快心作。

R.I.Y.L. : THE BLACK CROWES

(2003.8.29)

SHELBY STARNER--From In The Shadows

(国内盤 : ワーナー WPCR-10322)
 若干15歳という女性シンガー・ソングライターのデビュー作。ジュエルに少しカントリー・テイストをまぶしたような音。とても15歳の少女が作ってるとは思えない曲、そして可愛いシェルビーの歌も良いが、このアルバムの一番の聴きどころは Abe Laboriel Jr. というドラマーの演奏。トコトコ...と軽めの独特の音色をもつドラミングは、まるで太鼓で歌っている様を思わせる。“Fall”や“Empty Mind”といった曲でそれが顕著だ。このタイコ、耳から離れんわ...。

R.I.Y.L. : Jewel

(2000.2.13)

GARRISON STARR--Songs From Take-Off To Landing

(import : Back Porch/Virgin 72438-11731-2-1)
 ♪I am a superhero〜(私はスーパーヒーローなんだもん〜)などと歌った“Superhero”がごく一部で話題になったもののすぐに『消息不明』になってた「南部のじゃじゃ馬ネェチャン」が、4年半の沈黙を破り、復活。「南部のじゃじゃ馬ネェチャン」というイメージそのまんまのアーシーなロック演ってます。“Big Sky”など、'80年代なら大ヒットしそうなくらいポジティヴな空気に満ちてる楽曲が多い一方で、“5 Munites”など聴かせる楽曲もあり、4年半の雌伏の時はムダではなかった!...と感じさせられます(笑)。彼女のヴォーカルは発声/発音が独特で、この声にいちどハマると病みつきになる可能性大(笑)。スティーヴ・アールやMary Chapin Carpenter など、カントリー系アーティストがゲスト参加。デビュー当時のシェリル・クロウが好きなひとにオススメ。
(詳細はこちら→)

R.I.Y.L. : Sheryl Crow

(2002.5.10)

Stereo Fabrication of youth--Are you independent?

(国内盤 : bem records cmcd-1001)
 
野外ロック・フェス『KIT POPHILL 2001』にも登場した名古屋を拠点とするバンド、Stereo Fabrication of youth (略して、ステファブ...笑)が2000年8月にリリースしたインディー盤。このひとたちのライヴを『POPHILL』で観てメッチャ気に入ったんだけど、米インディー・ギターポップ・シーンからの影響をまとも受けた音出してます。アタマの2曲(“戦場の遠距離恋愛”と“allow”)はモロにスーパーチャンク(笑)。ヴォーカルの声が高めで、音もエモがかったりするのでNAHTっぽくも聴こえる。ヴォーカルの声は単に高いだけじゃなくって、ホントに独特。この声の違和感だけでもインパクトありました。なんか、笑いながら歌ってるような。このクセの強いヴォーカルはスパークルホースっぽいね(笑)。“B.B.B.”って曲の♪僕らの世代の旗を掲げろ〜赤と白の旗、燃やそう〜...って歌詞に思わずニヤリ。ロックだなぁ(笑)。

R.I.Y.L. : SUPERCHUNK, NAHT, SPARKLEHORSE『Good Morning Spider』

(2001.9.2/9.25)

STEREOLAB--The First Of The Miclobe Hunters

(国内盤 : イーストウエスト AMCY-7179)
 ステレオラブがやってくれました!!! 『ドッツ・アンド・ループス』以降のオシャレで洗練された路線に個人的には物足りなさを感じていただけに、大傑作『エンペラー・トマト・ケチャップ』に通じる『1970年代のSF映画で描写されている21世紀の音楽』路線に万々歳!!! 各方面で話題になっている「ひたすら単調さが続き、一切曲展開しない」曲“Outer Bongolia”を始め、“Barock - Plastik”も面白い。二重マル!!!

R.I.Y.L. : 『Emperor Tomato Ketchup』

(2000.8.31)

SUGARBOMB--Bully

(国内盤 : BMGファンハウス BVCP-21223)
 ジェリーフィッシュからの影響を公言する米テキサス州に拠点を置く5人組。個人的には、このバンドがジェリーフィッシュ・チルドレン扱いされるのにはどうにも納得出来ないモノがあるんだけど、おそらくその原因はヴォーカリストの声質がスマッシュ・マウスみたいなダミ声だからだと思う(笑)。ジェリーフィッシュ・チルドレンというよりも、クィーン〜チープ・トリック〜ジェリーフィッシュというヴォーカル・ハーモニーを重視したパワーポップの歴史の流れに乗っかったバンドだと思いました。なにしろテキサスの荒くれ者だから(笑)大味なところが見受けられるため、ジェリーフィッシュそっくりそのままコピーしたクローン・バンドを期待するとツブれるけど、ここで名前が挙がったバンドがみんな好きなひとは間違いなく『買い!』な1枚です。

R.I.Y.L. : CHEAP TRICK, MARVELOUS 3, JELLYFISH, SMASH MOUSE

(2001.11.10)

SUNNY DAY REAL ESTATE--The Rising Tide

(import : Time Bomb 70930-43541-2)
 このバンドの音を聴くの初めてなんだけど、トニック・シャンプーで洗髪した時のような感触...ヒリヒリするけど、スカ〜ッ!と爽快なサウンドしてて、聴いてキモチイイね。ヴォーカルの感触からして、ビルト・トゥ・スピルの名前を出したくなるけど、ギターはサイケ風味が足りない。その代わり、ヒリッとした爽快な感触がある。

R.I.Y.L. : BUILT TO SPILL、MODEST MOUSE

(2000.9.12)

SUPERDRAG--In The Valley Of Dying Stars

(国内盤 : トゥー・チルドレン BLCY-1002)
 メタリック(ヘヴィー・メタル的という意味ではなく、文字どおり金属的という意味)な感触のギターがトレード・マークのアメリカのギター・ポップ・バンド『チョー足手まとい』こと、スーパードラッグがインディー落ちしてリリースしたアルバム。アルバムの出だしは今のアメリカで流行ってるSR-71ふうのパワーポップで始まるものだから、コイツらも日和ったか?...と思ったけど、アルバムとおして聴くとメジャーの『Elektra』時代と変わらないギター・ポップ。サマーキャンプとか、あの手のバンドが好きなひとは是非!!!

R.I.Y.L. : SUMMERCAMP、THE POSIES

(2001.2.18/4.30)

SUPERDRAG--Last Call For Vitriol

(import : Arena Rock ARE-00023-2)
 『チョー足手まとい』こと、スーパードラッグの1年半振りの新作(4th)は、実にスーパードラッグらしいアルバムで、こちらの事前予想を上廻る出来の充実作。ジミー・イート・ワールドのアルバム『ブリード・アメリカン』みたいな感触の“I Can't Wait”、スーパードラッグらしい臭みにあふれた“So Insincere”、1st『リグレットフリー・ユアーズ』を思い起こさせるストレートなロック“Feeling Like I Do”、演歌っぽい湿り気のある“Her Melancholy Tune”(タイトルと曲の内容がズバリ一致!!!)...などなど、彼ららしい曲が続く。1st『リグレットフリー・ユアーズ』を聴いた時に衝撃だったメタリック(ヘヴィー・メタル的という意味ではなく、文字どおり金属的という意味)な感触のギターはここ数作抑え気味だったけど、このアルバムではかなり復権してるし、今まで出したアルバムの総集編っつうか、イイとこ取りみたいな感じ。このアルバムは彼らの最高傑作だと断言!!!

R.I.Y.L. : JIMMY EAT WORLD、SUMMERCAMP

(2002.11.30)

MATTHEW SWEET--Sunshine Lies

(国内盤 : Pヴァイン PVCP-8257)
 マシュー・スウィートの3年ぶり10枚目のアルバム(名盤『ガールフレンド』から数えると、8枚目。元・バングルズのスザンナ・ホフスとカヴァー・アルバムは除く)。メジャー契約を失って以来、日本でのみしかアルバムがリリースされなかったり(『キミがスキ・ライフ』、後に本国でも発売された)と不遇な時代が続いていたため、『ガールフレンド』が話題となって来日を果たした時には『おたく』だの『ラムちゃんの刺青』を入れてるだの『ロック冬彦さん』だの面白おかしく取り上げてた日本の音楽メディアでの扱いも、ここ数年はすっかり小さくなってしまったマシュー。私などは(多忙につき)前作『リヴィング・シングス』すら聴いていない...(苦笑)。そんなここ数年の不遇を一気に吹き飛ばすような快作。
 オープニングの“Time Machine”から、湿り気一切ナシの夏の青空を思わせるような爽やかな往年の『マシュー節』が炸裂! 一転、“Room To Rock”では、ラウドで荒々しいギターがフィーチュア...と、ポップな曲と、ギターを前面に据えた曲がバランス良く収められている。2000年の『サマー・ソニック』の時にはあまりにもルックスが老け込んで、さらには太っててビックリしたものだけど(苦笑)、このアルバムで聴かれるマシューの歌声は若々しく、一切年齢を感じさせない。ドラムにヴェルヴェット・クラッシュのリック・メンクが全面的に参加し、パワフルなドラミングを披露してる。カヴァー・アルバムで共演を果したスザンナ・ホフスもタイトル曲でバック・コーラスで参加してます。
 このアルバム聴いてたら、『100%ファン』を聴きたくなってしまい、このアルバムと同様、最近『100%ファン』をよく聴いてます(笑)。

R.I.Y.L. : FOUNTAINS OF WAYNE, THE POSIES

(2008.10.16/10.18/12.4)

 

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